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きらり

ありふれた日常 part35(Japonism 暁)

2016-09-01 20:47:00 | 山コンビ ありふれた日常








『心にも あらうでき世に ながらへば 恋しかるべき 夜半の月かな』








その曲は、百人一首の言葉も引用されている


日本語の美しい響きがとても印象的な曲だった。





言葉の響きが美しい歌詞とそしてその綺麗なメロディ。


そして、それにその人ののびやかで美しい歌声が重なって


聴くものを魅了する。





その『暁』という美しい曲を


その人がどう表現し、どう魅せてくれるのか


ずっと楽しみにしていた。









『暁』




傘を持ったその人が現れる。





そして





その傘を振りかざすと


一瞬にしてお面をかぶった姿となり


そこは異空間へと変わった。






コンサート会場という事を忘れる、それは別世界。


息をのむ。言葉ではとても表現できない。





5万人を超える観客がペンライトを持っていることさえ忘れ


静寂の中、その世界に入り込んでいく。


まるで異次元の中の世界に迷い込んだかのような


そんな空間に、息をすることさえ忘れ見つめる。






お面をしている智くんはもう智くんであって智くんでない。


白い着物を着てお面を外していく動作は神がかっていて


まるで誰かがのりうつって支配しているかのようだ。





お面は次々と流れるように可憐で美しく


見事な動きで外されていく。





そして最後のお面が外れた時。


凛とした佇まいの智くんが現れた。





それと同時に、時が現在に一瞬にして戻ったような気がした。







智くんが振り付けをした『暁』は
バックで踊るジュニアの踊りまですべて計算しつくされていて
まるでその曲がその踊りのためにあるかのようだ。
その美しい言葉と動きの表現が見事にまでに合っている。


流れるような動きはとても可憐で美しく
その美しい歌声とともに魅せられそして引き込まれ
その世界へと入り込んでいく。


なんて凄い人なのだろう。
一つ一つの動きが言葉一つ一つにあっているのに
流れるような動きで一切の無駄がない。


そして高音でのびやかなその歌声。
その姿を見つめながらこの人はどこまで
進化し続けていくのだろうと思った。


その踊りは伝統古来の動きをアレンジしているのか
今までにないダンスで観客を魅了する。
そしてあれだけ動いているにも拘らず
息一つ乱さず情感込めて歌い上げる。








美しい動き。


優雅で流れるような動きは手の先足の先まで
神経が行き届いていてとても綺麗だ。


綺麗でしなやかなそのダンス。


柔と剛
儚さと強さ
繊細さと大胆さ。
本当にこの人は天才だと思う。


ステージというものを知っていて
そして観客の目というものをわかっている。
計算しつくされたその踊り、そして舞台。


一つの曲が一つのストーリーの様に
言葉とダンスと歌で智くんによって表現されていく。


にのが以前コンサート中に俺らは前座と、
そう自虐的に言ってたけど
ニノにとってもそう言いたくなるほど
智くんはやっぱり別格だったのだろうと思う。


考えられないような美しく圧倒的なパフォーマンスは
何度見ても魅了されそして見るたびに溜息しか出てこない。










「また見てんの?」 

「え?」

シャワーからあがってきた智くんが
頭をふきながらそう言って呆れたように
ふふっと笑うとソファの隣に座った。


「コンサートでも見てたでしょ?
よくそんなに同じもの見て飽きないね?」


バレていたか。


確かにリハの時もコンサート中も舞台の片隅から
ずっと飽きることなくその姿を見ていた。


でもどれだけ見ても飽きない。
何度見ても見飽きる事なんてない。
何度だってずっと見ていたい。


「だって凄過ぎるんだもん」

「え~?」

「智くんって一体どこまで進化するの?」

「進化って」


信じられない思いでそう言うと
智くんは意味わかんないって顔をして
くすくすと笑った。








「毎回毎回すげえなって思いながら見てるけど
いつもそれを上回ってくるよね?」

「ん~そうかな?」


あまりそういうことに自覚がない智くんは
そう言って不思議そうな顔をする。


「特に今回はそう。だから智くんも一緒に見よ?」

「だからって意味わかんないんですけど。それより翔くんの見ようよ?」

「え 俺の?」


その言葉に思わず聞き返す。


「そう。俺、あの翔くんのダークぽい感じが好きなんだよねぇかっこいいし」

「ダークっぽいって」

「翔くんぽいでしょ?」


その思いがけない言葉に軽くショックを受けながらも
そう言うと智くんは無邪気な顔でクスクスと笑った。


「俺って、ダークなイメージ?」

「んふふっ冗談だよ。でもこの翔くんの影がありそうな感じも曲調も好き」


そう言って可愛らしい顔で、んふふと笑った。
ふわふわした可愛らしい顔でふにゃっと笑うその顔は
あの時の凛とした表情とは全然違う。


このギャップが信じられないんだよねと思いながら
その顔を見つめた。






でも知らないでしょ?
どれだけ凄いパフォーマンスをしているか。
どれだけの人を魅了し離さないか。
そしてそんな智くんと同じメンバーでいられるということを
誇らしく嬉しく思っているか。


「……?」


そんな事を思いながら智くんを見つめると
智くんがどうしたのって顔をして見た。


「暁、見せてくれてありがとうね」

「へ?」

「智くんが凄い人なんだってまた再確認しちゃった」

「……?」


そういうと智くんはきょとんとした顔をする。
あれだけのステージを魅せておきながら
やっぱり本人には全く自覚がないらしい。


「それに、さ。やっぱり智くんのこと好きだって思った」

「……う ん?」


進化し続けるその姿も
その圧倒的なパフォーマンスも
透き通るような歌声もダンスも全部が好きだ。


「好き」

「うん、ありがと」


だからやっぱり好きだと伝えたくてそう言うと
智くんはありがとと照れくさそうに笑った。







「ずっと、そばにいてね?」

「ふふっ翔くんがそんな事言うの珍しいね?」

「うん、何だかあまりにも智くんが神がかっていたのをみたせいかな?」

「んふふっ変なの」


そのままどこか遠くへふわりと飛んで行ってしまいそうな気がして
思わずそう智くんに向かってつぶやいた。


「好き」

「さっき聞いたよ?」


何度でも伝えたくてそう言うと
智くんは可愛らしく、んふふっと笑う。


「ずっとそばにいてね」

「それも聞いたよ?」


そうやっぱりまた智くんに伝えたくてつぶやくと
智くんはそう言っておかしそうにくすくす笑う。


でも。









「俺、変だよね?」

「まあ、ね。けどそんな翔くんも嫌いじゃないよ」


尊敬と羨望でもう他が見えなくなりそうだ。
どれだけの人のステージを見ても
どれだけの素晴らしい舞台を見ても
自身の中で智くんのステージを超えるものはない気がする。


どんなに有名で素晴らしい舞台を見ても
これほどまでに心を揺さぶられ惹きつけられる舞台は
ない気がする。


でもそれは


ずっと一緒にやってきたメンバーのステージだから?
いつも苦楽を共にし一緒に過ごしてきた人の舞台だから?
それともやっぱり智くんという人が凄すぎるせい?


自分の中でとても答えは見つけられない。








何だか智くんが遠くに行ってしまいそうな気がして
その身体をぎゅっと抱きしめた。


智くんは嫌がることなくそのまま抱き締められたままでいる。
だからその華奢な身体を思いっきり力強く抱きしめた。


「ずっと一緒にやっていこうね?」

「ふふっ当たり前でしょ?」


抱きしめたままそうつぶやくと智くんは
ふふっと笑いながら当たり前でしょと答える。


「やっぱ俺、今日おかしいかも…」

「……」


その智くんが魅せるステージに圧倒されていた。
それと同時に何だか漠然と不安を感じていた。








「……?」


そんな不安が伝わったのか智くんが
無言のままじっと見つめてくる。
そして無言で見つめたまま智くんの腕がゆっくりと
自分の顔へと伸びてきた。
そして優しく智くんの手が頬を包み込んだ。


「ずっと一緒にやっていくよ」


智くんは見つめたままそう言ってふッと笑った。
そしてゆっくりと顔を近づけてくる。


そして唇に唇をゆっくりと重ねた。
柔らかくて暖かいぬくもり。
智くんの唇だと思った。


そしてゆっくりと唇が離れると


「当たり前でしょ?」


と、そう言って妖艶に微笑んだ。


そして今度は角度を変え口を緩く開き
今度は深いキスをしてくる。


もう何も考えられない。


何度も角度を変え深いキスをしてくる。
その動きにただ無我夢中でついていく。
不安も悩みも何もかもが吹っ飛んでいく。








そして。


ようやく唇が離れると


「俺が翔くんから離れられっこなんてないでしょ」


と、そう言ってまたふふっと妖艶に微笑んだ。


そして


今度は身体全体に体重をかけてきて押し倒される。






そして押し倒された状態のまま、上を見上げると


智くんの美しい顔があって視線が合うとふふっと笑う。







そして


今度は上からゆっくりとその整った小さな唇が降りてきて


ふっと微笑んだかと思うと


ちゅっと優しいキスをした。








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16 コメント

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やっぱり素敵です。 (白紙)
2016-09-02 01:05:53
 お留守番組なのでBlu-rayが出て、初めてちゃんと見られました。冒頭のアニメにも驚いたけど、やっぱり大野さんのソロが素晴らしくて。最初に曲を選んだときにここまでイメージしていたのでしょうか?噂の京都時代も含めた大野さんの芸歴が身になっているんだなぁと、今更ながら尊敬してしまいした。
 そして、やっぱりきらりさんの文章が素敵です。書いてくださって本当によかった。翔さんが一途で優しくて。読んでいて、リアルにそう思っていそうで。おおのさんのソロ、ほかのメンバーは間近で観られて羨ましいけど、みんなそれぞれ素晴らしい舞台でした。翔さんはソロもよかったけど、In The Room の時、より一層ダークで格好良かったです。なんだかキリがないのでこのあたりで。きらりさんありがとうございます。いつも楽しみにしています。それではまた。
返信する
白紙さんへ (きらり)
2016-09-02 19:34:49
白紙さん、コメントありがとうございます。

本当に素敵ですよね。
最初に曲を聞いた時よりもあの舞台を見た後の方が
暁という曲の素晴らしさをより強く感じ大好きになった気がします。
おっしゃられる通りずっと京都、そしてテンセイの舞台と考えられないくらい大変な思いをしてきたからこその
ものもある気がします。
でもやっぱりあそこまでの舞台に仕上げてしまうなんて凄い人ですよね。
文章が素敵と言って下さって嬉しいです。
ファンブログ出身なのでこういう話の方が(私の中では)
比較的書きやすいというか得意というかなんというか
なので凄く嬉しいです。
そしてリアルにそう思ってそうというのは本当に最高に嬉しい言葉です。
それぞれのソロも凄く凝っていて素敵でしたね。
翔さんはビジュアルが本当に格好良くて惚れ惚れしました。ダークな感じいいですよね。
こちらこそいつも本当にありがとうございます。
そしていつも楽しみにしていると言って下さって嬉しいです。ありがとうございました♪
返信する
ありがとうございます♪♪♪ (古古古ちゃん)
2016-09-02 22:25:34
「暁」本当に圧巻のステージで。

今までのソロもモチロン素敵で引き込まれたけど、またさらに上を行く表現力!
きらりさんがお話の中で書いてくださったことに、激しく同感!!でした。

雰囲気かなぁ。
カメラアングルも良かったのかなぁ。
ほんとに何度見ても飽きないんですよねぇ。

翔さんのソロも、少しくすんだ、赤黒いスーツがよく似合ってて、眼力でヤられる感じでしたね。

2人には、ずっと、一緒にいて欲しいです。
返信する
古古古ちゃんさんへ (きらり)
2016-09-03 18:08:42
古古古ちゃんさん、こちらこそコメントありがとうございます♪

本当に暁は凄いステージでしたよね。
私の書いたことに激しく同意だなんてすごーく嬉しいです。
雰囲気もそうですよね。
何でしょう、迫力、気迫にただならぬものを感じたせいでしょうか。
カメラアングルは残念な時は本当に残念ですけど今回は最高でしたね。
本当に何度見ても飽きません。

翔さんはビジュアルが本当に良くて恰好いいですよね。
シュッとした綺麗な顔立ちにあの雰囲気。ヤられてしまいますよね。
全然違う二人だけど、ずっとこのまま一緒にいて欲しいですよね。
ありがとうございました♪
返信する
ありがとうー♪ (MOZU)
2016-09-03 19:04:59
きらりさん、お話のUPどうもありがとうございました。ヽ( ̄▽ ̄)ノ
「読みたい」って伝えて良かったーぁ。

翔さんの言葉になった、きらりさんの『暁』の感想が、とても分かりやすくて。
映像を観る熱量がハンパ無いのが伝わりますw。
ホントに素晴らしい演目でしたよね。
マスクと歌とダンス(というよりは舞う感じ)。
引き込まれる世界観。
彼の表現する力は圧倒的で、本当に観ている会場全体が息をつめて見入り、暁が終わった後、一つ間を置いてあのドーム全体が息を吹き返すどわーとした轟きが、凄さを物語っていました。
智さん、どこまで進化するのか…。
これからも、付いて行くしかないですね。

きらりさん、ここはお話しか載せないと、決めてらっしゃるのでしょうか?
ファンブログみたいになる…と、少し気にされてるようにお見受けしましたので。
ワタシは、そんな記事が有っても良いように思いますが、さてさて(笑)。

これからも、いつもいつでも何かUPされてないかな~と、覗きに来ますので‼
お話でも何でも、楽しみにしてますねー!
では、また!
返信する
MOZUさんへ (きらり)
2016-09-04 18:17:11
MOZUさん、こちらこそコメントありがとうございます♪

読みたいと伝えてくださったおかげです~ありがとうございます。
感想が分かりやすいと言って下さって嬉しいです。
本当に素晴らしかったですね。本当にあれはダンスというより舞いですよね。
凄い表現力。あれだけの人を引き付けて離さない空気。
本当に凄い人ですよね。会場の空気が物語っていましたね。
これから智さんはどこまで進化していくんでしょうね。
はい、もうついていくしかありません。

ここのブログに関してはどうなんでしょう。
見に来て下さる方がお話を楽しみにしてきてくださっているのかなぁと漠然と思っていたので
お話しじゃないと、せっかくきたのに(UPされているのに)と
がっかりされてしまうかなと思っていたのです。
とは言ってもノンリアルの話はほぼファンブログのようなものなのですが。
でもそんな記事があってもとのお言葉嬉しかったです。
気持ちが溢れちゃうと書きたくなるんですよね。
なのでお話でも何でもと言って下さって本当に嬉しかったです。
そして覗きに来て下さると、そして楽しみしにしていると言って下さって嬉しいです。
ありがとうございました♪
返信する
素敵です! (智の心)
2016-09-04 21:17:55
きらりさま、こんばんは。
映像もさることながら、『暁』を書きたいと伝えてくださったきらりさまの想いがジーンと感じられました。しょう君とさとし君の会話も雰囲気がよくて…イチャイチャではないのに甘くて。読ませていただいて本当にありがとうございました。
暁はさとし君の伸びやかな歌声と舞う姿が圧巻ですよね。しょう君は纏うオーラに引き込まれました。きらりさまの紡ぐ言葉によって更に大好きになりました。
これからも、やまのお話やきらりさまのつぶやきなどブログを拝読させていただけたらと思います。
返信する
智の心さんへ (きらり)
2016-09-05 18:09:12
智の心さま、こんばんは。コメントありがとうございます。
『暁』を見た瞬間、あまりにも素晴らしくて書きたいと思ったのですが、
はて?読んで下さる方は読みたいと思うのだろうかとちょっと考えてしまった部分があったので
私の想いがジーンと感じられたと言って下さって嬉しかったです。
本当に歌声と舞う姿が素晴らしかったですね。
翔くんは何だか色気が溢れてて凄くかっこよかったですよね。
二人の会話の雰囲気が良いと言って下さって嬉しいです。
私の言葉で更に大好きだなんて。そんな私にはもったいない言葉ですけど凄く嬉しいです。
そしてこれからも読んで下さるとのこと。ありがとうございます。
これからもずっと、やまでいきます♪ありがとうございました♪
返信する
ありがとうございました (まぁさん)
2016-09-09 09:33:52
きらりさん、こんにちは〜。
お話を書いてくださって、ありがとうございました。
実は、前回コメントを2回送ってしまいました。
PCに相当疎くて、送信出来たかわからずそのようなことに(笑)
すみませんでした。
きらりさんの描く、翔さんと智くんがとても好きで、その思いが溢れちゃいました。

暁 素敵ですよね。
もう、言葉に出来ないくらい。
それを踏まえての2人の会話が雰囲気がとても甘くて優しくて、読んでいて癒されました。

書いてくださってありがとうございました。
返信する
まぁさんさんへ (きらり)
2016-09-09 20:05:22
まぁさんさん、こんばんは~。
こちらこそコメントありがとうございます。

ああっやっぱりそうだったのですね。
どうかなぁと思ったのですが私の方こそパソコン疎くてわからなくて…すみません。
でも私の描く二人がとても好きだと言って下さって、しかも思いが溢れてだなんて嬉しいです。

暁、本当に素敵でした。
毎年コンサートで新たなものを生み出していくことって
本当に大変だと思うのですが
進化し続けていますよね~。
以前翔くんが舞台の片隅からいつも智さんの舞台を見ていると
言っていたので今回もそうだろうなと思ったんですよね。
読んで癒されたと言って下さって嬉しいです。
私の方こそありがとうございました♪
返信する

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