白血病闘病記は(1)で一旦終了します。

白血病闘病記(2)「再発編」は、後日掲載予定です。
少しの間、撮り溜めた写真をアップしていきます。

たくさんの人の誠意

2021-10-02 16:45:23 | 日記
 2017.06.23

  赤い方の輸血の日である。 

  もうその色を見ても最初ほどの感覚はなかった。

  やはり午後からの予定で、搬入が少し遅れ気味だったが、それはやって

  来た。

  同じ事である。

  30分程の時間を客観的に見ていた。

  ただやはり、他人の血液が自分の体内に入ってくるというのを一瞬でも

  感じた時、妙な感覚になる。

  どんな人の血なんだろうか。

  どこに住んでいる人の血なんだろうか、男なのか女なのか、年配の人

  なのか青年なのか、これは不謹慎とは思うがあえて書く。

  その人の血は、はたして何の病原菌も検出されなかったんだろうか、

  もし何か潜んでいたとしたら、自分はこの病院から出られるのだろうか。

  もちろん先生から充分納得する説明を聞き、同意書にサインをし、覚悟で

  臨むのだからそんな心配はご無用なのである。


  輸血開始から少し時間がたち、気持ちも和らいできた。

  ふと輸血用にぶら下がっている袋に目をやった。

  地名が書かれてある。

  それは見覚えのある場所だった。

  採取地だけが書かれていた。

  血液センターの名称も書かれており、血液型が書かれていた。

  おそらく各拠点の献血場所からセンターに血液が集められ、そこで

  さまざまな人のさまざまな血液の検査を充分行い、各病院に搬送される

  のだろう。

  どこに住んでいるのか、男か女か、年配か青年、病原菌は…

  悪い頭では、この程度のことしか思い浮かばないのである。

  当然のことながら、住んでいる人も判別が出来ず、男も女も出て来ず、

  お年寄りが青年に席を譲るのを見る事も出来ず、病原菌は……

  (もうええわ!!っという声が聞こえて来そうである)

  いまだに街中の献血車を見掛けると、

  (いまはコロナ禍で見る事はないが…)

  「ありがとうございます…」心の中でそう呟く。

  いよいよ退院の日が来週にせまった。