稲垣税理士の いつも笑顔で!

あれこれ思いつくままに。何かのヒントになるといいのですが。

創造性をはぐくむための簡単な心構えと条件

2011年09月05日 | 経営方針・経営戦略の話題
今日お話する内容は、TKC全国会の創設者である飯塚毅先生の著書からのご紹介です。「物凄く伸びる会計人」(TKC出版)という図書のP21からP23あたりに書いてある内容です。経営者には洞察力が必要ですよ・・・というお話の流れの中で、ニューヨーク医科大学のシルバーノ・アリエティーさんという学者さんの「創造力」という本の中に書かれた「創造性を育むための簡単な心構えと条件」が、引用されているのです。これをご紹介します。

第1は 一人でいること (瞑想するには一人でいること)
第2は 非行動性 (ちゃんと立ち止まって考えること 考えるときは動かない)
第3は 白日夢に浸ること (内観と内省を深めること)
第4は 自由な思考へすすむこと (free thinking)
第5は 一見無関係な要素を結合させる
第6は 軽信性 (何事も拒絶する前に偏見を捨て無心で真摯であること)
第7は 過去の苦悩の記憶と内的再現 (過去を覚えていること)
第8は 鋭利な注意力
第9は 修練 (以上の繰り返し繰り返しの体験)

今日特にご紹介したいのは、第6です。
軽信性 をもつこと。この部分の解説をそのまま引用しますと、、、

「ショーペンハウエルに言わせますと、大概の人は40歳前に自己防御能力を身につけてしまうそうです。「この人はうまいこといって私のことをひっかける気だろう」というふうに。「人を見たら泥棒と思え」というふうに常に自己防御を考える。40代までに自己防御能力の成熟してしまった人間と、40になってもまだ自己防御能力のない人間とがあるというのです。そしてだいたい40歳過ぎるまで自己防御の能力がない、常に人にだまされて、人にかつがれて暮らしちゃったと言う人が、実は偉大なる人生を持てる人間なんだと。何事も拒絶する前に偏見を捨て、無心で真摯であることを意味する。ここのところがわからないといかんのですよ。」

引用して引用して、、わかりにくいかも知れませんが、

例えば
1.拒絶したくなったら、
2.一瞬にして内観し、
3.「自己防御による拒絶なのか、本来拒絶すべき内容だから拒絶しているのか」を考えよということです。

人間の心というのは、こういうところがややこしい。

正しいことを言われても、あの人に言われたら素直に聞けるけど、「あの人には言われたくない」ということありますよね。

意外なほど、自分の心には「ワナ」(先入観・自己防御)が潜んでいます。

そのワナを日頃から排除しておく。先入観が前に出ないように準備しておく。
一人でいる時間をもつ。とか、立ち止まって考えてみる。とか。
自由に考えてみて「オレって変なこと考えるよな。フフっ」と笑ってみたり。

そういうことをやってみると、発見や、出会いにつながると思います。

そういうことをやっておかないと、本当に大切な出会いを捨てることになるかも知れません。(大切な出会いを拒絶するのは、変化を恐れる自分の心が原因かもしれない)
自分の優位性を保つには、それは許容できない。。。とか。
親や、社長は、間違いを認めることが難しいですから。

例えば、「会計システムを変える」ということは、以前の選択の間違いを認めることですからね。なかなか難しい。
しかし本当なら、
「君子過ちてあらたむるに憚ることなかれ」です。

拒絶は、
拒絶すべきことなのか。
それとも
自己防御なのか。
よく自分の心を覗いてみましょう。