隣の部屋から聞こえる寝息は
子供や大好な人の規則正しい寝息は
安心感と幸せな気持ちになることを経験しているが、気になると眠れないほど
頭の中が ガチャガチャになりそうな夜
ピアノの静かな音楽をイヤホンで聞き
時折虫の鳴き声がハモっている
老婆の寝息は
童話の中に出てくる魔法使いの老婆の
きっとこんな気持ちなんだろう
今は寝たきりでもホームでも
誰かが片付けてくれるんだろうな
大変なサービスである
たぶん母が入院すれば一瞬で向こうの世界と
同化して 寝たきりになるはず
家にいることにこだわり
自分のことは自分でやる 気概はある
食べ物を加減して 食べたい量しか食べない
ごはんは食べずに、ヨーグルトで腹八分目
食べる楽しみも 感謝も
湧いてはないだろう
交わす会話は
食事とトイレの話のみ
そして何を言っても繰り返す
無視して生活できたら
どんなにか良いだろう
写真はオオバコ