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ミケマル的 本の虫な日々

『星を編む』


『星を編む』 凪良ゆう



『汝、星のごとく』の続編ということで、出版された時から読もうと思っていた本。
凪良ゆうさんは書く本書く本が評価され、色々と受賞されている作家さん。
一般の小説を書く前にはBLの本をたくさん出していて、その中の一つが『美しい彼』でした。
私が凪良さんを知ったのは『美しい彼』だったけれど、その時にはすでに『流浪の月』が出版され高く評価されていて、それも読みました。『神様のビオトープ』も。

 そして、去年『汝、星のごとく』を読み、家族や環境に翻弄される苦しさを描きながらも、自分の気持ちを貫くことの大変さと大切さを描いていて、なんとも言えない読後感がありました。
そして、自分の価値観や先入観で他人を見てしまいがちな事を考えさせられました。
本屋大賞を取った本です。
その時に書いた感想はこちら

 この『星を編む』は『汝、星のごとく』の続編ということですが、3部に分かれていて、「春に跳ぶ」は前作の主人公である櫂と暁海を支えた教師・北原先生の物語。
「星を編む」は漫画作家や小説作家の才能を輝かせるために編集者として生きる二人のお話。櫂の漫画原作者、作家として担当し世に出そうとした二人の生き方。
「海を渡る」は暁海の人生のその後を描いています。

 初めの2つの話は前作のサイドストーリーとして、両方の物語に深みを持たせるものでした。
「海を渡る」はまさに続編という、登場人物のその後を描いていて、それぞれの愛が収束して静かにいい終わりで良かったなと思うようなものでした。
『汝、星の如く』のなんとも切ない読後感から、あ〜そうだったのね、そして良かったなと思うような読後感を感じられました。

 しかし、それだけではなくて、他人や物事への先入観や凝り固まった価値観での判断や、固定観念を持つことによって見誤りがちになること、その中で自分を保って自由に生きる難しさなどを描いているのが凪良さんの凄いところだと思います。
やっぱり自由に自分の欲するままに生きるって難しいけれど、自分もそして次の世代のためにも、その実現のために向かっていくことの大切さを書きたかったのではと勝手に思ったのでした。

 『汝、星のごとく』と『星を編む』両方で呼応し合う小説。
しみじみと哀しく美しいお話でした。

 

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