奄美の冬に多い、しとしと降る雨のなか、ムベの白い花が一段
と美しく見えました。いまは満開の時期ですが、晩秋の頃に美
しくもおいしい赤紫色の実がなります。子どもの頃は、山で誰か
が見つけるや否や、競って採り合いました。ムベは、最も豪華で
おいしい食べものでした。ムベは、常緑のつる性植物ですが、そ
の昔、天智天皇がこの果実を食べたとき発した「むべなるかな」
という一言に由来するとか。ああ~、あの頃あの時のなつかしい
ムベの味は、いまいずこ・・・。
【島口バージョン】(キシゆむた)
島ぬ冬ぬいっちんがれ降りゅんあむぃぬなかなんてぃ、ウムぬし
るさん花や、むるきょらっさありょうたっと。なまや満開ぬ時期あり
ょんば、みいにしぬくるや、きょらっさあてぃまっさんはーさんいる
ぬ実ぬなりゅんちよ。わらべぬ頃や、山なんてぃ、たるがぬくん実
ば、にっきればすぐんま、とりくまだりょうたっと。ウムや、むるいっ
ちゃんかみむんあたんちよ。ウムや、常緑のつる性植物ありょうて
ぃ、昔、天智天皇がくん実ばみしょたんとぅき、いしゃん「むべなる
かな」ちいゆんゆむたら、ウム(ムベ)ちなりょうたんちゅかな。はげ
~、あんわらべぬ時ぬなちかしゃん味や、だあちいじかい・・・。