![]() | アンジェリク (1) 木原 敏江 秋田書店 1995-05 by G-Tools |
「むかし、乙女がおりました。」
そんな一文で終わる、ひとりの乙女の物語。
原作は読んだことは無いのですが、漫画の方は、それとはだいぶんかけ離れているようです。
かわいらしくたくましい、野の花のような少女・アンジェリク。
生命の輝きに溢れた美しい彼女を、誰もが愛さずにはいられない。
最愛の夫と引き離され、運命に翻弄され、それでも希望を失わず、笑顔を忘れないアンジェリク。
彼女のいとこ、白皙の貴公子・フィリップは、人形のように冷たい美貌で、なににも誰にも動かされない氷のような態度で、でも心はアンジェリクただひとりを熱く熱く愛していて。
時の王・ルイ14世への忠誠と、彼女への愛に引き裂かれる・・。
フィリップが、愛しくて、哀しくて、切なくて。
あまりにきれいだから、純粋すぎるから、きっとこの世では生きていかれなかった。
そんなふうに思えてなりません。
以前に読んだときにも泣いたけれど、読み返しても涙、涙。