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小説 【半グレ銀行マンの野望】 16

2024-06-07 12:54:51 | 政治

大きな権限

聡子が来訪者の数を5人と告げた

就任祝いの挨拶に ひきも切らずやってきているのだ 

むろん手ぶらで来るわけなく 紙袋に入れた駄菓子などの現物から商品券やらクーポンと言った金券、はたまた旅行券まで持ってきた。

たちまち 支店長室のデスクの横にうず高く積まれた

(スゲーな)・・平の時には想像はしていたが 実際に見たわけでなし これほどとは思わなかった

応対する聡子も訪問数の多さに感心しきりだ・・

いちいち 相手するのにウンザリしていたら 思わぬ 顔が見えた

「オッ!隆司じゃねーか!? 」

「おお 立夫! なんだおまえ ここの支店長なのか??

本条 隆司と言い おない年で高校の時 柔道でライバルだった男だ。 俺より体格があり国体出場で活躍したことで 学校でもヒーローだった

ただ、顔が強面で 女にモテず年中ボヤいていたのでずいぶん慰めてやったもんだ・・(^^)

「立夫、すげーなあ・・驚いたぜ・・」

そう言いつつ 隆司が出した名刺には

くらぶ 華 のマネージャーとあった

姫路の繁華街のど真ん中に位置している高級クラブで 立夫は何度か行ったことがある。それを言い、

華のママは司法書士の水田の女であると話してやると ブサ面の目ん玉を剥きまくって驚いた

「へーそんなことまで知ってたのか!俺はその水田に 今こき使われてるんだぜ」 

隆司が昔話から今の境遇を語ってくれたが 立夫が注目したのは背中に入れ墨を彫った現役のやくざになっていたことだ。

(こいつは使い物になる!)と直感し

聡子にあとを頼んで 隆司と銀行を出た。 向かった先は隆司の組長のいる会社だ・・

昨今はしのぎが難しくなり 金に困っているから 相談に乗ってくれということだ・・

支店長としての立場としては会いにくいが 

なにしろ気心の通じたダチの言うことだ 何とか力になってやろうと思った。

ただ、相談次第では断るからなと前置きはしておいた。

 

行く前に電話していたので 組長は待っていてくれた

会うとなんのことない ニコニコした 50がらみの腰の低いフツウの田舎風の親父だ。貫禄は俺のほうがはるかに立派なものだ

とは言え 其のおやじ、目の鋭さはタダ者ではない。

「支店長さんですか・・お初です お目にかかれて光栄ですよ」

就任お祝いは 竹中商事という会社名で隆司が寄こされており 社長がこの組長なのだ 

今 銀行から借りている5000万が 滞納していることで 土地や建物がもうすぐ競売されるという判りやすいもので・・

それを延期なりして助けてくれという話だった

「お願いしますよ 支店長さん 前の支店長は 話にならない石頭で それが左遷されると聞いて 喜んでいたところでしてね・・」

組長は 頭を搔きながら 

「隆司のお友だちなら もしお困りのことがあれば なんでも一言かけてくださいよ 一肌脱ぎまっせ」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

組長の会社を出た後、隆司に言ってやった

「銀行に戻って資料見てみるが 俺の権限でなんとかしてやるよ・・

そのかわりに これから いろいろと力を貸してほしいことがあるんだ。いずれこちらから連絡するよ」

つづく

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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