石油元売り最大手の新日本石油は27日、9月からのガソリン卸価格を8月比で1リットルあたり5・1円値下げすると発表した。新日石が卸価格を値下げするのは平成18年11月以来1年10カ月ぶり。同様にジャパンエナジーも19年2月以来、1年7カ月ぶりに5円程度値下げする。他の元売り各社も値下げの方針で、9月のレギュラーガソリンの全国平均価格は1リットル=170円台半ばとなる見通し。
新日石によると、ドバイ原油など8月の指標価格は、7月比で1バレルあたり約18ドル下落。円安が若干コストを押し上げたものの、原油価格の大幅な下落により、調達コストは1リットルあたり10・1円下がった。調達コスト、卸価格とも下げ幅は平成2年の価格開示以来、過去最大となった。
同日、石油情報センターが発表したレギュラーガソリンの全国平均小売価格(25日時点)は、前週比1・5円安の1リットル=181・7円と3週連続で下落した。石油情報センターは「価格高騰で需要が大きく落ち込んでおり、集客のために値下げを余儀なくされている」と指摘する。