goo blog サービス終了のお知らせ 

I.Takashi @ NED

商業計画プランナー、リサーチャー、ライター。
海外の街や特別なホテルの情報、最新農業事情や食の研究などをお届けします。

【Business Blog-07】内装監理は日本が世界に誇れる「商品」だ

2017-05-13 12:03:24 | 【Business Blog】Business / Projects

上海から南へ新幹線3時間の街のプロジェクトで、

内装監理の顧問業務に従事している。

そして、つい2017年4月末に開業したばかり。

 

アジアにおける建築や内装関係における日本の価値に関して、

デザインセンスが価値としては認められることは非常に限られ、

それよりも監理の仕事こそ、日本の仕事の価値が認められるのではと思っている。

 

日本人の持つデザインセンス、価値観は非常に稀有で、クリエイティブである。

ただし、それは受け手が理解してこそ、本当の価値を持つ。

そういう意味で中国で日本人が活躍する場は非常に限られる。

特に内陸の、まだ発展中の地域においては正直理解されないことも多いと思う。

 

ただし、内装や建築の監理面においてはそのノウハウは有効だ。

 

中国は欧米同様縦割り社会で横のつながりが弱い。

そしてさらに良くないことに、商業施設開発経験者が少ない。

欧米においては「プロジェクトマネージメント」自体が職業になっており、

縦割りをつなぎ、情報共有をスムーズにしてプロジェクトを成功に導くことが業種になっている。

中国ではその業務をデベロッパー内部で行うことになるのだが、

結果的にめちゃくちゃなことが多い。経験者が限られているのだ。

 

そんな中国において、内装面に関する監理業務に関しては、

日本の内装業界が培ってきた「内装監理」業務が非常に有効となる。

これは日本が誇る世界へアピールできる「商品」だ、と心から思う。

 

そんな業務の一環として今回仕事を受注し、無事竣工・開業できたわけだが、

これを本格的に組織化、仕組み化することができれば、

中国で一儲けできるだろうなと強く感じている。

まだまだ道半ばであるが。

 

 

I.Takashi


【Business Blog-06】店舗設計施工の落とし穴@中国

2017-05-04 15:59:00 | 【Business Blog】Business / Projects

中国の南方で現在店舗設計を行っている。

今回の依頼主は中国在住12年、

日本式の美味しいパンを提供している店主から。

 

本来設計業務は日本と変わらないくらいの額を設計費していただいているのだが、今回の店主とはお付き合いも深く、費用は実費程度に抑えて店主のために協力している。

 

中国での店舗設計は何より運営を司る店主との打ち合わせが重要だ。

日本はスタッフのそもそもの質、モラルの共通認識、会社への帰属意識、未だに残る「あ・うん」的な意識などの要因から、店舗運営が海外でのそれに比べて確実に容易である。中国では特に、日本人のもつ細やかさや規律(これは良い点であると私は思っているのだが)についていけなくすぐ辞めてしまう輩が多い。なので、すべての実権を握る店主との打ち合わせが欠かせない。そうでないと設計なんて本当に絵に描いた餅になってしまう。

 

設計がうまくできたとして、問題はその次の施工の工程だ。

中国の良くある施工の見積もりというのはトリッキーである。

ちゃんと見積もると100万元するであろう内装工事だったとしても、

例えばそれを30万元で施工可能、と見積もりしてしまう。

 

店主からすると、100万元対30万元で工事内容が同じであれば

確実に安い方に頼んでしまいがちだが、それには大きな落とし穴がある。

 

施工会社はまず安い金額で施工契約をしてから、

早速工事に取り掛かる。

だがしかし、進み始めてしばらくすると途中で工事が止まる。

なぜ工事を止まったのか、店主が問いただすと、

設計図に書いていない内容があり、施工できないという。

設計図に大体の内容が書いてあったとしても、

非常に詳細の内容に言及し、いちゃもんをつける。

詳細の内容が追加工事分として請求され、

しかも壁や床の下地など見えない部分で手を抜かれ、

施工品質の減退と先の追加工事により、

施工会社は大きなを生み出す。

結果、合計工事金額は100万元を大きく超えることになる。

 

見えない見積もり部分や施工内容をうまく利用した罠。

これだからこそ、知り合いに頼むということ、

おつきあいのある業者との付き合いを維持すること、

友好関係を保ちながら信頼関係を築きあげる、

そのような日々の交流が大事になってくるのだ。

 

これは中国に限ったことではなく、

もちろん日本でも同様のことではあると思うのだが、

人や会社が多い中国では特に大事な心持ちと思います。


【Business Blog-05】シンガポール株式会社

2017-04-05 23:07:30 | 【Business Blog】Business / Projects

湖南省に長沙という街がある。

その街の中の新興都市に

ショッピングモールの初期企画で携わった。

 

新興都市らしく、

そのエリアは新しい企画で埋め尽くされている。

その象徴が隣の敷地の美術館。故ザハの設計。

派手な建築が好きな中国らしい形態だ。

 

商業施設の企画の仕事の際は、

日本同様にマーケット調査から始める。

その調査を進めていく上で注目に値すべきものがあった。

私の関わったプロジェクトの敷地は湖畔にあるが、

競合となるのは隣町の中心部の商業。

そのど真ん中にとてつもなく深い穴を掘って、

50万平米にもなる大型商業施設を作っているデベがいた。

 

キャピタランド。

シンガポール国営の不動産投資会社である。

 

シンガポールは国を挙げて世界中でビジネスをしている。

シンガポール株式会社と言われる所以である。

その象徴とも言える中国の様々な都市中心での開発への投資。

 

上海でもそうだ。

地下鉄が3線交差する人が必ず流入する駅の駅前には

キャピタランドが投資・運営する商業施設がある。

そこで吸い上げた家賃がシンガポールという国を支えている。

 

 

僕が関わることができるプロジェクトにおいて、

その国の文化を尊重した、個性のある商業を作ろうといつも考えている。

冒頭の長沙プロジェクトにおいてもその地元での食文化を

商業施設内に取り入れようと苦心して計画した。

 

商業施設において、その施設が立つ立地は建物の特性を決める。

中心地なら自然に人や情報が流れる「媒体」のような施設が長生きするだろうし、

少し外れた立地なら、目的性を持った人が満足できる施設であればよく来てくれるだろう。

前者は資本主義社会において前提として勝ち組だし、

後者は金銭的価値だけにとらわれない評価が存在を強固にするとも思う。

 

人口が今だ増加し、経済発展速度が速い中国において、

最高の中心立地を抑えることは永続的な成功を保証する。

そういう立地を抑えることができるのは

リークワンユーが健在だったシンガポール株式会社の遺産であると思う。

 

中国で築いた不動産の価値はまだまだ健在だろうが

中国での商業不動産の定期借地権は40年以下。

次の世代にこれを残せるかどうかは、基本的に国の関係が影響する。

 

これから次の50年はどこの国が勝ち組になるのだろうか。

今後発展する国との上手な付き合いが重要であることは間違いない。

個人としては、どこでも活躍できる専門スキルと同時に、

気になる国の早めの永住権取得がキーになるように感じている。

 

I.Takashi


【Business Blog-04】中国大型商業開発の推進体制

2017-03-31 10:14:51 | 【Business Blog】Business / Projects

大きなプロジェクト、そして大きなデベロッパーになると、

中国人だけでは経験が足りない、ということで

中国語に精通した香港人や台湾人、シンガポリアン達が

重要な役職についてプロジェクト体制が組まれることが多い。

場合によってはそれが韓国人や日本人になることもある。


今上海でやってる大型商業施設は延床面積で14万平方メートルほど。

日本だと非常に大型の部類。中国でも比較的大型です。

そして建築だけは計画が進んでいて、肝心の中身(テナント構成)は

まだまだ決まっていないという中国でよくある開発計画です。


日本の会社として商業コンサルティングを受けることになり、

その場のポテンシャルに合わせた中身を考えるにあたり、

建築条件や消防などの法規との照らし合わせが重要になります。

一部テナント構成によって建築の修正が求められます。

特に最近は地下の計画での書房規制が厳しくなってきています。


ただし、我々コンサルの意見が通るかどうか、

それはクライアント社内の体制や政府への交渉力が求められます。

特に中国もまだまだ発展途上にある国で、全てが法規化されているわけではないので、

例えコンセプトがよくても政府との交渉力が弱くては実施は不可能です。

そこで重要になってくるのが政府交渉を担当するクライアント側です。

その人物は、現地政府に精通している中国人である必要があります。

そして状況を的確に社内や社長に伝え、プロジェクトを進めることができる必要があります。


そういう実施・推進していく段階で一番中途半端なのが外国人。香港・台湾・シンガポール。

中国語は話せても、現地で推進していく力は弱い。

そして中国人との密で有益なコミュニケーションを取ることは難しい。

給料やタイトルは高いけど、推進力を持たない立場の人は社内中国人にも尊敬はされない。

 

そういう状況を見るにつけ、

中国で中国語を話して仕事をする外国人の中途半端さを実感する。

「今後も発展する中国語が話せれば将来仕事に困らない」

というような文句を目にすることも多いが、果たして本当にそうか?

「中国以外の国で華僑と仕事をする上でも中国語は有益」

という人もいるが、華僑は大体英語を話せるので英語ができれば事足りる。

 

中国経済は今後も発展するし、中国語を話す人口は今後も増える。

そして中国語の重要性は今後も増す。

ただしそれは中国国内の発展に寄与し従事する場合、だと思う。

 

日本人をはじめ、外国人が中国国内での経済活動で活躍していく未来は明るくない。

中国はより内向きの傾向を強めているし、今後はもっと強くなるように思う。

というようなことを、プロジェクトの推進現場を通して感じました。

日本のプレゼンスや価値をこの国でギリギリ保てるのもあと数年かな。。。

 

I.Takashi


【Business Blog-03】中国のアウトレットモール・ビジネス

2017-03-16 16:00:53 | 【Business Blog】Business / Projects

現在関わっている商業施設の一つに、
アウトレットモールを作るプロジェクトがある。

中国も日本同様、物あまりの状態である。

日本と小売の状況が少し違うのは
中国の関税は日本より高く
ブランド物の価格が一様に高いことにある。

商業施設が溢れ、商品が飽和してきて初めて
アウトレットというビジネスが成立する。
上海も今やアウトレットブームになりつつあるのだ。

中国はそれに加えて、ネットショッピングが活況だ。
日本の慎重な文化で普及がスローな印象だが、
中国では「まず試してみる」文化。
だからヒットすれば爆発的に伸長する。
結果、中国のイーコマースは日本と比べものにならないほど便利で
多様に広がりを見せている。
地方からの出稼ぎの人たちによる配送費の安さもポイント。
そして、その影響は実店舗である商業施設への影響が大きい。

そのような状況下で、
アウトレットは業態として新しくそして唯一のホープとみられている。


ただ、中国においては
中国の商業デベロッパーや不動産投資家からすると、
「一つの新型業態」という側面が大きい。

アメリカで発展された一つのビジネスである「アウトレットモール」は
オーナー、店舗主、消費者の全ての人にとってwin-winのビジネスモデルである。
イニシャルコストを抑えた安い建物と郊外立地に
安くて高品質な商品のブランド品を並べることによりお客様に訴求し、
そしてテナントには都心と変わらない家賃を設定する。

ただ、中国のアウトレットはそのような先を見たプロジェクトは
外資資本の計画のみで、特に国内デベにとっては後付けの業態。
建物を計画しちゃったけど、売れるのはアウトレットしかないから、
アウトレットを計画しよう、というものが多い。

日本が関連していること、日本人であることは大きな信用材料になる。
それを最大限理解してもらい、開発コンセプトを組み上げ、
テナント構成を計画していくという仕事を請け負っている。

私が日々仕事をしている上海は、
香港を始め、台湾、シンガポール、そして欧州の人々も多く入っている。
そのような国際的な友人たちに日々協力を仰ぎながら
テナントヒアリングをしながらコンセプトを考えていくことができるのは
大陸で仕事をすることの一つのメリットであると考えている。

I.Takashi