Surfin' Rabbit Station 番組Information

札幌市西区の三角山放送局76.2Mhzで毎週金曜日OA中!
山下達郎私設ファンクラブがお送りする音楽番組です。

暮しのサイケ日記「マッスル・ショールズ→スワンプ・ロック→ロックン・ロールの誕生の巻」(サイケ)

2007-01-31 05:47:54 | Weblog
サザン・ソウル・ブームは、(昨日はちょっと寄り道したものの)マッスル・ショールズあたりから俄然スワンプ・ロック方面へホコ先が向きつつある。

とにかくここのスタジオとハウス・バンドを使った作品には傑作が多い。ちょっと我が家のレコード棚を探しただけでも、昨日のドニー・フリッツやシェールを除いたとしても①バリー・ゴールドバーグ、②ゲリー・ゴフィン、③マイク・フィニガン、④ボズ・スキャッグス、⑤ロッド・スチュアート、⑥レヴォン・ヘルム、などのアルバムがすぐ出てくる。

おまけにこのスタジオで豪快なスライド・ギターを披露していたのは、かのデュアン・オールマンなわけで、ここからオールマン・ブラザーズ・バンドをはじめとするサザン・ロック方面や、さらにはハウス・バンドの面々までは使わなかったものの、ここのスタジオで名曲『Brown Sugar』をものにしたローリング・ストーンズや、このスタジオのリズム・セクションを伴ってツアーにまで出てしまった、スティーブ・ウィンウッドが在籍したトラフィックといったイギリス勢までもアプローチが可能となるほどだ。

例えばマイク・フィニガンなどは1970年代中期のデイヴ・メイスン・バンドを支えたキーボーディストなので、そこからマイク・フィニガン→デイヴ・メイスン→エリック・クラプトン→デラニー・ブラムレット→ボニー・ブラムレット→リトル・フィート→ロバート・パーマー→ミーターズ→アラン・トゥーサン→ザ・バンド→ボブ・ディラン・・・などと辿って行くことも可能なのだ。どうよ、このつらなり!!去年番組で特集したスワンプ・ロックにはこういう流れもあるのだよ。

このことからも、サザン・ソウル・サウンドが、いわゆるスワンプ・ロックと呼ばれたアメリカ南部のフィーリング溢れるロック・サウンドのお手本の一つとして機能したことに疑う余地はない。もちろんどのアルバムも名演揃い♪結局、ソウル、ロック、カントリーなどと便宜上ジャンル分けされたりしていても、アメリカ南部という豊潤な音楽的土壌の上では、お互いに影響し合い、色々なものを吸収し合って進化して来たということなのだ。

そもそも現在の番組の特集テーマである「ロックン・ロールの誕生」が同じようなことなのだ。アメリカ南部という豊潤な音楽的土壌の上で様々な音楽が、お互いに影響し合い、色々なものを吸収し合って誕生したポップ・ムーブメントがロックン・ロール。つまりは合言葉の「バック・トゥー・ルーツ」とは、アメリカ南部の音楽世界を解きほぐすことに他ならないということなんだなぁ。

暮しのサイケ日記「もう一つありましたねぇの巻」(サイケ)

2007-01-30 05:42:03 | Weblog
昨日のエントリーへのコメントとして、常連のテキサスさんとyu-shio画伯から「次はハイをよろしく。」と頂戴してしまった。

「ハイハイ、ではハイをやりますですハイ♪」というわけで、さて、左の文のどの部分がレーベルの「ハイ」だ??

などと馬鹿な駄洒落を考えている場合じゃないのだ。ハイはこれもメンフィスにある名門レーベル。もともと同じくメンフィスのサン・レーベルに居たレイ・ハリス、ビル・カントレル、クイントン・クランチといった人達が設立したレーベルだ。このレーベルが注目を集めるのは、何と言ってもミュージシャンでもあったウィリー・ミッチェルがプロデュースしたアル・グリーンがヒットを飛ばしてから。したがってハイについては、アル・グリーンの印象が強くて、他のサザン・ソウルのレーベルと比較すると、ちょっと洗練されたというか、柔らかい音をしている雰囲気を感じるのだけどどうだろう。

アル・グリーンの他にはアン・ピープルスやシル・ジョンソン、オーティス・クレイなどが所属していたが、僕にとってはハイはオーティス・クレイに限る。この人のちょっと軽やかで泥臭い歌いっぷりは大好きだ。おっと、傍系のバックビートというレーベルに居たO.V.ライトも忘れてはいけない。この人のそれこそ青筋が立っちゃいそうな壮絶なシャウトとディープな歌は、僕にサザン・ソウルの凄さを教えてくれた一人だ。

ここのハウス・バンドは

メイボン・ホッジス:ギター
チャールズ・ホッジス:キーボード
リロイ・ホッジス:ベース
ハワード・グライムス:ドラムス

とホッジス兄弟が中心となっていることで有名。

このハイの音は、比較的わかりやすいというか、特徴があるのか、結構ロック畑の連中もモロに「ハイ・サウンド」風の曲をやることが多い。つまり聴いている方もすぐわかるわけだ。イーグルスの『The Long Run』なんて、初めて聴いた時は思いっきりずっこけた。モロにオーティス・クレイの『Trying To Live My Life Without You』。こりゃ完全にグレン・フライとドン・ヘンリーの趣味丸出しで、それ風というよりはパクリだな。キース・リチャーズも、ソロ・アルバム「Talk Is Cheap」での『Make No Mistake』ではモロにウィリー・ミッチェル+アル・グリーン風のアレンジで粋に決めていたっけ。

さて、このハイ・レーベルがすんなり出てこなかったのは、実は僕がここの看板スター、アル・グリーンをあまり得意ではないからなのだ。というか、オーティス・クレイとO.V.ライトをちょろっと持っているくらい。ドン・ブライアント欲しいな。いやまったく、サザン・ソウルの道も険しいです。ハイ・レーベルじゃないけど、アトランティックの廉価版シリーズも買っておくかなぁ・・・金ないなぁ・・・。

暮しのサイケ日記「サザン・ソウル・ブーム続行中の巻」(サイケ)

2007-01-29 06:10:08 | Weblog
まぁ、こっちも紹介しておかないと失礼だよねぇ。昨日取り上げたサザン・ソウル・ブーム、依然続行中で、続いてはスタックス、フェイム、マッスル・ショールズ・スタジオ。

サザン・ソウル、メンフィスとくれば、やはりスタックスでしょ。ジム・スチュアートとエステル・アクストンの兄弟のスチュアートのST、アクストンのAXを取ってSTAX。サザン・ソウルのブレイクの立役者。オーティス・レディングやサム&デイヴなどを擁して、一世を風靡。ここのハウス・バンドかこれまた言わずと知れたブッカーT & MG’s。最強のサザン・ソウル・コンボと言っても良いだろう。

スティーブ・クロッパー:ギター
ブッカーT:キーボード
ドナルド・ダック・ダン:ベース
アル・ジャクスン:ドラムス

アラバマ州のフローレンスという所にあるフェイム・スタジオと、マッスル・ショールズという所にあるマッスル・ショールズ・スタジオは、義兄弟みたいなものだ。プロデューサーのリック・ホールが設立したフェイム・スタジオは、フローレンス・アラバマ・ミュージック・エンタープライズの頭文字を取ってFAME。そこのハウス・バンドだった

エディ・ヒントン:ギター
ジミー・ジョンソン:ギター
バリー・ベケット:キーボード
デヴィッド・フッド:ベース
ロジャー・ホーキンス:ドラムス

を基本ラインナップとするミュージシャン達が、リック・ホールの金払いの悪さに腹を立てて独立して設立したのがマッスル・ショールズ・スタジオだ。ウィルソン・ピケットやパーシー・スレッジなどのサザン・ソウルの名盤から、ロッド・スチュアートなどのロック畑のアーティストのバックまで務め、その名を轟かせた。シェールのアルバムには「3614 Jackson Highway」というアルバムがあるが、それはこのスタジオの住所そのものだ。

一方のリック・ホールのフェイム・スタジオはその後何代かのフェイム・ギャングと呼ばれるハウス・バンドによって継続した。キャンディー・ステイトンのバックが印象的なここのバンドも激渋の腕利き揃いで

ジュニア・ロウ:ギター
クレイトン・アイヴィー:キーボード
ジェシ・ボイス:ベース
フリーマン・ブラウン:ドラムス

が基本ラインナップ。

とまぁ、これだけ聴きつつ紹介すると本当にお腹一杯。ただし今回改めて気付いたのだけど、どうやら我が家にはマッスル・ショールズ・スタジオ産のソウル・アルバムって無いみたい。ロック畑のアルバムはたくさんあるのだけどね。ということで、マッスル・ショールズ産のアルバムは激渋ブルー・アイド・ソウル盤のドニー・フリッツ「Prone To Learn」を。これがまた絶妙のチェンジ・オブ・ペース。嗚呼サザン・ソウルの夜は更けて・・・。

1/28 放送分(KATSUMI)

2007-01-28 14:20:27 | Weblog
まだ、番組ははじまってませんが、、、、
ゆきこさんがまだこない!!!!!

家のパソコン壊れましたので、三角山から打ってます。
本日の放送予定曲
1.yukikoのテーマ
2.山下達郎「Love Celeblatin」
3.Confunkshun---Ms. Got Body
4.Jocelyn Brown----Happiness
5.Dona Summer----Love Has A Mind Of It's Own
6.Wild Cherry----Hold On
7.Fatback Band----Double Dutch
8.BASIA----Crusing For Brusing
9.Rose Royce----Put Your Money Where Your Mouth

とりあえず・・・・

暮しのサイケ日記「何度目かのサザン・ソウル・ブーム到来中の巻」(サイケ)

2007-01-28 11:31:33 | Weblog
年に何回か、無性にサザン・ソウルが聴きたくなることってない?どうも先日yu-shio画伯から音を頂戴して愛聴中のEric Quincy Tateのサザン・ソウル色の濃いミディアム・ナンバーとか、The Sisters Loveのゴスペル色の濃いシャウトなどを聴いているうちに、そんなサザン・ソウル・モードのスウィッチが入ってしまったようなのだ。

こんな時に便利なのはこれ。「Goldwax Collection」。文句なしのサザン・ソウルの名門レーベルの怒涛のコンピ。何せ収録されている面子が凄い。超有名サザン・バラード『The Dark End Of Street』を始めとする重厚なジェイムス・カー、拍子抜けするほどのサム・クックのそっくりさんルイス・ウィリアムス率いるジ・オベイションズ、ブルージーな持ち味のスペンサー・ウィギンス、ディープさと軽さが絶妙に共存するパーシー・ミレン(と所属していたザ・リリックス)、これまたサム・クック風のパーティー・サウンドが楽しいジョージ&グリアー、ちょっと泥臭い雰囲気がサザンなエディー・ジェファースン、かすれ気味の声にはまるウィー・ウィリー・ウォーカー、とまったくどこかに聴いても極上のサザン・ソウルの全19曲だ。

こうやって並べて聴くと、やはりジェイムス・カーとスペンサー・ウィギンスは群を抜いて素晴らしく、この2人はちゃんと単独アルバムも持ってるぞ。これにハイのO.V.ライトあたりを追加すればかなりお腹一杯、胸一杯(笑)。

今回久々に聴き返して感心したのは、それぞれの歌手の上手さ濃厚さ以上に、バックの演奏の素晴らしさ。何を今更という気もするけども、追い出されたスタックスへの怨念を胸にチップス・モーマンが設立したアメリカン・スタジオのミュージシャン達の音は最高だ。レジー・ヤングのオブリガードなんて時にはサイケですらある!!ちなみにレジー・ヤングって山下達郎氏のフェイバリット・ギタリストだったはず。

レジー・ヤング:ギター
ボビー・エモンズ:キーボード
ボビー・ウッド:キーボード
トミー・コグビル:ベース
ジーン・クリスマン:ドラムス

以上が基本的ラインナップ。後にはジム・ディキンソンを中心とするディキシー・フライヤーズがバックを付けた曲もあったようだ。こちらは

チャーリー・フリーマン:ギター
ジム・ディキンソン:キーボード
マイク・アトリー:キーボード
トミー・マクルーア:ベース
サミー・クリースン:ドラムス

が基本ラインナップ。いやはや名手揃い・・・。こうしたミュージシャン達が後にエルヴィス・プレスリーやダスティ・スプリングフィールドといったポピュラーなアーティストから、デラニー&ボニーやリタ・クーリッジといったスワンプ・ロッカーのバックで一躍脚光を浴びていくのも良く分かる。しかしこの他に、同じテネシー州メンフィスのスタックスにはかのエムジーズが、近郊のアラバマ州マッスル・ショールズにはマッスル・ショールズ・リズムセクションやフェイム・ギャング達が居たわけでしょ。とんでもないな、アメリカ南部。深い・・・深いぞ・・・。