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ias デザイン室

(株)社会空間研究所のデザイナーが作成した作品を集めたお部屋です。ぜひ、立ち寄って行ってくださいね。

メダルの音。

2016年09月23日 | Watch & Think

リオデジャネイロ・パラリンピックも閉会し、オリンピックイヤーが終わりました。
閉会式での2020年TOKYOへの引き継ぎのパフオーマンスのおかげで、これから4年間ふわふわわくわくした気分が続くのでしょうか。

今回のパラリンピックは今までの大会と比べてとてもTVで取り上げられました。その報道の中で記憶に残ったのは感動的な競技シーンもさることながら、メダルの話でした。
女子柔道でメダルを獲得した選手が「選手村に帰って、部屋でずっとメダルを振っていた。とてもうれしい」と言っていました。(振る?)と思った瞬間、アナウンサーが「今回のオリンピックからメダルの色を判別できるよう金属球が入っているそうです。今までもメダルに点字は刻印されていましたが、音でメダルの色を識別できるようになったのは今大会からです」
その後は、アナウンサー達が銀メダルの音がいいとか銅メダルの音の方が好みだと言い合った。

パラリンピックは1964年東京大会からだそうだが、52年間、目に障がいのある選手は点字によってのみメダルの色を感じていたのかと思うと少し味気なかったのではないかと思う。それは目の見える者が同じ色の円盤に金、銀、銅と書いてあるメダルを貰ってもテンションが上がらないのと一緒ではないだろうか。金、銀、銅で色分けされているからこその感動なのだから。
音で何色のメダルなのかがわかる。これはもの凄い高揚感だろう。隣に色の違う選手が居たらなおの事。比較することで優越感と劣等感を味わうのは次につながる。次はあの音のメダルが欲しいと、一番いい音のメダルが欲しいと願うだろう。
2020年の東京でもこの「音に色をつける」素晴らしいデザインは引き継いでもらいたいと思う。

友人とパラリンピックの話をした時、記憶に残ったことと皆が口をそろえてメダルのデザインを挙げた。
「それ思いついた時、上から降ってきたって思っただろうね~」
「一生に一度あるかないかってぐらい、幸せな気分だっただろうな」
「歴史変えたって思っただろうねぇ」
思いついた誰かにも金メダルをあげたい。デザインの話題でこんなに幸せな気分になれたのは久しぶりだ。

リオ五輪開催の前は、懸念材料満載で不安視されていたけれど、終わってみれば人間味溢れるいい大会だったような気がする。他のものにやさしいという事が、うまくいく一番の要因なのだと思うから。


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