日本庭園と社寺建築

日本庭園の魅力と巧みの建築を紹介

正傳寺

2011-10-04 | 正傳字

五山送り火の舟山の山腹、西賀茂のひっそりとした地にある正伝寺。鎌倉時代に来朝された宋の兀菴普寧禅師(ゴツアンフネイゼンシ)の法を継がれた東巖慧安禅師(トウガンエアンゼンシ)が創立。現在の本堂は承応2(1652)年に伏見城から移築されたものである。

正傳寺は血天井でも有名。関ヶ原の戦い、家康の忠臣・鳥居元忠の居城である伏見城の攻撃で鳥居軍は篭城するも落城、城内は凄惨な血の海となった。


本堂内部の天井には、伏見桃山城遺構の鳥居元忠一党が自刃したときの血痕が残り、血天井といわれています。
正伝寺の他にも、鷹ヶ峰の麓にある源光庵、三十三間堂の近くにある養源院、大原の宝泉院、宇治の興聖寺にあり、血の手形や足跡などを今にとどめている。






訪れる人も少なく、美しい枯山水を前に、落ち着いた雰囲気が漂う。創建の禅師はこう詠んだ。「末の世の すへの末まで 我国は よろずの国に すぐれたる国」。庭の向こうに雄大にそびえる比叡山を眺めながら、彼等が必死の思いで守り抜いたこの国の素晴らしい景色に、心を動かされる