「海苔トースト」 料理
この前、テレビの料理番組を見ていましたら、服部幸應先生が出演なされておられれまして、人間は8歳くらいまで食べていたものの味が、その人の美味の基準になると仰ってました。
私もそういえばそうかもしれないな~・・・と、説得されました
その後、先生は近頃の料理人に怒っておられると仰いました。
兎に角近頃の料理は味がくどい、なんでもかんでもドサッと入れるような味つけで、これは料理人が悪い!・・と、言うようなことを仰っておられました。
ま、私も服部先生に怒られちゃうようなダメ料理人の一人なわけでありますが・・・先生の仰る通り!私もそう思います。
近頃の料理は、味が濃いと言うのではなく、味がくどいとでも言いましょうか、つけすぎた香水みたいな料理が近頃の流行であります。
刺激がないと美味くないというような流行でしょうか?ラーメンの流行なんかを見てますと、その傾向が判りますね。
多分、出汁とかスープを取るのに、昔のような苦労があまり無くなって、家庭でなんでもインスタントで作れるようになったので、家庭で食べるものと選別するために味を濃くしたからではないでしょうか?
本当は、プロなら、さっぱりとして奥深い味を目指していくものなのかもしれません。
なんにせよ、料理を作るときは少し苦労する方が良いのかもしれませんね。
さてさて、もう一方の8歳まで云々と言うお話です。
洋菓子のアマンドのリングシュークリームであります。
このアマンド・・・四谷四丁目で50年ほど自社工場として洋菓子を生産しておられましたが、本年6月30日をもって生産部門を閉じることになったそうです。
私が10歳にも満たない子供の頃からあったお菓子工場が閉鎖されてしまと言うのは・・とても哀しいことであります。
昔々、舟木一夫さんと内藤洋子さんお「君に幸せを センチメンタルボーイ」と言う映画がありまして、舟木さんが田舎から出てきたお菓子職人の見習いの役で、この工場でロケをしていたことを思い出します。
舟木さんが2階の窓からサクランボを落として内藤洋子さんが口で受け止めるという他愛ないシーンを、出来るまで何十回も撮り直しをしていました。
あの映画、DVDになっているかな?
子供の頃の味が、一つ消えていきました。
もう一つの子供の頃の味の記憶。
またもや亡くなった祖母の話であります。
私が子供の頃、料理下手な祖母が良く作ってくれたものに、海苔トーストと言うのがありました。
昭和40年代にバタートーストに海苔の佃煮を塗ったものを桃屋さんがテレビCMで流してましたが、これとは違います。違いますが、この佃煮トーストも美味しかった
この海苔トーストはトーストした食パンに醤油をかけて海苔を載せて、のりがシットリとしてきた頃合で食べる・・・これが美味しい。
さて、この海苔トーストでありますが、先ずは祖母から聞いた話を書きましょう。
なんでも昭和の初期に、大木戸、今の新宿・四谷の四丁目、つまり祖母が始めた店があるところであり、今は私の家族が継いでいる場所でありますところの四谷・大木戸で発売されたのが最初で、すぐさま東京中で大流行したと言う話でありました。
いろいろと調べましたが、海苔トーストが四谷発祥と言う話しは出て来ませんでした。
名古屋発祥説というのもあるらしいです。
さて、作り方は先に書いたとおりで、舶来の香りがする日本の軽食として大ヒットしたと聞かされました。
パンが焼けたらバターを塗って醤油をかけます。順序を間違えると醤油がパンに染み込んで美味くないですヨ
さてさて、調べてみますと、神田の喫茶店で「元祖海苔トースト」を出してくれる喫茶店があるそうです。この店の海苔トーストは海苔サンドというような形状で、とても安くて美味しく、ファンも多いそうです。
又、赤坂にも海苔トーストを出してくれる喫茶店があるそうです。
こちらは棒状に切ったトーストに七味を振って海苔を巻いたものだそうです。
で・・・真似して作ってみました。
耳を落としてトーストにしてから、バターを塗り、4本に切って、醤油をまぶした海苔で巻く・・・・・なんとも食べやすいです。
なんでも昭和14~5年頃、赤坂の芸者衆が手も口も汚さずにポンと食べられるようなパンを考えて出来上がったそうです。信憑性のある話です。
私どもの店のある四谷大木戸も昔は料亭が多く、芸者衆も沢山いました。
ですので、芸者さんたちの為に・・・・と言うのは共通しているのかもしれません。
ちょっと、話が横道にそれますが、私の子供の頃もまだ芸者さん達は居られまして、なにやらお年玉を沢山貰った覚えがあります。
小学生だった私は、大人でも買うのが大変だった4チャンネルステレオが欲しくて、芸者さんたちから頂いたお年玉を何年も貯めて、買おうと思っていたのですが、ようやっと中学生になり、愈々買うぞと思ったとき、オイルショックが来て、小学生が何年もかかって貯めたお年玉は、その価値が半分以下くらいになってしまいましたトーゼン、ステレオは買えませんでした。・・・・以来、私は貯金とか年金とか信じなくなりました。
話を戻して・・・どうも芸者衆・花町・喫茶店・軽食・海苔トーストというような図式が見えてきました。
もう芸者さんたちも居なくなってしまった四谷大木戸ですが・・・・あの鬢の油の香りを思い出します。
そんな訳で、今では思い出の中だけの御姐さん達の為に、御姐さん達が食べやすくて、ちょっと洒落てる感じの海苔トーストを作ってみました。
まるでパンの海苔巻き・・・あまり洒落てないカナ?
耳を落としてトーストした8枚切りのパンにバターを塗り、半分に切ってロール状に巻いてから、醤油をまぶした海苔をキッチリ巻きつけ出来上がり。
これ、出来てからちょっと時間を置いて、海苔がピチッとしてからもう半分に切ってもよかったかな?
私もそういえばそうかもしれないな~・・・と、説得されました
その後、先生は近頃の料理人に怒っておられると仰いました。
兎に角近頃の料理は味がくどい、なんでもかんでもドサッと入れるような味つけで、これは料理人が悪い!・・と、言うようなことを仰っておられました。
ま、私も服部先生に怒られちゃうようなダメ料理人の一人なわけでありますが・・・先生の仰る通り!私もそう思います。
近頃の料理は、味が濃いと言うのではなく、味がくどいとでも言いましょうか、つけすぎた香水みたいな料理が近頃の流行であります。
刺激がないと美味くないというような流行でしょうか?ラーメンの流行なんかを見てますと、その傾向が判りますね。
多分、出汁とかスープを取るのに、昔のような苦労があまり無くなって、家庭でなんでもインスタントで作れるようになったので、家庭で食べるものと選別するために味を濃くしたからではないでしょうか?
本当は、プロなら、さっぱりとして奥深い味を目指していくものなのかもしれません。
なんにせよ、料理を作るときは少し苦労する方が良いのかもしれませんね。
さてさて、もう一方の8歳まで云々と言うお話です。
洋菓子のアマンドのリングシュークリームであります。
このアマンド・・・四谷四丁目で50年ほど自社工場として洋菓子を生産しておられましたが、本年6月30日をもって生産部門を閉じることになったそうです。
私が10歳にも満たない子供の頃からあったお菓子工場が閉鎖されてしまと言うのは・・とても哀しいことであります。
昔々、舟木一夫さんと内藤洋子さんお「君に幸せを センチメンタルボーイ」と言う映画がありまして、舟木さんが田舎から出てきたお菓子職人の見習いの役で、この工場でロケをしていたことを思い出します。
舟木さんが2階の窓からサクランボを落として内藤洋子さんが口で受け止めるという他愛ないシーンを、出来るまで何十回も撮り直しをしていました。
あの映画、DVDになっているかな?
子供の頃の味が、一つ消えていきました。
もう一つの子供の頃の味の記憶。
またもや亡くなった祖母の話であります。
私が子供の頃、料理下手な祖母が良く作ってくれたものに、海苔トーストと言うのがありました。
昭和40年代にバタートーストに海苔の佃煮を塗ったものを桃屋さんがテレビCMで流してましたが、これとは違います。違いますが、この佃煮トーストも美味しかった
この海苔トーストはトーストした食パンに醤油をかけて海苔を載せて、のりがシットリとしてきた頃合で食べる・・・これが美味しい。
さて、この海苔トーストでありますが、先ずは祖母から聞いた話を書きましょう。
なんでも昭和の初期に、大木戸、今の新宿・四谷の四丁目、つまり祖母が始めた店があるところであり、今は私の家族が継いでいる場所でありますところの四谷・大木戸で発売されたのが最初で、すぐさま東京中で大流行したと言う話でありました。
いろいろと調べましたが、海苔トーストが四谷発祥と言う話しは出て来ませんでした。
名古屋発祥説というのもあるらしいです。
さて、作り方は先に書いたとおりで、舶来の香りがする日本の軽食として大ヒットしたと聞かされました。
パンが焼けたらバターを塗って醤油をかけます。順序を間違えると醤油がパンに染み込んで美味くないですヨ
さてさて、調べてみますと、神田の喫茶店で「元祖海苔トースト」を出してくれる喫茶店があるそうです。この店の海苔トーストは海苔サンドというような形状で、とても安くて美味しく、ファンも多いそうです。
又、赤坂にも海苔トーストを出してくれる喫茶店があるそうです。
こちらは棒状に切ったトーストに七味を振って海苔を巻いたものだそうです。
で・・・真似して作ってみました。
耳を落としてトーストにしてから、バターを塗り、4本に切って、醤油をまぶした海苔で巻く・・・・・なんとも食べやすいです。
なんでも昭和14~5年頃、赤坂の芸者衆が手も口も汚さずにポンと食べられるようなパンを考えて出来上がったそうです。信憑性のある話です。
私どもの店のある四谷大木戸も昔は料亭が多く、芸者衆も沢山いました。
ですので、芸者さんたちの為に・・・・と言うのは共通しているのかもしれません。
ちょっと、話が横道にそれますが、私の子供の頃もまだ芸者さん達は居られまして、なにやらお年玉を沢山貰った覚えがあります。
小学生だった私は、大人でも買うのが大変だった4チャンネルステレオが欲しくて、芸者さんたちから頂いたお年玉を何年も貯めて、買おうと思っていたのですが、ようやっと中学生になり、愈々買うぞと思ったとき、オイルショックが来て、小学生が何年もかかって貯めたお年玉は、その価値が半分以下くらいになってしまいましたトーゼン、ステレオは買えませんでした。・・・・以来、私は貯金とか年金とか信じなくなりました。
話を戻して・・・どうも芸者衆・花町・喫茶店・軽食・海苔トーストというような図式が見えてきました。
もう芸者さんたちも居なくなってしまった四谷大木戸ですが・・・・あの鬢の油の香りを思い出します。
そんな訳で、今では思い出の中だけの御姐さん達の為に、御姐さん達が食べやすくて、ちょっと洒落てる感じの海苔トーストを作ってみました。
まるでパンの海苔巻き・・・あまり洒落てないカナ?
耳を落としてトーストした8枚切りのパンにバターを塗り、半分に切ってロール状に巻いてから、醤油をまぶした海苔をキッチリ巻きつけ出来上がり。
これ、出来てからちょっと時間を置いて、海苔がピチッとしてからもう半分に切ってもよかったかな?