
アイルランドのケリーウール。
アランセーターの王道といえば、ケリーウールなんですよね。
その糸にはじめて触れた時は加工があまりされていなくてざらっとしていて日本の毛糸屋さんに売られているのとはまったく違うその感じに驚きました。
英国は海に囲まれた島国で、まわりにもたくさんの島があり、海は人々の暮らしに深いかかわりを持っていました。
フィッシャーマンズセーターをご存知ですよね?
たくさんのアラン模様が編み込まれたそのセーターは、女性たちが愛する家族のために心を尽くして編んだもので、それを着て男の人たちは海に向かうのでした。
諸説ありますが、この模様で万一のことがあったとき、どこの誰かを特定していたという説もあります。
自分の編んだ物は忘れることなんてないですもんね。
日本のセーターは加工がたくさんされているウールでふわふわと気持ちよい感触ですが、やっぱりデリケートな素材で、とてもじゃないけど海や草原に着ていくような感じではありませんよね。
英国の糸を使うようになって、ウールというものは風土から生まれて、その風土にとても溶け込んだ存在で海の湿気や汚れをはじいてくれる素材なんだなあと知りました。
ガンジーセーターという海の男が着用するセーターがあるのですがこれも洗わないと聞いたことがあります。
信じられないでしょ?
でも、英国のあまり加工されていないウールは汚れや水気をすごくはじいてわたしも年に1度、しまい込む時に水通しして干すだけで汚れなど気にならないんです。
…昨年、ケリーウールでロングカーディガンを編み、今年はなんとなく模様編みのニットがすごく流行していることもありよく着用しています。
その仕入れの時に600gでいいなあと思いつつも足りなくなったらまた面倒だし余らせてほかのアイテムも編みたいなあと思い、800g仕入れていたんです。
結局カーディガンに700gもつかって(!)、100g余ったのでなにを編もうかしばらく考えを温めて、こちらも今流行中のクラッチバッグを編むことにしました。
ニットのクラッチはかわいいけれど、あんまりふわふわの毛糸では物を入れたときに弱いので堅めで丈夫な糸がいいなあと思っていたんですがわたしの持っている中で最も頑丈そうな糸がケリーウールでした。

まず寸法を決めて目数を割り出し、模様を決め設計図をつくります。真ん中の茶色いメモ用紙がわたしの最初の設計図で、これに編み模様や目数をしっかり書き込んで図案を残していっています。
以前編んだものの目数や模様の感じなどを参考にしつつ決めるので周りに物が散乱します…

大きさはこんな感じ。上はnunogokoroさんとふでにんじんさんのコラボカードケースです!
いつも甘めな模様を入れないんですが、クラッチは大振りなかわいい模様が似合う気がして、こんな模様にしました。こんなシンプルなボタンにしましたが、冒頭の写真には稀月さんで購入させていただいた作家さんの陶製のブローチをつけてみました。
荷物を入れるとこんな感じです。

大きさや柄の出方がイメージと合っていたのでほっと一安心です。できあがるまでなんとも胸騒ぎするようなわくわくとした、期待と不安がいりまじった気分です。
…やっと本格的に寒くなって、ニット物が活躍できるシーズンになりました。
以前ニットを買ってくださった方がたまたまnunogokoroさんの知り合いの方だったので、ずっとお手入れさせtもらいたいなあと思っていたのですが、先日nunogokoroさんが彼女からニットを預かってきてくれました





ひさしぶり~!
ひさしぶりにわが子の顔を見たような、そんな気持ちです。
アルパカのとっても肌触りがよいハンドウォーマー。一度洗いにかけさせてもらいました。
手は摩擦がどうしても多いので、毛羽だってきます。

右がお手入れ後、左がお手入れ前です。模様がくっきり際立つでしょ。
nunogokoroさんが愛用してくれている野呂英作糸の鹿の子編みだけのシンプルなハンドウォーマー。よかったらぜひ一緒に預からせて~と我が家に連れて帰りました。

こちらも右がお手入れ後、左がお手入れ前です。
…すっきりした~~~。靴とニットはたまにお手入れするとやっぱりとってもきれいで気持ち良くなります


週明け、また雪みたいですね。しかも今見たら名古屋の最低気温マイナス5度だったんですが、本当だろうか…!?
頭(耳)、首、手元、足元、なにか防寒するものが欠かせません、
今年は暖冬で編むのも着用するのもいつもよりゆるい感じだったんですが、寒くなってくるとウールのあたたかさが身に染みてありがたいし、編むのも俄然ノッてきます!!
今年はあとウェアをもっとつくりたいんですが糸を仕入れねば…!
がんばりまっす…!