囲碁の果樹園(囲碁の木がすくすく育つユートピアを目指して)

人間とAIが集い囲碁の真理を探究する場の構築をめざして、皆様とともにその在り方を探っていきます。

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オープンソースの囲碁AIたち

2018-05-13 05:53:59 | 構想

囲碁AIの急速な進歩と将棋界やチェス界の前例から、これからのプロ棋士は最強のAIをいかに研究のツールとして使いこなすかが勝負であると確信しています。国のレベルでは、強いAIをツール化して方法論とともにトップ選手たちに提供することが必須です。DeepZenGoプロジェクトの終了は、日本の選手たちの不利につながるのではないかと心配していました。

そんななかで、最強レベルの囲碁AIが続々とオープンソースとして公開されていることはうれしいニュースです。これらをベースとした研究ツールやトレーニングツールの開発において日本が遅れを取ることがないように願っています。

みんなの碁盤も立ち上げから数か月が経ち、使用・運用経験からぜひとも追加すべき機能がいくつか見えて来ました。半年程度後の改訂を目標に細々と作業を続けていこうと考えています。これまで、ブログ記事のための局面検討と記事執筆に使ってきた時間をそちらに回したいので、このブログはしばらくお休みさせていただきます。

改訂版のアナウンスにご期待ください。

 

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2間高バサミ(4)

2018-05-06 08:16:01 | 実験

いよいよ、AlphaGo Teachの推奨手である図1白1の検討に入ります。G15オシの効きを打たずにカケるのは、いかにもAlphaGoらしく筋の良い機略に富んだ手に見えます。もちろん、AIに機略があるわけではなく、双方の最善を求める深い読みの結果、このように変化の多い手を選ぶということなのでしょう。黒が強引に出て行く手はうまく行かないようです。

 

白1は、天頂の囲碁7の発想にはなかったようですが、これを示されたときの反応は、図2の黒2でわずかに黒持ちです。しかし、同図黒6までと黒が活きをはかったとき、図3の白1のキリコミが手筋で、図4の黒1と抜くと白2とオサエて、天頂の囲碁7の評価はわずかに白持ちに変化します。不思議なのは、同図黒3と攻め合いに行く手をあまり真剣にヨンでいないらしいことです。

図5の白1から白3のウチカキを決めて、白5、7とハネツぎ、この時点でも天頂の囲碁7はわずかに白持ちなのですが… 図6の黒1をあまりヨンでいなかったようです。同図白2黒3を交換して白4とハネれば隅の攻め合いはコウです。図7の黒1の方からハネるのが良いようです。

続いて、白のコウトリに対して図8の黒2をコウ立てに使い、コウを勝ちに行きます。例えば右下を二手連打されても、黒優勢でしょう。

図9の黒1の方からハネてもコウですが、これは図10の白1黒2の後、白に他を打たれます。黒から1手で解消できず、本コウを仕掛けるタイミングを見られて、この図は若干白が面白いようです。

天頂の囲碁7をツールとして使うことにより、自分の棋力よりもはるかに高いレベルの検討が可能になっていると感じます。一方、天頂の囲碁7の示す評価値が常に正しいわけではなく、その読み筋に無い手を入力することにより、形勢判断が逆転することもしばしばあります。プロ棋士が最強レベルのAIをツールとして研究を行うことが普通になって来ていますが、そこでもおそらく同様のことがはるかに高いレベルで起きているだろうと想像します。つまり、人間の棋士とAIのどちらか一方だけではできないような高度な研究がなされているだろうということです。

現在プロ棋士にのみ利用できる高度なAIと同等あるいはそれに近いAIが一般向けに公開され出しています。果樹園構想にとっては大きな追い風です。

 

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2間高バサミ(3)

2018-04-29 06:11:21 | 実験

2間高バサミ定石の変化検討を続けます。

図1、白1のツケに黒2と引く変化です。

白が、図2の白1と下がれば、黒2と脱出を図ります。図3白1のノビならば黒2を決めてから黒4と切れば、白は抵抗の余地なく、以下黒8までと活きます。この結果は、白の外壁に傷があり、しかも隅の白に死が残っているので、はっきり黒良しです。かと言って、白1で白5と切りを防げば黒は中央に進出して、隅の白に一手戻りますから、黒の有利な戦いでしょう。図2白1のサガリは良くないようです。

図2の白1では、図4の白1キリはどうでしょうか? 黒2を利かしてから、黒4、6とツケヒイて、攻め合いには黒に余裕がありそうです。一例として、図5の進行ならば、黒の先手ゼキで、黒12の急所マゲに回っては、やはり黒が優勢です。

なかなか、黒の悪い図が出ません。次回は、白が5線を押して行く手の別法を調べます。

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2間高バサミ(2)

2018-04-22 07:35:26 | 実験

2間高バサミ定石変化形の研究を続けます。

AlphaGo Teach推奨の手法で、黒がアテからトンだのが図1の局面です。

ここで、天頂の囲碁7の第1感は、図2の白1の押しです。白5までオシを決めてから、白7と厳しく黒を攻めます。この後の変化は多岐にわたります。図3黒1から白を取りにいくのはどうでしょうか。途中黒5で手数を伸ばしてから黒7となれば、攻め合いは楽々黒勝ちに見えます。

しかし、白にも粘りがあります。図4白1のハサミツケから白3とワタり、黒4のツケには白5とハネます。図5の黒1ならば以下黒11まで、本コウです。

黒からは1手で解消できないコウなので、白はこのままにして打ち進めることもできますが、仮に一直線にコウに行った場合でも、図6の出来上がり図は、右上隅に2手連打して白打てそうです。天頂の囲碁7も若干白持ちです。

他の変化でも、外の白に傷がなく隅の攻め合いがコウになる図は、だいたい白が悪くないようです。図5の黒1で、すぐにコウにアテて反発する図は、白も1に打って反発し、白がコウに勝って上辺を活き、黒はコウ立てで中央を突破するような図になりそうです。その図は互角のようです。まだまだ変化はあるので、次回も続けて検討します。

 

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2間高バサミ(1)

2018-04-15 06:50:40 | 実験

今回から、小目への小ゲイマ掛かりに対する2間高バサミを検討していきます。アルファ碁の打ち出した手法で大きく変わりつつある定石分野のひとつです。いつも通り、みんなの碁盤上で、AlphaGo Teach(AGT)と天頂の囲碁7(天頂7)の助けを借りながら検討しています。強力なツールのおかげで、意味のある検討ができていると思います。もちろん、素人故のとんでもない勘違いはあるでしょうが、ひとりひとりが間違ってもみんなの力で徐々に正しい局面評価に近づいていくというのがみんなの碁盤の趣旨なので、気が楽です。

さて、図1、白1の2間高バサミです。AGTには、この2間高バサミががいくつもの局面で現れます。AGTは小ゲイマ掛かりに対するF16のケイマ受けを黒47.0パーセントと白の応手として最も高く評価していますが、この配置では白1のハサミも黒47.2パーセントでほとんど最善と評価しています。ところが、下辺の黒石と白石が入れ替わった配置では、ケイマ受けが黒46.8パーセント、2間高バサミが黒49.1パーセントとだいぶ差があります。この辺は、相手の勢力圏では急な戦いを避けるのが賢明という従来の考え方と一致しているようです。

2間高バサミに対するAGTの応手は、すべての局面を調べたわけではないですが、手抜きが一番多く、すぐに応じる場合は黒2のカケが多く、次に多いのがF15の2間トビのようです。ただし、どの局面ではカケでどの局面では2間トビかという違いはAGTの判断ではなく、評価対象とした棋譜セットで決まっているのかもしれません。

さて、カケに対しては、見た範囲の局面ではすべて図1のように白は出切っています。定石では図2の黒1が手筋で以下黒5までと穏やかに分かれますが、AGTはこの図を極端に低く評価します。白4の時点で黒39.5パーセント、黒5は候補手にはいってもいません。一方、天頂7は黒5までの別れは黒50パーセントで互角と評価します。どちらの評価が真理に近いのか、みんなの碁盤における長期検討テーマのひとつとしたいところです。図3の黒1オサエがAGTの推奨手で、白2から4は当然のハネツギです。この時点でいかにも黒が無理そうに見えるため、従来は打たれませんでした。例えば、図4の黒5と形につけば、白6のノビで黒2子がいかにも苦しそうです。

この形は、図5のように隅の攻防になったときに白2のキリが打ちやすいのがポイントのようです。白4の後、こちらの処理で黒が後手をひくと隅の黒が危なくなりますし、また先手で切り上げる適切な手段も見当たりません。AGTは、図6の黒1とアテてから黒3の受けです。これがまた、いかにも無理そうで従来の盲点でした。同図白2を打たせてから黒3としたことの非を直接咎めようとするならば、図7のように白1を一本打ってから白3から5の出切りでしょう。黒ピンチに見えます。

黒は、図8の黒1から2線をハウしかありません。2線をハウのでは悪いというのが先入観であったようです。黒も隅の白を取っても悪くなる場合があるので注意が必要です。途中黒9のコスミを一本利かし、黒13までハッてはっきり活きれば、白も隅を活きるよりなく、例えば同図の黒17となれば、天頂7も黒56パーセントと黒持ちの評価です。

図3黒1の強引なオサエと図6黒1の俗なアテは、どちらも天頂7にとっては意外な手段であるらしく、候補手5手のなかにはいっていません。しかし、その手を着手してから改めて判断を問うと、互角以上に戦えると答えてくれます。AGTの示してくれない「何故」を探求する上で、天頂7は強力な道具です。

図6を見直したとき、黒1と白2の交換が、図5の白2のキリを打ちにくくしている効果があることに気がつきす。これは、いわば後づけの理屈ですが、黒が戦えるひとつの理由にはなっているように思います。次回は、図6の後の他の変化を調べます。

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