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蠍火のダラダラ日々の語について

久々のショートショート

2007年10月06日 | SS小説
これは先生にチェックを受けて、修正する前の作品です。
久々に書いたので、修正する前にアップしようと思います。
かなり字が詰まっているので、これはキツいと思ったら回避してください。


タイトル
『マイノリティーな女』

 世界は科学の発達や産業の繁栄によって、リストラはなくなり人々の懐も豊になった。貧乏人も減少した。次第に人々は更なる金と欲に目が眩み、本物の「価値」を見落とすようになった。そして人は、次なる価値をあるモノに見出す。
 それはポイント制。堪ればタダで何かが貰える魔法の響き。
 現代人はその魔法の響きに魅了されていた。そして人が動けば世界も変わる。
 キャッシュカードもポイント制。お店の会員カードもポイント制。ジュースや煙草の自動販売機もポイント制。この世にある「モノ」全てにポイントが付いてくる。消費と代価。その代価となる景品が豪華になるにつれ、老若男女問わず、人は紙幣よりもポイント数によって様々な特典が付いてくるカード重視の生活へ変動。そのため、財布の中にはぎっしりと色鮮やかな「夢」が詰まっている。
 それが現代人のスタンス。
 そんな時代の最中、とある町では一人の女が小汚い服装で、毎朝熱心に道端の空き缶を拾い続けている。時代にはそぐわない風貌。袋いっぱいに詰め込まれた缶クズ。道行く人々は皆、缶クズ同様、ゴミを見るような軽蔑の眼差しで女を嘲笑う。
『またゴミを拾ってるよ』『ゴミにいったい何の価値があるんだ』『ゴミ屋敷でも建てるつもりか?』『きっとダンボールハウスだ』『この町一番の屋敷とはえらい違いだな』『あはは』『汚らわしい』『空気が腐る』『帰れ』『そんなに空き缶が欲しいならくれてやるよ』『うっ、や、止めてください』『おお、ゴミ女がしゃべったぞ』――。
 心ない言葉。罵詈雑言の嵐。女が道を歩くだけで、ヤジやゴミが飛んでくる。それでも女は懸命に空き缶を拾い続ける。いつものことなのだ。
 そんな小汚い女とは無縁のように思えるポイントカードには、人々を魅了する様々な特典がある。二泊三日の日本または海外旅行。ギブソンのギターやグランドピアノ。果てに一軒家などなど、挙げればキリがないほどのバリエーション。
 ギャンブルや宝くじなどよりもずっと効率的。とにかく金を消費して貯め続ければ欲しいモノがタダで貰える。狂い始めた人間の思考。そして人々は景品の豪華さに踊らされ、ポイントを貯めることに熱心になって気付いていない。人が動けば世界も変わる。世界が変わるということは、人がそれを動かしているということ。
 全ては社会を動かす人間の欲によって回っている。その貪欲さを利用して、口座に潜む「数字」を貯める人間も然り。利用されている。たとえその法則に気付いていたとしても――貯めずにはいられない――それほどまでにポイントには魔性の魅力が備わっていた。
「偽りの価値に、ワタシは惑わされない」
 誰にも聞こえないようにそっと女は呟く。そして今日も小汚い格好で空き缶を拾い続ける。決して楽な行動ではない。汚れた言葉で罵られ、紫煙を顔面に吹きかけられ、吐き出された唾が無遠慮に服や手足に降りかかる。辛い……でも、止められない。
 女は缶を集めるために、次々と場所を移動していく。町の各所に配置された公園のゴミ箱。駅周辺のゴミ缶入れ。そして雑草が伸びきった河川敷。実は川原こそが女にとっての穴場。少し歩くだけで、ゴロゴロと地面に転がる無数の無機質たち。拾っても拾っても無くならない。次の日にはしっかりと、在るべき存在のように心ない人間が投げ捨てた空き缶たちが横たわっている。それを愛おしそうに拾い上げ、女は心躍る思いでビニール袋へ缶を投げ込む。瞬間、罵声を発する者たちの顔が浮かび、つい笑ってしまいそうになるが、
「ここにおったんですな」
 不意に背後からかけられた声に、女の顔が強張る。振り返る。そこには小奇麗な格好の老人がいた。老人の口ぶりからして、以前から女の事を知っているようだ。
女は老人に愛想笑いをする。老人は何か言いたげに口を開く。しかし女の方が早かった。
「私は空き缶でこの町一番の屋敷を手に入れました。でもプールがまだないので、次はそれを貰うことにします」
 この世の法則を覆す行動。それは消費せずに正真正銘のタダで景品を頂くこと。それこそが本物の「価値」なのだ。空き缶一つにも価値がある。
 この世にある「モノ」全てにポイントが付いてくる。
「それは良いとしても、その格好は何とかならないんですかな? お嬢様」
「この格好の方が、空き缶の価値がわからない愚かな人間の反応を窺いやすいわ。ふふふふふっ」
 この女が一番、ポイントに取り付かれていた。

この作品について、何かコメントを頂けるとありがたいです。
以上です。
ではっ

やっと始動です。

2007年04月14日 | SS小説
以前、ブログ上で小説を書くと言っていたのだが、
結局、ダラダラとして日記のようなものしか書いていない事に、
今気付いた。(遅ッ

そんな訳で、今日は書きます

タイトルは「一握りの声」でいこうかと思う。
って、今考えた。

※矛盾点など、極力ないように書きたいと思いますが、
 何分プロット無しで進めていくつもりなので、
 その点などに関して読み苦しいかもしれません。すみません。


   「一握りの声」

 初めは沢山の声が聞こえていた。
 耳を澄ませる事なく、多くの声が聞こえていたんだ。だけど、一つ一つ歳をかさね、大人っていう年齢に近づいていくうち、その声たちの数が減っていった。
 別に誰かが悪い事をした訳じゃないんだ。あっ、でも、中にはそういう悪い事で消えていった声もあった。きっと、わたしが耳を傾けなくなったのだと思う。だって、自分にだって好き嫌いはある。それが結構激しいタイプかもしれない。それに、嫌いな声をずっと聞いていたいだなんて、そんな風変わりな人間には、わたしはなれない。絶対になれない。
 もう自分には、わずかな声しか残っていないんだ。あとの声は全て、物理的には聞こえても、心の中――わたしには聞こえない。響かない。伝わらない。
 あと五つ。わたしに残された声――

 


おっと、続きはまた今度書きます。
ちょっくら出かけてきますので、では

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SS小説 「黄丹色の空」

2007年03月31日 | SS小説
ちょっとした純愛作品です。
※文字数は2000文字です。


 オレが恋した近所に住む女の子はもう、いない。
 たった今、完全に太陽が水平線上に沈んでいった。
 ココに来ると、いつも心が癒される。そんな気がするんだ。たぶん、オレが見ている光景と、眼前で赤と橙を程良く混ぜたような、黄丹色に染まりきった空のおかげだと思う。
 オレは自宅のまん前に広がっている砂浜で見る、この時間帯の空色が好きだった。
 昨日までは……。
 
 教室内では六限目の終わりと共に、周囲から喧騒が色めきたっていた。
 おいおいHRだ。今から大事な話があるから、静かにしろよ~」
 教室に入って来た担任の教師が、軽く眉間に皺を寄せながら開口一番にそう言った。 大事な話? どうせ十月に行われる文化祭の事だろう。オレはそう思っていた。
「え~っとだな……」
 担任は何やら言いにくいのか、頭部を掻きながら口を噤んでいる。周囲の生徒たちがザワザワとしだす。そして、誰かが言った。
「先生。それって……、上森マキさんの引越しの事ですか?」
「!?」
 オレは思わず眼を見開いた。そんなバカなっ! そんな話、オレは聞いていない。
「ああ、そうだ。なんだ皆はもう知っていたのか」
 苦笑いを浮かべて顎を撫でる教師。周囲の生徒たちは既に、知っていたようだった。その瞬間、自分だけが取り残されたような気分になった。どうして周りのヤツらが知っていて、自分はアイツから何も聞かされていないんだ? 幼馴染みなのに……。
 オレは後ろの窓辺の席から、教室の正面入り口から入ってすぐの、一席目に座っているマキの後ろ姿を見やる。肩口まで伸びた髪が前へ垂れ、結局表情はわからなかった。 その翌日から何故か、昨日まではオレに届かなかった噂が、自分の耳にも流れ込む。
「なぁ、聞いたかユウ? 上森のヤツ、東京の方へ行くらしいぞ」
 そんな噂もあれば、
「いや、意外と近場だという情報もあったよ」
 その後数日間、様々な噂を耳にしたが結局、オレにはどの噂が真実なのかがわからなかった。わかる事は一つ。昨日、マキはオレに、何も告げずに引っ越していったということ。

 全てが壊れてしまったようだった。この想いをどこにぶつければ良いのかがわからない。無意識の内にオレは、浜辺の砂を力いっぱい握り締めていた。そこへ――
「あっ、ユウ。やっぱりここにいたんだ」
 突然、自分の名前を呼ばれ、オレは少し動揺しなからも背後に振り返る。本当は、振り向かなくてもよかった。誰であるかなんて、声を聞いた瞬間にわかっていた。
「えっ? な、なんでマキがココにいるんだよ!」
「なんでって……なんで?」
 質問を質問で返すなよ……。軽くため息を隠す事なく吐いた後、
「だってお前、引っ越したじゃないか」
 一瞬、昨日の出来事を脳裏に描きながら言った。
「うん、引っ越したよ。そこに――」
 マキが平然とした表情のまま、自分の背後に並び建つ一軒の家屋を指差した。
「あの家が、昨日からアタシの新居だよ」
 それは、オレの家の隣だった。
「ええぇぇぇっ! そんなバカな。だって、お前は東京の方へ引っ越すって誰かが――」
「それって噂でしょ? アタシは一言もそんな事、言った覚えないよ。それに、ユウに言わなかったのは、ちょっと驚かしてやろうと思ってね」
 そう言いながらマキがオレの横に座る。ああ、十分に驚いたよ。たくっ……。
 それにしても、どうやらまんまと噂に騙されていたようだ。でも、騙されていたのが嘘の噂で良かった。オレは黄丹から徐々に藍色に変色しつつある空を見上げながら、そう思っていた。そして、今なら自然に言えそうだ。
「あのさ。オレお前の事、ずっと前からこれからも好きだわ」
 かけがえのないモノは、いつもすぐ傍にある。あとは自分自身が前進できる勇気があるか、無いかの違い。たったそれだけ……。
「アタシも」
 見上げっぱなしの空はもう、薄いオレンジ色が消えかかっているけど、この色も悪くないな、そう思えたんだ。これからも二人一緒なら――


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SS小説 「命を大切に」

2007年03月31日 | SS小説
 どれほど文明が発達し、ヒトの生活が豊になろうとも、決して人類も私同様に完璧ではないのだ。私はそう思う。
 私はキミの変わりに世界をずっと見ていた。
 キミが一歩踏み出す度に私も、一歩同時に前進する。キミに危険がないように、私が紳士のようにエスコートする。これが私たちの絶対的関係。
 この関係がずっと続くものだと私は思っていた。しかし、あの日を境に私たちの繋がりは、呆気なく音を響かせて消えていった。
 世界を暗闇に落とすような、ある曇りの日のこと。私はいつものように、キミの家から十分ほどの場所にある公園まで共に歩いた。
 あまりの暗さに、昼間なのにもう夜なのではないかと、私を錯覚させる。
 私はふと思う。
(君はいつも、これ以上に真っ暗な世界しか見ていないのだな)
 なんだか私の小さな心臓が締め付けられて、音と共に破裂してしまいそうだ。
 そんな事を思っていると、キミが急に立ち止まる。私もそれに合わせて歩みを止めた。
 眼前には信号機がある。私としたことが、うっかり信号機があることを伝えそびれていた。
 これでもし事故に遭っていたら、私は死んでも死に切れない。
 私が自分の失敗を反省していると、キミは私を見下ろし微笑んでいた。
(私が冒したミスを怒っていないのか? それとも呆れて微笑しているのか?)
 私には意味がわからず、首を傾げるしかなかった。
 そこへ突然、キミはしゃがみ込み、私に向かって小さな声で言った。 
「ごめんね、ジョー。わたし疲れちゃった」
 私に人語を細かく把握し、解読できるほどの能力はまだない。
 だというのに、キミは私に話しかけてくる。
 すまないが意味を把握するのに時間がかかるのだ。
 私はただ、キミを仰ぎ見るしか術がなかった。
(キミがいったい、何を考えているのかが私には理解できない。けど、そんな顔をしないでくれよ)
 キミにも私の心の声は聞こえない。
 六年間も一緒に日々を生きたというのに、私たちは見た目も話す言葉も違う。
 あまりにも違いすぎる。
(私が人間だったら……)
 私は寂しさを押し殺しながら信号機を見やると、依然としてまだ赤のままだった。
 次にキミへ目線を送ると、隣に立っていたはずのキミが、青色に変わっていない道路に飛び出していた。
 左からは乗用車が、信号が変わる前に渡りきってやろうと、猛スピードで突っ込んで来ていた。
 私にとって二度目のミス。
 私は必死にアスファルトを蹴り、キミを突き飛ばす。
 その瞬間、私は宙を舞った。鈍く重い音を響かせながら……。
 私の役目はここで終わりを告げた。
 その後、キミがどういった生活をしているのかは、私にはわからない。
 たぶんあの事故の後、キミが泣き崩れている姿と、私の破損したパーツの残骸が飛び散っている状況だけは、何となく想像はつく。
 私はという機体はもう、存在しない。
 だが、私はいつも思っている。
(キミの健康と幸福を――)
 三台目の盲導犬型ロボットとして……。

☆現在の専門学校へ入学して、たしか三ヶ月くらいに出来上がった作品です。
  あっ、その後、多少の修正は加えました。
  もし読みにくい点など、その他感想を頂けたらなぁ~と、思います。 

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