「少し古くなりましたが、今月の八丁堀の風」
今年のお盆は如何お過ごしだったでしょうか。空けない梅雨、豪雨、そして地震による東名高速の陥没など、計画の変更を余儀なくされた方も多いのではないでしょうか。
さて私は定額給付金が支給されて、分配をめぐって奥様と遅めの春闘をやって、やっと12,000円を勝ち取ることが出来ました。大切な資金を何に使うか悩んだ挙句、前から欲しかった自転車、それも折りたたみを買うことにしました。YAHOOのオークションを調べて新品18段変速付26インチをジャスト12,000円で落札しました。数日後大きなダンボール箱が到着。子ども時代のクリスマスプレゼントを開ける瞬間のワクワクした心境でした。
組み立ててみれば、意外に大きく、やっと足が届くほど。嬉しくて近所を走ってみましたが、さて冷静になって考えてみれば、この自転車の使い道が決まっていません。
ネットで「自転車、旅」を検索すると、出るわ出るわ、世の中にこんなにたくさんの老若男女が日本国中自転車の旅をしているとは驚きました。その記事を参考にしながら思いに耽っていました。
さてどこに行こう・・・。昨年夜行バスで行った青森に、今年はねぶたを観てから秋田の竿灯、そして仙台の七夕まで東北三大祭を自転車でめぐっては・・・。調べてみれば往復1000キロを超えることが分かり、こりゃ無理。では茨城の大洗からフェリーに乗って北海道の苫小牧に行き、そこで梅雨のない北海道を満喫するプランなど楽しく空想していました。結局体力と痛風発作騒ぎで断念、いや「断念」ではなく普通に「無理」と分かりました。
ところが先週60歳になられる会社の先輩が、お越しになりました。30数年前、私が入社したときの独身寮の寮長をされて、いろいろご迷惑をおかけした方です。この方は山登りが趣味で日本中の山を駆け巡っています。定年の記念に奥様と屋久杉を見に屋久島に行かれ山小屋で一泊されるほどの山好きです。挨拶代わりに「夏休みどうされます」と聞いてみました。山の計画を話されると思っていましたが、なんと「今年の夏休みは、茨城県の大洗からフェリーに自転車を積んで苫小牧に下りて、それから・・・」「なになに!それから・・」「一泊目だけ宿を決めて後はテントで寝ながら、襟裳岬を目指して、帯広に。そして調子がよければ・・・・まで。」と、冒険家が出発するときのように輝いた目で計画を教えてくれました。
なんと私の空想をこの先輩は実行しようとしていました。本当に16日北海道の大地に向け出発されました。昨日天気予報を見ていましたら、北海道は雨模様。少々心配して「自転車旅行は如何ですか。天気予報では雨みたいですが・・・・・。」とメールしてみました。しばらくして返信がありました。
「ありがとう。今、どしゃ降りの中。面白いぞ!」
いやあ、やられましたね。これを見て私は痛風発作が出て弱気になっていましたが、来週誘われていた富士山への登頂に挑戦すると決めました。さてどうなりますやら・・・。