ひろ爺の日々

鹿児島から東京に引っ越して、つれづれの感じ

14日の夜

2013-01-18 20:21:12 | Weblog
 14日は成人の日。早朝から大雪で、街路樹・電線・公園の木々・
道路など、総てが真っ白い雪におおわれた。人通りも少ない。
これまで東京は雪が少ないと思っていたが、今回は特別のようだ。

 成人式と言えば、この爺さん二十歳のときはいづこに……?。
薩摩半島の最西南端の一漁村に在住3年目。この地は田舎なれど
風光明媚の漁村。

 おばさんと娘さんの二人家族のところに下宿して仕事に従事。
戦争の故による物資不足の兆しがそろそろ感じられていたものの、
食べ物については、おばさんのお陰で何一つ不自由なし。

 海浜ということから、フノリも採取されており、シャツや
ユカタはいつもノリつきで爽快気分を味わえたものである。現在と
比較しても、結構楽しい時代だったと言えるようだ。

 余談はさておき、14日の我が家の夕餉は、お嬢夫妻とナベを
囲む。
    
         
 ○ ナベの具
    ・牛肉 ・ハンペン ・アゲドーフ ・ミズナ
    ・フカネギ ・カイワレ ・しいたけ
 ○ 具満杯のナベ  ○ おにぎり  ○ オジヤ

 考えてみると料理にも歴史、そして変遷がある。平安時代の
オカベ(トーフ)がその名称で鹿児島に残っている。変化も
激しいが、保守も強固である。

 昔、ナベモノといえばスキヤキだったが、今の世の中ワンサだ。
それぞれ特徴があり、味の優劣はつけがたい。旬の時期あるいは
その人の腹具合ということになるのでは……?。

 雪の東京の一夜、遠い若かりし日の食生活などを心にしながら
ナベを囲み、つついた。

 

1月13日の夕餉

2013-01-14 16:12:05 | Weblog
 3連休の中日、19階のお嬢宅で夕餉を。いつものことながら19階から
見る夜景はすばらしい。このお江戸の夜景を眺めつつの

 メニューは
    
           
 ○ チーズフォンデュの具材
    石垣島のソーセージ ピーマン じゃがいも ミニトマト
    フランスパン 等々
 ○ ベビーリーフと赤大根のサラダ
 ○ 野菜スープ
    玉ねぎ おおたにわたり(石垣島の野菜) パセリ 
 
 等々を竹串に刺し、チーズフォンデュで味付けしてから食べたが、野菜や
食パンなど、食べ方にもいろいろの方法があるものだな、と食の巾の広さに
深い興味を持たさせられた。

 小生、この食べ方初めてと思っていたところ、30年前ヨーロッパ旅行で
モンブランのふもと町シャモニーに一泊夕餉の際、この料理を経験したとの
うちのオバサンの言。ぜんぜん記憶なし。それにしても美味しかった。

 食事の内容は記憶になかったものの、夜の街や広場の朝市風景、あるいは
ケーブルカーでのモンブラン途中登山など、うろ覚えの記憶を思い出したり
しながらの味覚満点の夕餉、楽しい時間を過ごすことができた。
 
   
 

新年一日から二日

2013-01-05 18:04:39 | Weblog
 お若いころの正月三日は、初詣でを済ませてから新年気分を
味わう、という毎年であった。それが年を重ねるごとに変化し
てきている。

 今年(25年)は、元日から栃木県奥鬼怒の手白沢温泉に。
10:00、東武線浅草発スペーシアきぬで目的地へ。コンクリートの
街を後に30分もすると、田園風景。森や林に囲まれ、丘陵地帯に
点在する農村風景が現れてくる。目と心のオアシスだ。

 12:25、ワゴン車で鬼怒川発。30分も進むと道の両側は、落葉を
終えた各種木々の林立する急険な山や谷。そして、梢にはない
ものの、山肌は厚い雪におおわれている。

 道路も雪であるが、クルマが通れるようにかき分けられている。
それでも路上には氷雪が見られ、スリップが心配。こちらの気を
知ってか知らずでか「この道路は四輪駆動でなければ、今の時期
通れません。四輪駆動ですからご安心ください」、とのこと。

 安心して、途中のダム湖や山容の風景を眺め、山村居住者の
方たちの生活に思いをはせたりしているうち、14:02温泉地に
到着。周囲は山また山、そして雪。途中の木立のなかで、お猿
さん3匹の姿を見ることができた。

 18:00の夕食まで、テレビ・携帯等、通信途絶の部屋で休憩。
仙人の話が事実であればこんなものか…?、と想像。16:00に
入浴以外は、雑談とホテル看板犬の「岳ちゃん(2ケ月)」と
ジャレたりして、時をすごした。

 18:00に夕餉
    
    
 ○ 前菜  ワラビのお浸し こごみの生姜和え 蕗の煮付け
      なめこの海苔和え 鹿刺し  
 ○ お新香  ○ マカロニサラダ ○ 燻製岩魚の塩焼き
 ○ 森林鶏の塩焼き

 07:00に朝餉
       
 メニュー
  ○ 岩魚の甘露煮  ○ ミズ菜とジャコのサラダ
  ○ ナメコのざっと煮  ○ 温泉タマゴ

 等々を、酒とワインで戴く。山の温泉旅館らしく、ナメコのノリ和えと
ジャコを除く他の品書きは、山・野や川ものを素材にした料理で、味付け
最高。

 特に鹿刺しは、以前お勤めのころ何回となく経験があったが、今回の
肉の軟らかさは初めて。味覚も申し分なし。他のものおして知るべしの
料理だった。朝餉も味付け、素材ともに申し分なし。

        
 上掲は、外湯と部屋鍵を写したものである。

 今回、秘境・秘湯・山幸の味覚を経験したが、そのほかにいまの社会では
珍しい在り方を拝見、心を洗われる思いをさせられた。内容は、タバコと
缶ビール・チューハイ・コーヒー等の売り場2ケ所。売品の横に「御代いれ」
を置き、商行為は全くの無人である。タマゲターの一言だ。

 いま一つは、部屋鍵。いまもって、ユリの花の彫られた古い鍵つけ板を
使用していること。伝統、古さのなかに美がある、という考えからのもの
ではないかと思われ、床しさが偲ばれた。

 静寂といで湯、そしてワンちゃんを楽しみに秘境の地を初めて訪れたが、
いずれもが満足感十分。2日目の10:00、往路と同じワゴン車で温泉を後に。
鬼怒川温泉で散策、16:05のスペーシアきぬで東京へ。

 楽しかった。そして貴重な経験を持てたこと、特に「御代いれ」に象徴
される「信頼の原則」の実行を目のあたりにしたことは、心の収穫に大なる
ものがあった。