漫画と本ばかり読んでいる

漫画、本、日々の記録いろいろ

昨日がなければ明日もない 宮部みゆき 

2020-02-10 | 読書 ミステリー

どうでもいいことなのだが本がものすごく早く読めるようになった。量を読みたいからいいことだ。人物と出来事、ポイントだけ拾ってざっと表にする感じ。

宮部みゆきの杉村三郎シリーズ。いや〜さすがに読み応え抜群。自分の感覚だと『模倣犯』に出てきた犯人のゲス度に匹敵するレベルの悪人が出てきて自分的「イヤミス」作品のカテゴリーに入れたい。

「絶対零度」「華燭」「昨日がなければ明日もない」の三遍。イヤミス度が高いのは絶対零度。

杉村三郎シリーズのお馴染みの展開として、自首するという登場人物に杉村三郎が何か食べさせるシーンというのが過去作にも出てきて、今作でも侘助のマスター作のあったかい喫茶店メニューがその善き人物の心も胃袋も暖める。(マスターは、杉村三郎が今田コンツェルンを辞めた時自分も店を畳んで引っ越し先の近所に店を開店したのだ)


ガルゲンフモール

2020-02-10 | 新聞から

五木寛之「新・地図のない旅」より

『アウシュビッツの収容所でも笑いを忘れない人びとがいたらしい。一日に一つずつ、笑える話を披露して、力なくフフフと笑い合う。そんなユーモアをドイツ語で「ガルゲンフモール」とかいうらしい。ガルゲンは絞首台、フモールはユーモアだろう。〜中略〜

私たち日本人のユーモア感覚はそれほど重厚ではない。ある種の軽さが特徴ではないかと思う。』

という導入を経て

シルバー川柳の傑作をいくつか紹介しその軽妙さに著者が感心するという流れ。

『そういう現実(なんとも言えない深刻な問題)をユーモアに託して受け流す智恵は、したたかでもあり、同時にそれでいいのか、と思う時もある。むずかしい。』…と結んである。

右から左に受け流す、のもヨシ

がっぷり四つで受け止めるもまたヨシ、なのかもしれない。