「缶詰の王道」 魚介系缶詰
近頃、世の中じゃウチノミってぇのが流行っているようでございますナァ
これは呑み屋さんに行かないで、我が家に帰ってから自分の好きな肴を用意して、自分の好きな音楽なんかかけちゃったりして、好きなようにノンビリ呑むこと・・てぇことは皆さんご存知のとおりで御座います。
で、このウチノミってのはいつしかオシャレになっちゃった訳でございますナ。
ですが「ちょっと待てよ?」って中高年のオジサン達は結構いらっしゃるんじゃないですか?
「こちとらウチで呑むの専門よ!今更ウチノミ・ウチノミなんて威張るんじゃねぇや!大体テメェでツマミなんか作るかってぇノ!冗談じゃねぇや!洒落たツマミなんかを買って来るのもゴメンだァな、そんな時間と労力掛けるくらいなら早く家ヘケェって一杯でも多く呑みてェの!」
・・・ま、こういう方は本当のところ酒癖が余り宜しくないので何処のお店にも上がれずに、仕方なくウチノミしているんでございます。
で、酒癖に問題が無くとも懐具合に問題があるときなんかはウチノミになっちゃったりしますわな~
又近頃は座って呑むより若干安く呑めるタチノミってェのも流行っているそうでありますが、これだって昔からある呑み方でありまよ~
「オ~イ、帰りに一杯やらないか?」
「・・・・あ、月末で懐にからっ風が吹いてんだ・・・・呑みてェが、今日は酒屋で酒買ってウチでコップ酒でも呑むわ、飲み屋に行くのは今度にすらァ」
「おう、だったら酒屋で立ち呑みでもしようじゃねェか、酒屋で買うなら、ウチへ持って帰って呑もうが、酒屋の店先で飲もうが変りはしねェや」
昔の酒屋さんの模型というのもあるんですネ
そうなんですね、昔は酒場ではなく、酒屋さんで立ち飲みができたんで御座いますよ。
今でも残っておりますが、今の酒屋の立ち飲みは立ち飲みカウンターなんかも出来ちゃって、これじゃ酒場みたいなんですな。
酒は量り売りしてくれましてね、でもってツマミはその変に並んでいる缶詰なんぞを開けて酒屋の隅っこで飲むんでやすな。ですから酒屋さんの定価で呑めるんですな。
隅っこのほうには戦争前から使っているようなテーブルが置いてありまして、そこにフルーツかなんかの円柱形の空き缶が置いてありまして、そこに安い赤っぽい箸が一杯立ててあります。割り箸ナンなんてのはござんせんで、洗ってまた使う・・・今様で言やァエコと言うことになるんでしょうかね。
ま、箸なんていいものは無くて楊枝だけってェとこもございましたな。
さて、この酒屋の立ち飲みは、買い物に来た近所の奥さん連中の冷たい視線をまともに受けないように、斜め45度で天井を見ながら呑み、喰い、且つ話すという高等技術を必要とする、きわめて世間体のよろしくない呑み方でございました。
酒屋の店主だって奥さん連中に不埒なことをしないかと番犬のような眼で酔客を睨みながら酒を売っておりまして、そろそろ酔いが危ない状況にさしかかろうとした瞬間に退店を言い渡すんですな。
続きは酒買って帰ってウチノミになるわけでして、今更ツマミ作るのも面倒だし、仕方無いから缶詰やサキイカなんぞを購入してトボトボと帰宅するわけでありました。
ま、立ち飲み~ウチノミと言うのがセットになっていた時代とでも言うのでしょうかね。
立ち飲みにもウチノミにも缶詰は必需品だった訳でありますので、立ち飲みのススメやウチノミのススメや学問のススメにも是非缶詰のことを勧めていただきたいですな~
で、そのころの立ち飲みの主役はなんと言っても秋刀魚や鰯や鯖の缶詰。
「オイラ、今日は秋刀魚の缶詰にしよう・・・・」
なんて静かに呑もうとしていても、そのうちに良いコンコロモチになって、気が大きくなると牛缶とか鮭缶とかを買っちゃうんでございます。すると店主もこういう豪気な客にはマヨネーズやトン辛子なんぞをサービスするんですな。
ですが、やはり主役はなんと言っても秋刀魚と鰯の缶詰でござんしたね~。
沢庵とか白菜の漬物なんかを出してくれるとこもありました
そんな酒屋の立ち飲みでありましたが、 今じゃちゃァんとした料理も出しちゃうんですから、酒屋と言うより酒場でございますな。酒場併設型とでも言いうんでしょうかね。
こういうところは兎に角酒の種類が多いのでうれしいですな。
併設型では四谷の鈴傳さんなんかはかなり有名でございますな。
こういう缶の上にハゲチョロの箸が一膳載っておりました
そういうとこじゃ皿なんてモンはござんせんから、缶から直に頂くのが当たり前でございます。
コップの横に、箸を一膳載っけた食べかけの缶詰が風情でありました
で、当時はイージーオープン缶なんてものは無い時代ですから、レジに缶を持っていって、代金と引き換えに開缶して貰う、若しくはカンキリを貸してもらうわけですな。
冷たい視線を気にしないで食べられるようになったら立ち飲み名人でした
このキョクヨーの秋刀魚みりん焼き缶は大手スーパーで98円でございました。
コレで酒一杯はしっかり呑めますよ~
ちょいと甘いのはみりん焼きだからで当たり前でございます。
醤油とか七味、山椒なんかがあるといいかもしれませんな~。
身は焼いた感じがしっかりと残っていて、適度なパサパサ感がございます。
香りも立っていてなんだかうれしくなる缶詰であります。
珍しい缶詰や高い缶詰に眼が行きがちでしたが、この缶詰の基本のような秋刀魚缶を食べてみて、改めて日本の缶詰の底力を感じたのでありますこれは大和缶魂とでも呼ぶべきでありますな~
皮目が綺麗ですゾ!
そんな訳で皮目の方がどうなっていますか・・・・ってェと・・・
ホントに焼き魚のようになってますな~
これは焼いてから缶詰にしてあるんでしょうか?
だとしたら98円で素晴らしい技術に接することができたという訳でござんすな。
この値段でこの品質・・・なんとも心意気をかんじる缶詰じゃござんせんか
こういう缶詰が缶界の土台を支えておるんでございますね~こういう缶詰があってこそ、高品質で高価な缶詰の開発・製造が出来るんでしょうなァ
缶詰は冷凍食品と違い、輸入食材や食品添加物を余り使いませんな~・・
ところでアタシ・・小津安二郎監督の最後の作品「秋刀魚の味」のことを思い出したわけであります。
良く思うのでありますが、あの頃の日本映画の女優の声はキ~ンと響いていたような気がしませんか?・・・なんか鈴のように高い音て可愛らしい声に聴こえませんでしたかね?・・・あのころの映画の女優さんの声を聴くと・・・ナントモ良いコンコロモチになるのはアタシだけでしょうかねェ
もうすでに良いコンコロモチになってしまったオジサンは、斜め上45度の角度で天井を見ながらコップ酒片手にこんな話をするんですな~
「秋刀魚の味の意味?・・・イロイロあって、ちょっとほろ苦い・・・ってこったそうだぜ」
「ほろ苦い・・・・?ってことは・・その秋刀魚、缶詰じゃねェな~」
これは呑み屋さんに行かないで、我が家に帰ってから自分の好きな肴を用意して、自分の好きな音楽なんかかけちゃったりして、好きなようにノンビリ呑むこと・・てぇことは皆さんご存知のとおりで御座います。
で、このウチノミってのはいつしかオシャレになっちゃった訳でございますナ。
ですが「ちょっと待てよ?」って中高年のオジサン達は結構いらっしゃるんじゃないですか?
「こちとらウチで呑むの専門よ!今更ウチノミ・ウチノミなんて威張るんじゃねぇや!大体テメェでツマミなんか作るかってぇノ!冗談じゃねぇや!洒落たツマミなんかを買って来るのもゴメンだァな、そんな時間と労力掛けるくらいなら早く家ヘケェって一杯でも多く呑みてェの!」
・・・ま、こういう方は本当のところ酒癖が余り宜しくないので何処のお店にも上がれずに、仕方なくウチノミしているんでございます。
で、酒癖に問題が無くとも懐具合に問題があるときなんかはウチノミになっちゃったりしますわな~
又近頃は座って呑むより若干安く呑めるタチノミってェのも流行っているそうでありますが、これだって昔からある呑み方でありまよ~
「オ~イ、帰りに一杯やらないか?」
「・・・・あ、月末で懐にからっ風が吹いてんだ・・・・呑みてェが、今日は酒屋で酒買ってウチでコップ酒でも呑むわ、飲み屋に行くのは今度にすらァ」
「おう、だったら酒屋で立ち呑みでもしようじゃねェか、酒屋で買うなら、ウチへ持って帰って呑もうが、酒屋の店先で飲もうが変りはしねェや」
昔の酒屋さんの模型というのもあるんですネ
そうなんですね、昔は酒場ではなく、酒屋さんで立ち飲みができたんで御座いますよ。
今でも残っておりますが、今の酒屋の立ち飲みは立ち飲みカウンターなんかも出来ちゃって、これじゃ酒場みたいなんですな。
酒は量り売りしてくれましてね、でもってツマミはその変に並んでいる缶詰なんぞを開けて酒屋の隅っこで飲むんでやすな。ですから酒屋さんの定価で呑めるんですな。
隅っこのほうには戦争前から使っているようなテーブルが置いてありまして、そこにフルーツかなんかの円柱形の空き缶が置いてありまして、そこに安い赤っぽい箸が一杯立ててあります。割り箸ナンなんてのはござんせんで、洗ってまた使う・・・今様で言やァエコと言うことになるんでしょうかね。
ま、箸なんていいものは無くて楊枝だけってェとこもございましたな。
さて、この酒屋の立ち飲みは、買い物に来た近所の奥さん連中の冷たい視線をまともに受けないように、斜め45度で天井を見ながら呑み、喰い、且つ話すという高等技術を必要とする、きわめて世間体のよろしくない呑み方でございました。
酒屋の店主だって奥さん連中に不埒なことをしないかと番犬のような眼で酔客を睨みながら酒を売っておりまして、そろそろ酔いが危ない状況にさしかかろうとした瞬間に退店を言い渡すんですな。
続きは酒買って帰ってウチノミになるわけでして、今更ツマミ作るのも面倒だし、仕方無いから缶詰やサキイカなんぞを購入してトボトボと帰宅するわけでありました。
ま、立ち飲み~ウチノミと言うのがセットになっていた時代とでも言うのでしょうかね。
立ち飲みにもウチノミにも缶詰は必需品だった訳でありますので、立ち飲みのススメやウチノミのススメや学問のススメにも是非缶詰のことを勧めていただきたいですな~
で、そのころの立ち飲みの主役はなんと言っても秋刀魚や鰯や鯖の缶詰。
「オイラ、今日は秋刀魚の缶詰にしよう・・・・」
なんて静かに呑もうとしていても、そのうちに良いコンコロモチになって、気が大きくなると牛缶とか鮭缶とかを買っちゃうんでございます。すると店主もこういう豪気な客にはマヨネーズやトン辛子なんぞをサービスするんですな。
ですが、やはり主役はなんと言っても秋刀魚と鰯の缶詰でござんしたね~。
沢庵とか白菜の漬物なんかを出してくれるとこもありました
そんな酒屋の立ち飲みでありましたが、 今じゃちゃァんとした料理も出しちゃうんですから、酒屋と言うより酒場でございますな。酒場併設型とでも言いうんでしょうかね。
こういうところは兎に角酒の種類が多いのでうれしいですな。
併設型では四谷の鈴傳さんなんかはかなり有名でございますな。
こういう缶の上にハゲチョロの箸が一膳載っておりました
そういうとこじゃ皿なんてモンはござんせんから、缶から直に頂くのが当たり前でございます。
コップの横に、箸を一膳載っけた食べかけの缶詰が風情でありました
で、当時はイージーオープン缶なんてものは無い時代ですから、レジに缶を持っていって、代金と引き換えに開缶して貰う、若しくはカンキリを貸してもらうわけですな。
冷たい視線を気にしないで食べられるようになったら立ち飲み名人でした
このキョクヨーの秋刀魚みりん焼き缶は大手スーパーで98円でございました。
コレで酒一杯はしっかり呑めますよ~
ちょいと甘いのはみりん焼きだからで当たり前でございます。
醤油とか七味、山椒なんかがあるといいかもしれませんな~。
身は焼いた感じがしっかりと残っていて、適度なパサパサ感がございます。
香りも立っていてなんだかうれしくなる缶詰であります。
珍しい缶詰や高い缶詰に眼が行きがちでしたが、この缶詰の基本のような秋刀魚缶を食べてみて、改めて日本の缶詰の底力を感じたのでありますこれは大和缶魂とでも呼ぶべきでありますな~
皮目が綺麗ですゾ!
そんな訳で皮目の方がどうなっていますか・・・・ってェと・・・
ホントに焼き魚のようになってますな~
これは焼いてから缶詰にしてあるんでしょうか?
だとしたら98円で素晴らしい技術に接することができたという訳でござんすな。
この値段でこの品質・・・なんとも心意気をかんじる缶詰じゃござんせんか
こういう缶詰が缶界の土台を支えておるんでございますね~こういう缶詰があってこそ、高品質で高価な缶詰の開発・製造が出来るんでしょうなァ
缶詰は冷凍食品と違い、輸入食材や食品添加物を余り使いませんな~・・
ところでアタシ・・小津安二郎監督の最後の作品「秋刀魚の味」のことを思い出したわけであります。
良く思うのでありますが、あの頃の日本映画の女優の声はキ~ンと響いていたような気がしませんか?・・・なんか鈴のように高い音て可愛らしい声に聴こえませんでしたかね?・・・あのころの映画の女優さんの声を聴くと・・・ナントモ良いコンコロモチになるのはアタシだけでしょうかねェ
もうすでに良いコンコロモチになってしまったオジサンは、斜め上45度の角度で天井を見ながらコップ酒片手にこんな話をするんですな~
「秋刀魚の味の意味?・・・イロイロあって、ちょっとほろ苦い・・・ってこったそうだぜ」
「ほろ苦い・・・・?ってことは・・その秋刀魚、缶詰じゃねェな~」
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