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ワイロより悪質 甘利大臣がTPP交渉で見せた“売国的妥協”

2016年01月26日 12時36分43秒 | Twitter
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譲歩を繰り返した(C)AP

 1200万円ワイロ疑惑で、辞任へ一直線の甘利経再相だが、疑惑はまだある。立役者などとおだてられているTPP交渉の方である。ここでも国民の信頼を完全に裏切り、しかし、嘘をついてスットボケていたことが判明。改めて、その下劣な品性が問われている。

 1200万円ワイロを報じた「週刊文春」が発売になる2日前、TPP問題を追い続ける山田正彦・元農水大臣(弁護士)が甘利大臣の“売国奴的交渉”を暴露した。根拠になっているのは政府文書だ。

「TPP大筋合意で安倍首相は『コメは守られた』と説明してきましたが、(大筋合意内容を説明する)政府の概要書を見ると、『関税の撤廃(第2、4条)』の項目に『(コメを含む農産品は)漸進的に関税を撤廃』と書いてあった。『関税は撤廃されなかった』という安倍政権の説明は合意内容と明らかに違う。農民はだまされたのです」(山田正彦氏)

 山田氏が英語の原文に当たると、「progressively eliminate its customs duties」という文言があった。progressivelyは「漸進的」で、eliminateが「撤廃」だ。これを見たとき、山田氏は思い当たることがあったという。

「2012年1月にアメリカに行ってTPP現地調査をした時、USTR(米国通商代表部)は、概要書の内容と同じことを言っていたんです。つまり、『関税は撤廃する。コメも例外はない』と断言していたのです」(山田氏)

 山田氏が話した相手はカトラー次官補だ。カトラー氏は「TPPは高いレベルで包括的、基本的にはすべての物品やサービスを交渉のテーブルに乗せる」という原則論を繰り返した。それに対し、山田氏らは「テーブルに乗せるけれども、交渉で議論をした結果、外れる余地があるのか」と質問したところ、「それはない」と言われたという。

 結局、アメリカの姿勢は4年前から全く変わらなかったことになる。甘利大臣は譲歩に次ぐ譲歩を繰り返しただけのことだ。

「さらにTPPの文書を調べていくと、『7年後に再協議(再交渉)に応じなければならない』ことも記されていた。再交渉を踏まえてコメを含む全ての農産物の関税が撤廃される可能性が高いのです」

 関税撤廃の時期を山田氏は「30年後」と推測する。

「アメリカ現地調査で、自動車業界や農業関係の幹部と会いましたが、『コメと自動車はセット』と言っていた。自動車の関税撤廃が30年後なので、恐らく同じ時期にコメの関税も撤廃されるとみています」

「食の安全」に関わる「遺伝子組み換え食品の表示」についても、政府の説明と公表文書(概要書)の間には大きなギャップがある。

「政府は『遺伝子組み換え食品の表示は撤廃されない』と説明していますが、表示が認められていたのは『有機農産物』だけでした。裏返して言えば、『有機農産物以外の表示は認められない』ことになる」(山田氏)

 甘利大臣という政治家、何から何まで信用できない男である。