ISUHOUSE がんこ椅子張り職人 masa.kamiyanagi 上柳征信

椅子張り職人20年、オリジナルデザインの新製品を製作。椅子教室、椅子張替え、修復復元。ISUHOUSE=椅子家=椅子屋

椅子が出来るまで 3

2005-05-16 18:03:30 | 椅子が出来るまで
麻テープ・力布 打ち

椅子を裏返し、麻テープ(力布)を釘で打ちつけます。


4


最近では釘はあまり使われず、エアータッカーを使用する椅子がほとんどですが、古典的な椅子の場合には口から釘をだして、マグネットハンマーで釘を打ちつけます。

タッカーのステープルと釘はどちらも利点があります。
タッカーのステープルを木に打ちつけると、木の繊維を破壊してしまいますが、仕事が速くできます。
釘の場合には、木の繊維を割って木に打ちつけることができます。

古典的な椅子張り製法の場合、樹齢百数十年の木を使用することで、長い年月使用できる椅子ができます。
(少なくても樹齢と同程度の耐久性があるとよくききますよね。)

そのため、木の繊維を割って入る釘を用いることで、張り替えを何回かした際にでも、木がもつようになります。
釘を抜いても違うところに釘を打てば、永年の木の呼吸(伸縮膨張)で多少は回復する可能性がありますし、違うところに打ちつければ抜いた穴もしまります。

ステープルだと繊維を破壊してしまうので、何回か張り替えをすると木自体がもたないのです。
ステープルを抜いた穴が破壊されているので、木がもとに戻ることが難しいです。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿