雨がだだーーっと降った翌日は草がガガッツ!っと伸びる。
この時期草と一緒に思わず刈ってしまうスズランが咲いた。
ホッタラカシのたった一輪の赤いチューリップが今年も咲いた。
雨にザンザン当たった花びらをだらりとさせながらも気高い。
去年の名残りの茶色の棒と化したイタドリが、若葉を茂らせる。
茶一色だった道端が一晩で緑の森に代わった。
最近、朝一番の空気がすっきりと透明で清浄感のあるものに変わったような気がする。。。
週末はTちゃんに誘われて、久しぶりに富良野の北海道風景画館に行く。
Tちゃんの車で9時に長沼を出て昼前に到着。途中の新緑がまぶしく北海道が一番輝く季節を実感する。
昭和24年に建てられたという、旧奈江小学校の建物をほぼそのまま使って奥田修一氏の風景画が展示されている。
【庭で作業しています】と玄関入り口に木の札が立てかけてあり、向こうで草刈りをしている奥田さんの姿が見えた。
「おはようございます」と声をかけると奥田さんが駈けてきて玄関を開けて中に招いてくれた。今回も独占状態。
今日の目的はTちゃんが奥田さんの以前のホームページで[金継ぎ]を引き受けてくれるという記事を頼りに
縁が2箇所欠けてしまったお気に入りの鉢をダメモトで頼みに来たのだ。
その話に便乗してわたしも2個のお気に入りのコーヒーカップを奥田さんが継いでくれるのならと持ってきた
「いやー、金継ぎはスペインの家内の仕事なんです。」 まあ!奥さまと娘さんはスペイン在住でしたか。
「年に1度は家内が来たりわたしがスペインに行くので、その時に持って行けたら良いのですが、今年はどうか?」
そんな事情なのでと断られるかと思ったら、「自分の荷物を送るときに一緒に入れましょう」と言ってくれる。
「家内は妥協しないタイプなので下塗りも本漆を使って丁寧に仕上げます。日にちもかかり値段も安くないです。」
そして、私の取っ手の取れたカップと縁がほんの少し欠けてしまったカップをしばらく眺めて、Tちゃんの鉢は
銀で継ぐ方が映えると思うからと、3点でなんとか私達の予算内の2万円で奥さんに交渉してくれるというのだ。
日本の職人さんに頼んだとしてももっと高いだろう、ましてやスペインまでの送料を考えたなら、、、、
しかし、今風が吹いた。この風に乗ってどこまでいくのか、、行けるところまで行ってみたいと思う。
「外人はものすごく頑固で、私の言うことなど聞かないのですよ。でも交渉してみますから」何度も断言してくれる。
「いえいえ、ガイジンさんに限らず、妻は夫の言うことをほとんど聞いていません」と言ったら笑われた。
父を知らない私が、ここに来れば父に会えると感じるのはどんな魂の巡りの中にいるのだろうか。。。。。。
恐る恐る、注意深く、全身をアンテナにして少しづつ父に近づこ うとする少女の背中をそっと押す。
十勝岳を望む
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