お互いのお土産を交換する為にわりと久しぶりにある友達と会った。
この友達は驚くべき事に私がツッコミ役になる天性のボケの人だ。
その友達とカプリチョーザで夕飯を食べた。
半分こするライスコロッケ一丁と、
私はペペロンチーノを、彼女は渡り蟹のなんたらスパゲティを頼んだ。
渡り蟹のなんたらの商品写真を見るとスパゲティの上に
蟹の甲羅が燦然と誇らしげに乗っかっている。
「…蟹乗ってるねぇ、これ頼むの?」
「うん、楽しいかなって」
その時私は夢想した。
この蟹を裏返すと美しく茹で上がって萌え…いや燃えるように甲羅は赤く
中に詰まっているだろう肉はたっぷりと肉汁を含んでしたたり、
それは麺にからんでクリームと相俟って素敵なハーモニィを奏で
肉はといえばあつあつでふかふかとした歯ざわりがして
ふんわりいい薫りがするのだろう…きっとこのスパゲティは
食べる人を幸せにするに違いない、と…。
自分が食べもしないのに何故こんな妄想をしていたのかはよく分からない。
とりあえず私はペペロン様を食べたくて仕方がなかった。
でも蟹がどんなか楽しみだったので友達の皿が到着するのを心待ちにしていた。
で、きた。
甲羅はサーモンピンク色だった。ちょっと悲しかった。
友達はいそいそと蟹を裏返す。空だった。
…まるで北風のような寂しさが心を苛んだ。
とりあえず写真を表から撮った。
すると友達は
「裏返したの撮る?」と言った。
寂しいのでいいです、と丁重に断った。
その空の蟹の飾りは早々に食べるのに邪魔だからと
早々に空いている皿へと移された。
甲羅君の役目は、客の目を一瞬楽しませる事…その瞬間のみの輝き………!
出されて一分もしない間に、あっという間にその場の中心から
甲羅君はテーブルの隅へおいやられた。
その姿は陰を含み、やけに寂しそうに思えた。
きっとこれからも何度となく甲羅君はそれを繰り返すのだろう。
そう思うとまた皿にいや更に心が痛んだ。
嘘だけど。
そしてここまで書いて私は一体何がしたかったのだろう…。
スパゲティおいしかったですよ。友達もうまかったと言ってました。まる。
あ。友達がライスコロッケを切る為のナイフを両手で握り締めて
「うふふふ…落ち着く…。」
と言っていました。
いつか私は殺られてしまうのかもしれない、とうすら寒くなりました。
とりあえず何かあった時の為にその握り締めた姿を証拠写真として
撮影しておきました。こわいわー。
とりあえずその場で刺される事もなく、友達はライスコロッケを
豪快にまっぷたつにしてくれました。よかった。
ああ…こんな事をする前には普通にクリスマスカードや
ラッピング用品を見て楽しんだり、焼酎タンクや徳利を見たりして
楽しく女の子らしいショッピングを楽しんでいたはずなのに。
かわいらしく終われない。
そうさそれが俺達さ…。
この友達は驚くべき事に私がツッコミ役になる天性のボケの人だ。
その友達とカプリチョーザで夕飯を食べた。
半分こするライスコロッケ一丁と、
私はペペロンチーノを、彼女は渡り蟹のなんたらスパゲティを頼んだ。
渡り蟹のなんたらの商品写真を見るとスパゲティの上に
蟹の甲羅が燦然と誇らしげに乗っかっている。
「…蟹乗ってるねぇ、これ頼むの?」
「うん、楽しいかなって」
その時私は夢想した。
この蟹を裏返すと美しく茹で上がって萌え…いや燃えるように甲羅は赤く
中に詰まっているだろう肉はたっぷりと肉汁を含んでしたたり、
それは麺にからんでクリームと相俟って素敵なハーモニィを奏で
肉はといえばあつあつでふかふかとした歯ざわりがして
ふんわりいい薫りがするのだろう…きっとこのスパゲティは
食べる人を幸せにするに違いない、と…。
自分が食べもしないのに何故こんな妄想をしていたのかはよく分からない。
とりあえず私はペペロン様を食べたくて仕方がなかった。
でも蟹がどんなか楽しみだったので友達の皿が到着するのを心待ちにしていた。
で、きた。
甲羅はサーモンピンク色だった。ちょっと悲しかった。
友達はいそいそと蟹を裏返す。空だった。
…まるで北風のような寂しさが心を苛んだ。
とりあえず写真を表から撮った。
すると友達は
「裏返したの撮る?」と言った。
寂しいのでいいです、と丁重に断った。
その空の蟹の飾りは早々に食べるのに邪魔だからと
早々に空いている皿へと移された。
甲羅君の役目は、客の目を一瞬楽しませる事…その瞬間のみの輝き………!
出されて一分もしない間に、あっという間にその場の中心から
甲羅君はテーブルの隅へおいやられた。
その姿は陰を含み、やけに寂しそうに思えた。
きっとこれからも何度となく甲羅君はそれを繰り返すのだろう。
そう思うとまた皿にいや更に心が痛んだ。
嘘だけど。
そしてここまで書いて私は一体何がしたかったのだろう…。
スパゲティおいしかったですよ。友達もうまかったと言ってました。まる。
あ。友達がライスコロッケを切る為のナイフを両手で握り締めて
「うふふふ…落ち着く…。」
と言っていました。
いつか私は殺られてしまうのかもしれない、とうすら寒くなりました。
とりあえず何かあった時の為にその握り締めた姿を証拠写真として
撮影しておきました。こわいわー。
とりあえずその場で刺される事もなく、友達はライスコロッケを
豪快にまっぷたつにしてくれました。よかった。
ああ…こんな事をする前には普通にクリスマスカードや
ラッピング用品を見て楽しんだり、焼酎タンクや徳利を見たりして
楽しく女の子らしいショッピングを楽しんでいたはずなのに。
かわいらしく終われない。
そうさそれが俺達さ…。