一般的に食道がんの手術の場合は、術後2週間の入院が普通なようです。
手術前のカンファレンスでイラスト入りの工程図を事前提示いただき、例えば術後何日目にこの管が外れる・・とか、何日後からゼリー食事が始まる・・とかそういったことが詳細に記載されたプリントを配布いただけるので、不安なく過ごせました。
ただ、妻さん的には痛み・・術後の傷から起因する痛みや、胸からわき腹にかけて水が溜まってしまうのがツラかったようです。
ベッドから動かないことによるエコノミー症候群を防ぐために、術後2日目からリハビリが始まり、沢山の管をつけたまま院内のリハビリセンターまで歩いて移動したり、なかなか大変だ・・って言ってました。
特に起き上がるときがかなり痛いようで、痛み止めを点滴しているにも関わらず、痛くて夜に寝るのも難儀していたようです。
術後1週間後には管もかなり外れて、かなり楽になってきたのと、ゼリー食事から始まって、お粥、ペースト食に移行して、順調に術後は回復して、予定通り最短の2週間で退院することができました!
手術前は「胃ろう」と言って、胃から栄養をとる管が繋がっていたのですが、胃はなくなってしまったので、現在は腸から栄養を取る「腸ろう」に切り替わっています。
癌が完全に食道をふさいで全く食事を摂れなかった妻さんですが、抗がん剤治療により癌が小さくなったのか、手術直前はフツーに口から食事を食べてましたし、退院直後から腸ろうはサボり気味で刻み食や、フツーの食事をよく噛んで少々食べたり、アイスやゼリー、プリンなどを良く食べています。
療法士の方からは「少なくとも普通に家事ができるようになるには3か月位掛かる・・」と脅されていたようですが、
今はフツーに洗濯、掃除、食事作り、他をやっています。
ただ、お風呂掃除、トイレ掃除、買い物(※重いものを持つ)はできないようです。
ま、できない家事はそもそも癌以前から私が担当していたこともあり、今ではお酒を吞まないこと、食事が別メニューになったこと以外は割とフツーの生活をしています。
ーーーーーーー
術後が回復してくると、気になるのは今後の癌の動向です。
術後の心膜の細胞検査については、まだ検査結果が出てきていないものの、先週の血液検査ではCYFRA(シフラ)という扁平上皮癌を測定する(皮膚や膜内に癌があると値が大きくなる)腫瘍マーカーが基準値の5倍と、我々夫婦を奈落の底に突き落とす結果となりました・・。
いや・・まぁ・・半分は判ってたことなんですけどね。
来週、再来週に掛けて、レントゲン検査、CT検査を実施し、7月上旬に今後の治療方針を決めていくことになるでしょう。
お医者さんは『術後の影響かな・・・』なんて、言葉を濁しておりましたが、腫瘍マーカーの数値が基準値の5倍になっているということは、癌が残存しているか転移していると考えて間違いないと思います。
とにかく術後の傷をいやすこと・・体力を回復させることが第一であせっちゃダメですが、
治療策としては、
①種類を変えての抗がん剤治療
②ニボルマブ(オプシーボ)を使った免疫療法
③放射線治療
の3択か、上記を組み合わせて・・ということになるのでしょうが、常識的に考えて心膜(心臓)に放射線を当てる・・というのは考えづらいのではないか・・と個人的には思っております。(※調べたら標準治療では認められていないようです。)
手術を行う前の術前化学療法でシスプラチン・・という好悪ある最強抗がん剤を既に使ってしまったので、抗がん剤治療もまた微妙なのです。(※抗がん剤は長期間使うと癌が耐性ができてしまい、同じ抗がん剤の奏効は悪くなるそうです。)
しかし、妻さん、抗がん剤耐性も割とあって副作用も小さかったですし、
今後のQOL(Quality of Life)を考えると、癌の根治はもはやあきらめ、標準治療で認められている免疫阻害薬と抗がん剤で年単位での”癌”安定化を目指し、その結果として5年生存を勝ち抜くという戦略が理系いろはの現状方針です。
あ、他にも色々と治療方法はありますが、現在のワタクシの方針は保険適用の「標準治療」にしか念頭においていませんので・・・。
数字的な話をすると、食道がんステージⅣの5年生存率は12%~20%と言われています。
勿論、人間の体なんで、統計なんてくそくらえ!!なところもありますが、数字が現実なのも理解しなければなりません・・・。
希望はけして捨てませんが、正直厳しい闘いとなりますし、負け戦になる可能性も高いです・・・。
ーーーーー
ここからは、いろは家をとりまく事情と懸念事項についてです。
我が家はこども3人のうち、上二人(長男、次男)はもう大学生。
基本的には子育てという意味では後は数年間の学費・・というお金で解決しますので、心配ごとからは一旦除外・・・(笑)
あ・・そうそう、やはり「お金」は超重要なのでお仕事をセーブするわけには行きません・・・。
幸いワタクシが勤務している会社は、近年・・業績が良い傾向が継続しており、給与も賞与も十分なアップを頂いております。
欲を言えば確定申告するくらいの稼ぎがあれば尚可なんですが(笑)、ま、それは期待せず目の前の仕事に集中しましょ!
今後の治療継続や子供達への学費ねん出の観点から、お仕事を手を抜くことは現実的ではなく、それゆえに妻さんが今後の症状悪化時や最悪の時期に必要なサポートができない可能性が高いというのが最大の懸念です。
会社を休職したり退職することも一瞬頭をよぎりましたが、金銭面リスクからするとその方がいろは一家の危機となります。
幸いというか、老人認知症系の介護と違い、数年にわたるような介護はない(※ぶっちゃけ、癌は悪い方向に行ったら長期間生きることはない病気なので・・。)前提でいるのですが、フルタイムで仕事をしながらはツライ・・というか無理!
妻さんサポートの懸念事項は1番やっかいで、癌が悪化して動けなくなってきた状況を仮定して、私がそれをずっと介護することは現実的ではありません。
第二の懸念は長女の面倒を私で見れるのか・・??というのがあります。
長女は小6から不登校となり、現在はサポートクラスに通っており、通常の高校進学はほぼ絶望的です。
現在中3なのにとっても幼い一面があり、自分のこともあまりできずに母親だよりの面が今でも大きいです。
先日・・、妻さんが入院中に長女が毎日使っているお化粧水がなくなった・・と言われたので、
『そんなんm、悪いけどお金あげるから自分でウェルシア行って買ってきて!』
とキツめにいったら、その後半日ずーっと泣いてました・・・。
あとはプライベートの洋服とか、スキンケアグッズ、生理用品まで今は全部母親と一緒に買いに行ったり、妻さんが買ってるし、前髪を切ったりとか髪を結んだりとか・・そワタクシは全く対応できません・・。
それに加えて、普通でない状況での中学卒業後の進学サポートは私でできるのか・?
多感な時代に母親なしで育ってくれるのか・・?
父親作のお弁当で満足してくれるのか??(笑)
悩みは尽きないのであります・・・。
ありがたいことに、次男坊という不登校の先輩がおり、最下層の高校進学については先例を経験してますので、女の子特有の感情を除けばロジック的に全く不安がありません。
神奈川には中学レベルの勉強もおぼつかない子を受け入れてくれる高校があるのもありがたいですし、その情報もやり方も知っています・・。
次男は公立の2次募集で定員割れしてる工業高校に進学し、今やFラン大ではありますが工業大学に進学していますから(笑)
ーーー
一般家事については懸念はありません。
料理、買い物、掃除、洗濯などの一般家事は大変になるものの、元々得意なので・・・。
今みたいに専業主婦の妻さんに任せきり・・が、なくなればそりゃ手間は増えて時間は取られますが、やってできないことはないですし、洗濯は完全に長男と長女でこなせるようになりました。ここは家族で乗り切れば良いので特に懸念はありません。
ーーーーー
という訳で、妻さんの今後の不安は全然解消されていませんが、あんまり思い詰めてワタシまでもおかしくなって倒れてしまうとリアル一家離散の危機となり、結果的に家族に迷惑が掛かりますので、
〇皆様方との呑み会
〇ゴルフ
〇ジョギング
〇がぶ飲みキャンプ
は継続予定です!!(笑)
ストレス解消とリラックスは必要よん!!
今後ともお付き合いのほどよろしくお願い申し上げます!!(笑)
おしまい・・・。
※次回の記事更新は3か月後位かな~
なにかあったらお声がけください。
ご家族がんばれ!!!!!
いろいろと心配事が多くて、なんとも大変ですね。
最後の宣言で、ちょっとだけほっとしました。
なんとか落ち着いた生活が戻ってくるように、願っております。
しかし、いろは家サポーターの私は、
断然応援してますので、いつでも付き合いますよ!
ご家族のみなさんのためにも無理なくお過ごしください。
奥様のこと、お嬢様のこと、お金のころ、いろいろ直視しなければならないことが多く、心身共に大変だと思います。何もできませんが、話ぐらいならいくらでも聞けますよ。
自然療法やら何やら、勧める方は善意なので、余計にたちが悪い。
このコメントは公開でお願いします。
1〜3拝見いたしました。
いろはさんご自身のお身体を大切にされることが、いろは家の平和を維持することになりますものね。
ご自愛ください。
奥様のことお子さんのことご自身のこと、
仕事、経済的、肉体的なご負担、バランスを取りながらある程度は割り切らないと前にすすめませんので陰ながら応援させて頂きます。私も母親の介護、悪態をつかれながらここ数年対応しております。