昨日、いわきに到着して定宿にチェックインしたあと、TVをボーッと見ていたら、NHKで「となりのシムラ」という志村けん主演のコント番組をやっていた。数年前に数回シリーズで放送されていたものとのこと。そのシリーズのうち3階分が順次再放送されていたが、じわじわと来る面白さがあって引き込まれてしまった。
例えば、「初めての乾杯」。息子が成人したら一緒に飲みに行きたいと長年願っていた父親(志村)が、その息子と初めて居酒屋に行くことになった。ところが、息子は幼馴染のガールフレンドと初めての乾杯をしたいと約束していた。どうしても息子と最初の乾杯をしたい親と、それを避けたい息子の攻防というコント。「俺は、お前と最初の乾杯をしたいと生まれたときから願っていたんだぞ」「ふーん」という感じの会話。その中でついエキサイトした父親が「俺がお前の最初になりたいんだ!」と際どく聞こえるセリフを叫んで、周りの客から白い目で見られるシーンもある。さいごは、あるひょんなことから最初の乾杯を実現し、息子は逃げ切ったと思い込む姿が落ち。
よく考えてみると、どのコントも下ネタこそあれ、誰も傷つかないコントだった。他のコントも同様。どちらかというと志村の自虐っぽく見えて、ペーソスあふれる泣き笑えるコントのように思った。
ドリフもPTAが憎むほどガラが悪くて下ネタだらけだけれど、誰かを傷つけて笑いを取るようなことはなかった。そんな時代だったのか。
それにしても志村けんを失ったのは大きいと感じさせられた再放送だった。