流星パズル

イナズマイレブンの愛を語りまくるブログ。
一部腐向けですので、苦手な方はお引取り下さい。

別れ ~薄氷~ (豪吹)

2010-03-13 10:16:33 | 小説
※腐向け(BL)小説ですので、苦手な方はご注意下さい。


――――夕焼けが町全体を橙色に染める頃、
円堂がぱっと鉄塔広場のベンチから立ち上がった。
「それじゃ、俺はもうそろそろ行くな」
「あ、キャプテンもう帰るの?じゃあ僕も帰るよ」
吹雪も円堂とほぼ同時に立ち上がった。
「吹雪と豪炎寺はゆっくりしとけよ。
最後なんだから、二人で喋ったらいいじゃん」
円堂は優しく笑いながら吹雪の腰を下ろした。
「キャプテン…。
じゃあ最後だから言っておくね。
今までありがとう。君に出会えて本当に良かった。
また会おうね」
「ああ!またな、吹雪」
円堂と吹雪はがっちりと熱い握手を交わし、
そのまま円堂は去っていった。
そして吹雪は、俺の隣に座りなおした。
「…豪炎寺君にも、最後だから言っておくね。
今までありが…、!」
吹雪の声がぴたりと止まった。
無理はない。いきなり真正面から抱きしめたのだから。
「ご、豪え…」
「最後なんか言わないでくれ。言葉なんかいらない。
欲しいのは…吹雪、お前だけだ」
「!」
吹雪の心臓がドクン、ドクンと高鳴り始める。
きっと俺の心臓も、うるさいだろう。
「…いいよ」
吹雪は聞こえるか聞こえないかくらいの小さい声で同意した。
俺は強く抱きしめていた手を離し、吹雪の肩に手をやった。
そして唇と唇を重ねる。胸が焦げるように熱い。
初めは触れるだけのキスのつもりが、お互い夢中になってしまい、
熱い舌をどちらからか差し込んでしまった。
互いの舌が絡み合い、口の中に唾液が溜まってごくんと飲み込んだ。
吹雪の何かが俺の体内に入ってくるようで、何ともいえない感じがした。
飽きず舌と舌を絡み合わせていると、
唾液の混ざり合った音がいらやしく感じたりもした。
すると、吹雪がいきなり唇を離した。
突然のことに驚き、しかも互いの唾が混ざり合っていたので白い糸が引いた。
「…お前…いきなり離すな」
俺はするっと糸を吸った。
「…ごめん。でもっ…辛いよ…」
「!」
まさかキスをして辛いと言われるなんて想定外だった。
もしかして舌を入れたのが間違いだったか。
けど俺から入れたっけ…などと色々考えていると、
吹雪は静かに頬に涙を伝わした。
「…どうして辛いんだ。どうして泣くんだ」
「…豪炎寺君と一緒に居られなくなるのが…辛い。
今はキスだって出来るんだよ。
でも…もうすぐ会うことも出来なくて見ることも出来なくなるんだよ。
…それなら、今こんなことしたって…辛いだけだよ…」
吹雪は、子供みたいに泣きじゃくるんじゃなくて、拭いもせずただ涙を流した。
その涙は切ないくらい綺麗で、きっと俺じゃこんな涙は流せないだろうと思った。
そうだ。夕香が笑顔を見せなくなったあの瞬間から、
俺は純粋な笑顔も涙も、他人に見せなくなってしまった。
今思えば、何て不器用な奴だろうと思うけど。
だから、正直に言えば吹雪が羨ましかったのかもしれない。
羨ましいのと同時に、守ってやりたいとも思う。
それを変な話だなと思った。吹雪はサッカーに関してはかなり強い。
元々才能がある奴だ。見た目は女みたいで白くて細くて、
大人しそうな奴だけど、サッカーをする時の吹雪を羨ましいと感じることは沢山あった。
だけどサッカー以外は、たまに笑顔がぎこちないと感じることもあったり、
支えてやらないとフラリと倒れそうに見える。
何でも一人で抱え込んでしまうような悪い癖があるとも思う。
だから…
「守ってやりたいと思うんだ。誰よりも傍で、何よりも近くで」
頭と心で考えていることが声となって吹雪まで届いた。
「辛いことなら、いっぱいあるんだ。
俺もそうだけど、吹雪だって沢山経験してきただろう。
だけど…俺が痛い程思ったことは、
何よりも辛いことは諦めることだと。
だから、諦めたくないんだ。
どんなことがあったって、どんなに離れていたって、
吹雪をずっと好きでいたいんだ」
俺ははっきりと言った。
自分も迷わないように。吹雪も迷わせたくなかったように。
「…豪炎寺君がいなきゃ、迷わずに帰れたのに…。
豪炎寺君…。帰りたくない…。北海道に…戻りたくないっ…」
吹雪は俺に縋り付くように抱きついた。
今にも溶けてしまいそうな、頼りない力で俺に縋り付く。
「もう…一人に…しないで…」
か細い声で言ったその言葉は、吹雪の素直な感傷から出る言葉だった。
きっとこれが本当の気持ちだろう。微かに声も体も震えている。
「大丈夫だ。離れてても…」
「変わらない気持ちなんてないんだよ。
終わらないものなんてないんだよ」
吹雪は俺の言葉を遮るようにして、必死に訴えかける。
「俺を信じてくれ、吹雪」
「でもっ…」
「人を信じることは簡単じゃないと分かってる。
だけど、俺だけは信じてくれ」
俺は吹雪を真っ直ぐ見て言った。
嘘なんかついてないと、分かってほしかったから。
すると、吹雪は俺を抱きしめる腕の力をより一層強くした。
だけど痛くなんかない。吹雪の心のほうが痛いはずだから。
吹雪のどんな傷だって、癒してあげたいと思うから。
その傷を癒す相手は、俺だけだと信じたいから。
「別れなんかじゃ…ない」
俺は吹雪を強く強く抱きしめて言った。
例え二人の行く道が別れてしまっても。
別れは次の出会いと一緒で、また吹雪と出会えると信じているから。
例え何かが終わってしまっても。
終わりがくればまた新たな始まりがくるのが、この世界で唯一変わらないもの。
それを気付かせてくれたのは、吹雪…お前だろう。
この気持ちが壊れない限り、
吹雪は俺だけのもの。俺は吹雪だけのもの。
その純粋な涙が汚されないように。
小さく願った。
――――――――――――――――――――――――――――――


っていう豪吹小説でした。
真面目に、とてもシリアスに書こうとしたのに、
途中でキス(しかもちょいディープ)させてしまったというバカヤローでごめんなさい。
このタイトル、~薄氷~がついてるということは、
豪炎寺から見た吹雪の印象がこんな感じかな~と思っております。
と い う こ と は !?
そうです。お察しの通り、吹雪から見た豪炎寺の印象をタイトルにして、
吹雪が北海道に帰る時のこの小説と同じシチュでの吹雪視点で小説書きます。
あー…つまりは、続編みたいな感じです。
吹雪の別れのシーン、円堂と吹雪や円堂と豪炎寺は喋って思い出に浸ってたけど、
豪炎寺と吹雪の二人のシーンが無かったのが悔しく、
今回の小説を書きました。
豪吹って今まであんまり触れたことがなかったので新鮮でした!
この二人って氷と炎で真逆だから結構小説書きやすいかも!!


Dear:ミッフィーさん
こ…こんな感じで宜しかったのでしょうか…ビクビク
本当に真面目に書きたかったんですけど、
キスまでさせちゃいましたすいませんごめんなさい。
満足はしてもらえないと初めから分かってます(笑)。
自分では満足なんか全く出来てません…。
「あー…こんなんじゃダメじゃん…えー何これ間違えてるし…(汗)」
ってなりながら書いてました。
書き始めた時、何書いたらいいか悩んでて、
結構時間かかりました。
結構時間かけた割には良い小説書けてなくてすいません!
もー本当にもうグダグダですいません…(失笑)。
なんかぐっちゃぐちゃな小説ですけど、頑張ったんで大目に見てやって下さい(笑)。

あと、これものすごく個人的な話なんですが、
驚いたのはミッフィーさんと同い年(笑)!
これってきっと運命(笑)!!
これからもこんな馬鹿で最後までグダグダな葵っちゅーモンですが、
よろしくお願いします!


では~