佐山音楽事務所

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メッセージ2011年5月

2011年05月19日 | 佐山陽規からのメッセージ
「太平洋序曲」開幕までひと月となりました。

4月下旬から歌稽古が始まり、亜門さんが「スウィニー・トッド」の初日を開けて稽古場に帰ってくるまでに、全曲の振付けが終わりました。いよいよこれから芝居の稽古に入ります。
 私が苦手としている振り(ダンス)ですが、稽古に入ると、およそ10年ぶりとなるにもかかわらず身体が覚えている事に、ちょっとホッとしました。

 それにしてもソンドハイムの音楽の面白さは格別です。難しさも格別です。1曲の長さが10分前後という曲が何曲もあり、曲の中で拍子が何度も変わります。
 これまでに何本ものミュージカルをやってきましたが、「太平洋序曲」の疲れ方は他のミュージカルとはちょっと質が違います。
 ラストの『NEXT』など、肉体的に疲れるナンバーも少なくありませんが、脳が疲れると言う感じなのです。決して<疲れるから嫌だ>という意味ではありません。それが面白いのです。
 付いている振りも『何小節目の何拍目でどうする』といった決まり事が沢山あります。
 歌も振りもひとつはずすとガタガタになってしまいます。油断がなりません。それが面白いのです。

 私は<将軍の母>と<ロシア司令官>という対照的な二役(他にも細々やります)です。
 <将軍の母>が歌う『菊の花茶』は、同じようなメロディーと同じような歌詞が繰り返えされますが、これが少しずつ違うのです。まったく油断がならない!以前の公演の時も稽古ではしょっちゅう間違えていました。幸い本番では一度も間違えなかったと思いますが。(ということは稽古では油断していたという事でしょうか?)今回も最初の稽古ではかなり危なかった!
 <ロシア司令官>を始め各国の司令官がやって来る『ブリーズ・ハロー』これはもう何度やっていても、前奏を聞いただけでワクワクして来ます。終わった時にはハアハアゼイゼイですが。
 
 「太平洋序曲」初演の次年(01年)にはアメリカで9.11が起こりました。その影響で2002年のアメリカ公演は中止になるのではと危惧しましたが、テロから10ヵ月後にはニューヨークで公演していました。そしてニューヨークの人々に絶大な支持を頂きました。
 今、被災地では様々な歌が被災された方々に元気を与えているようです。日本という国を見つめ直す意味合いも持つこの作品。出来ることならぜひとも被災地の方々に観て頂きたいものです。

 とにかく他のミュージカルにはない面白さ満載の作品です。横浜での公演しかないことがとても残念ですが、今年完成したばかりの新しい劇場へどうぞ足をお運びください。
 決して後悔しないこと請け合いです!

佐山陽規


(この記事は、旧ブログから移動したものです。)

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