【2016年8月15日の記事にポリドールの広告とそれに基づく情報を追加しました】
ピアニスト、ヴィルヘルム・ケンプ(Wilhelm Kempff, 1895-1991)はドイツ政府の音楽使節として1936年4月1日(水)に初来日しました。戦前のケンプ来日はこのときだけです。
『レコード音楽』1936年4月号と5月号に公演日程が記載されています。
↑ 来日記念・皇帝のレコード。ペーター・ラーベ(Peter Raabe, 1872-1945)指揮ベルリン・フィル。
↑ この画像を2020年2月14日に追加しました。大切な情報が含まれています。
↑ 「さよなら演奏会」第一夜、第二夜。
以下、判明した範囲内での日程と曲目です。
1936年(昭和11年)
4月 7日(火)東京・ドイツ大使館(歓迎演奏会)
4月10日(金)リサイタルに先立って東京NHKによりラジオ放送。曲目不詳
4月11日(土)午後2時~3時 サイン会 銀座3丁目ポリドール宣伝部にて(皇帝のレコード購入者対象)
4月13日(月)東京・日比谷公会堂 午後7時
【ベートーヴェンの夕】
月光ソナタ、ワルトシュタイン、ロンド ト長調 Op.51-2、バガテルOp.33より2曲あるハ長調のうちのどちらか、エコセーズ(スコットランド舞曲)、熱情ソナタ
4月14日(火)東京・日比谷公会堂 午後7時
【ベートーヴェンの夕】 貴志康一指揮新交響楽団
「エグモント」序曲、ピアノ協奏曲第3番、ピアノ協奏曲第5番「皇帝」
(4月13日、14日の入場料 5円、3円、2円)
4月15日(水)仙台・文化キネマ
4月20日(月)札幌 ←会場調査中
4月22日(水)午後7時30分 東京・新交響楽団第166回定期(指揮/貴志康一)
ベートーヴェン:「コリオラン」序曲、バッハ:ピアノ協奏曲ヘ短調、モーツァルト:ピアノ協奏曲ハ長調K467(ブラームス:ピアノ協奏曲第2番の予定を変更?)、ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第4番
4月23日(木)東京丸の内・明治生命講堂 午後7時
【バッハ研究の夕】
フランス組曲第1番、平均律クラヴィーア曲集(どっち?)よりプレリュードとフーガ嬰ハ長調、ニ長調。ゴルトベルク変奏曲
4月25日(土)東京・明治生命講堂
【ベートーヴェン研究の夕】
後期ピアノ・ソナタ4曲(Opp.106,109,110,111)
(4月23日、25日の入場料5円、2円。二日共通券8円)
4月26日(日)名古屋市公会堂
4月27日(月)京都・朝日講堂
4月28日(火)大阪・中央公会堂
4月29日(水)大阪・中央公会堂
5月 2日(土)広島 ←会場調査中
5月 5日(火)博多・仏教会館
5月 7日(木)神戸・海員会館
5月11日(月)東京・明治生命講堂
バッハ-ケンプ編曲:イタリア協奏曲、ベートーヴェン:悲愴ソナタ、モーツァルト:ソナタ イ長調K331、ベートーヴェン:ハンマークラヴィーアOp.106
5月12日(火)東京・日比谷公会堂
貴志康一指揮新交響楽団
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第1番、モーツァルト:ピアノ協奏曲ニ短調K466、ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番「皇帝」
。。。情報を追加していこうと思います。戦前ケンプのライヴでゴルトベルク変奏曲やハンマークラヴィーアを聞けた聴衆はラッキー! ちなみに2度目の来日は18年後、1954年です。ケンプは全部で10回も来日しているそうですね。
↑ 4月号より当時のケンプ。
3月6日のEテレ「らららクラシック」の放映でプロコフィエフと大田黒元雄の交流のことを知り、興味をもってネットで検索していたらこのブログにたどり着きました。
とても面白そうなので、これから(過去の記事も含めて)拝見したいと思っています。
プロコフィエフとの出会いについて大田黒元雄氏自身が書いた記事を見つけたので、ここで紹介しようと思っているのですがなかなか更新できません。
K・Sさま、少しずつ記事を増やしていこうと思いますのでこれからもこのブログをよろしくお願いいたします。