メカシャッターを持たないカメラがソニーZV-E1、ニコンZ8と発売されています。メカシャッターレスカメラの課題と言われている現象について整理してみあたいと思います。
良くWebで電子シャッターの欠点としてあげられるのが
1) ローリングシャッター歪み
2) 高速シャッターでボケが欠ける場合がある。
3) 高周波フリッカー
で2)は先幕電子シャッターでのみ発生し、メカシャッターレス機では起きない現象なので今回は省略します。
1) ローリングシャッターについては、何度か書いていますが、画面全体を同じタイミングで露光せず、スリット露光をおこなう場合に起こる現象です。
スリット露光をおこなうということは、画面の場所により実際の露光がおこなわれているタイミングが違うということなので、画面上をこの高速に移動する物体は歪んで写ります。電子シャッターの場合、シャッターの終了動作を信号を読み出すことでおこなっています。なので読み出し速度=シャッターが動作している時間となります。スリット露光の代表的なものが一眼レフのフォーカルプレーンシャッターです。なぜフォーカルプレーンシャッターではシャッターが動く時間が4msec程度と短いからです。先ほど述べたようにシャッターが動く時間内に画面内を被写体が動くと変形するわけですから、その動く時間のシャッタースピードでブレる被写体はそのブレ量ぐらい変形する可能性があるわけです。
1/250秒ではたいがいの被写体は止まりますから、ローリングシャッター歪みも現在のフォーカルプレーンシャッターではほとんど起きないことがわかります。これが1/30秒程度だと、ブレることはそんなに珍しくない、つまりシャッターが動く時間が1/30秒だと、ローリングシャッター歪みも起きることになります。
yutube動画で電子シャッターの読み出し速度を測定したものが出ていました。

これによればZ9はほとんどメカシャッターと同じで、ローリングシャッター歪みは気にする必要がないことがわかります。Z8も同じだと思われます。
3)の高周波フリッカーですが、フリッカーは明滅する光源で撮影すると縞模様が出てしまう現象です。普通の蛍光灯でもフリッカーは発生しますが、フリッカー対策モードで、レリーズタイミングをずらしてやると目立たなくなります。高周波フリッカーは点滅周期が数KHz以上の場合起きるものです。この現象はメカシャッターでは目立たないのに、電子シャッターで高速シャッター(1/1000秒以上)のときおこるため最近問題になっています。
実際に光源が点滅しているのですから、メカシャッターでも起きそうですが、なぜ起きないのでしょうか?実はメカシャッターは「シャッター効率」と呼ばれる現象があって、高速シャッターになると露光量は減るものの、実効的なシャッタースピードが上がっていないのです。原因はシャッター幕のボケです。シャッター幕は撮像面のすぐそばにはありますが、フィルター等があり多少は離れています。このため、ごくわずかではありますが、シャッターで露光される画像のエッジはボケています。この幅の分だけ、露光時間は伸びることになります。ただ露光量としてはボケていない場合と同じです。このボケの幅以下の露光時間になってしまうと露光量は減るが、実際に露光する時間はあまり変わらないことになります。
ネオン等のフリッカーに対しては、高周波フリッカー対策モードを持つカメラもあります。シャッタースピードを微調整して明滅周期のちょうど倍数になるように自動調整するものです。ただストロボのハイスピードシンクロモードのように、事前に測定が難しい場合は難しいようです。その場合は1/1000秒以下の低速を使用するしかなさそうです。
個人的には、ちゃんと高速シャッターが高速できれる方が好みですが、いずれにしてもあまり問題となる現象ではないように思います。
メカシャッターレスは今後増えていくとは思いますが、ローリングシャッター歪みを気にせずに済むのはやはりハイエンド機で積層センサを使ったものに当分限定されそうです。キヤノンのR1は開発が表明されていますが、どうなることでしょう。予想としてはクワッドピクセルAFが採用され、動画は8K対応になると思いますので、この画僧数(1億8000万画素相当)ではメカシャッターはなくせないと思います。とりあえずはメカシャッターレスの採用されるのは秋に噂されているニコンZFでしょうか?
良くWebで電子シャッターの欠点としてあげられるのが
1) ローリングシャッター歪み
2) 高速シャッターでボケが欠ける場合がある。
3) 高周波フリッカー
で2)は先幕電子シャッターでのみ発生し、メカシャッターレス機では起きない現象なので今回は省略します。
1) ローリングシャッターについては、何度か書いていますが、画面全体を同じタイミングで露光せず、スリット露光をおこなう場合に起こる現象です。
スリット露光をおこなうということは、画面の場所により実際の露光がおこなわれているタイミングが違うということなので、画面上をこの高速に移動する物体は歪んで写ります。電子シャッターの場合、シャッターの終了動作を信号を読み出すことでおこなっています。なので読み出し速度=シャッターが動作している時間となります。スリット露光の代表的なものが一眼レフのフォーカルプレーンシャッターです。なぜフォーカルプレーンシャッターではシャッターが動く時間が4msec程度と短いからです。先ほど述べたようにシャッターが動く時間内に画面内を被写体が動くと変形するわけですから、その動く時間のシャッタースピードでブレる被写体はそのブレ量ぐらい変形する可能性があるわけです。
1/250秒ではたいがいの被写体は止まりますから、ローリングシャッター歪みも現在のフォーカルプレーンシャッターではほとんど起きないことがわかります。これが1/30秒程度だと、ブレることはそんなに珍しくない、つまりシャッターが動く時間が1/30秒だと、ローリングシャッター歪みも起きることになります。
yutube動画で電子シャッターの読み出し速度を測定したものが出ていました。

これによればZ9はほとんどメカシャッターと同じで、ローリングシャッター歪みは気にする必要がないことがわかります。Z8も同じだと思われます。
3)の高周波フリッカーですが、フリッカーは明滅する光源で撮影すると縞模様が出てしまう現象です。普通の蛍光灯でもフリッカーは発生しますが、フリッカー対策モードで、レリーズタイミングをずらしてやると目立たなくなります。高周波フリッカーは点滅周期が数KHz以上の場合起きるものです。この現象はメカシャッターでは目立たないのに、電子シャッターで高速シャッター(1/1000秒以上)のときおこるため最近問題になっています。
実際に光源が点滅しているのですから、メカシャッターでも起きそうですが、なぜ起きないのでしょうか?実はメカシャッターは「シャッター効率」と呼ばれる現象があって、高速シャッターになると露光量は減るものの、実効的なシャッタースピードが上がっていないのです。原因はシャッター幕のボケです。シャッター幕は撮像面のすぐそばにはありますが、フィルター等があり多少は離れています。このため、ごくわずかではありますが、シャッターで露光される画像のエッジはボケています。この幅の分だけ、露光時間は伸びることになります。ただ露光量としてはボケていない場合と同じです。このボケの幅以下の露光時間になってしまうと露光量は減るが、実際に露光する時間はあまり変わらないことになります。
ネオン等のフリッカーに対しては、高周波フリッカー対策モードを持つカメラもあります。シャッタースピードを微調整して明滅周期のちょうど倍数になるように自動調整するものです。ただストロボのハイスピードシンクロモードのように、事前に測定が難しい場合は難しいようです。その場合は1/1000秒以下の低速を使用するしかなさそうです。
個人的には、ちゃんと高速シャッターが高速できれる方が好みですが、いずれにしてもあまり問題となる現象ではないように思います。
メカシャッターレスは今後増えていくとは思いますが、ローリングシャッター歪みを気にせずに済むのはやはりハイエンド機で積層センサを使ったものに当分限定されそうです。キヤノンのR1は開発が表明されていますが、どうなることでしょう。予想としてはクワッドピクセルAFが採用され、動画は8K対応になると思いますので、この画僧数(1億8000万画素相当)ではメカシャッターはなくせないと思います。とりあえずはメカシャッターレスの採用されるのは秋に噂されているニコンZFでしょうか?
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