建築士だからわかる〇〇教えます

ベイクアウトって聞いたことありますか??


室内の化学物質のニオイが気になる際に、その対策としてよく言われる方法のひとつに【ベイクアウト】という方法があります。

できましたら室温を35℃~40℃程度にあげたいですので、春から夏の暑い時期に暖房器具を利用して室温をあげる方法などが考えられます。
ですので冬場などは室温があまり上がりませんのであまり効果が期待できません。


■しかしベイクアウト気をつけたい点があります。
まずベイクアウトした際には室内の化学物質濃度が高くなっておりますので、換気のために室内に入った際に被曝してしまう恐れがあります。

もうひとつは室内の建具や家具が歪んでしまったり、壁や天井などの内装材がはがれてしまったりする恐れもあります。高温にすることによって建材が劣化してしまう恐れがあります。

加えて、揮発性の高い物質を放出する効果は期待できますが、揮発性の低い物質にはあまり効果が期待できません。

重複しますが、落とし穴としまして、建材の表面が劣化することで建材の奥の成分が室内に放出されてしまい、新たな原因を生じさせてしまう可能性もあります。

ですので、本来は新築時に人工的な化学物質を含まない建材で構造から下地、仕上げまでつくることが大切です。
リフォームにも限界がありますがある程度空気質の改善は期待できます。
リフォームもできない状況で、簡易的に人工的な化学物質をなんとかしたい場合の最後の手段として私はベイクアウトを位置づけています。
また特殊な水を噴霧してベイクアウトと同様の効果を期待する方法もありますが、眼に見えない化学物質、またどのようなつくり方をしたかわからない既存のお家でどの程度の効果が期待できるかはわかりません。

また上記にも書きましたが建具や家具の歪み、内装材の剥がれや劣化だけでなく、室内の布製品への吸着、電化製品が壊れる場合などもありますので、布製品や大切な電化製品はベイクアウト前に搬出しておきましょう。

また多湿の状況の方がより放出するという専門家もおります。60%以上の多湿にすることで効果がより期待できる可能性があるようです。

ベイクアウト中は窓などは閉め切りますが、室内をサーキュレータなどで空気を循環させましょう。

熱源に開放型の石油ストーブなどを使用する場合は、火災の問題だけでなく、一酸化炭素を発生させ不完全燃焼により、より室内を汚染させてしまう可能性もありますので注意しましょう。

また冬場などは窓、窓廻りだけでなく、壁内結露の問題もありますことは注意が必要です。

時間は6時間~8時間程度、高温(35℃~40℃)の状態にし、終了後は1時間程度換気を行いましょう。繰り返しますが窓を開けに室内に入る際は、高濃度の化学物質が室内に充満している可能性もありますので被曝する恐れがあります。この点は重々注意しましょう。

1回では効果は薄いために、4~5回繰り返すとよいと言われています。

しかし繰り返しますが、表面の劣化により、壁や天井、床の内部から新たな化学物質が放出されてしまうこともありますことは頭に入れておく必要があります。

本来は人工的な化学物質を使わないお家に建て替えることが一番の理想ですが、費用面、家を建て替えている間の住む場所など様々な課題もあります。

ぜひ新築、建替えの際は、後悔しない家づくりをしてください。

ひと・すまい・くらし一級建築士事務所

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ひと・すまい・くらし研究所

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