地震予知？

　今朝未明、３時過ぎのことである。眠っていた私が、突然、「こわい～こわい～」と繰り返し叫び始めたので、父殿、母殿、何事かと起き出した。「どうしたの？」「何が怖いの？」と繰り返し尋ねられたが、何も応えなく、ただ「こわい～こわい～」を繰り返すのみ。父殿が抱っこしてくれて、背中をなでてくれたが、ちっとも叫びやまず、結局「こわい～」以外に一言も発することなく、何の説明もしないまままた眠りに落ちた。父殿母殿、首をひねりながら、怖い夢でも見たんだろう、ということでまた寝入った。

　その約１時間後である、千葉県東方沖に震源を発する地震が関東地方を襲ったのは。震源に近い千葉県諸地域で震度４、東京都内でも震度３を記録した。我が家も大いに揺れて、父殿母殿そろって飛び起きたが、私は知らず至極太平に眠っていた。揺れが治まって、父殿がはっと思い至ったのは、さっきの「こわい～」はこの地震を予知したのでは？という推測である。
　で、普段通りの時間に私が起き出して、何の屈託もなく「まんま～」と朝食を所望するのを抱き上げ、
「みーちゃん、さっき怖い、怖いって泣いてたでしょ。」
私が首をかしげていると、
「何が怖かったの？」
と重ねて訊いてこられるので、
「かみなり、こわい」
一番最近の、怖かったことを答えた。
　
　実のところ、地震のあったのも知らず、未明に起きて叫んでいたことも全く覚えていなかったのである。地震のあった様子はその後テレビのニュースで見知ったが、さっぱり実感もわかぬのみならず、左様な予知が自分でできるともさらさら思えない。人をナマズか何ぞのように思ってもらっては甚だ迷惑である。

　実のところ先日の雷以来、何かにつけ「こわい～」を連発するのは私の口癖のようになっている。カブト虫を見ても「こわい～」、魚をみても「こわい～」、牛を見てもカラスを見ても「こわい～」であり、大きな音を聞いても、掃除機を見ても、ミシンを見ても「こわい～」と怯える。そんなであるから、眠っていても、傍らの父殿にちょっと蹴飛ばされたか、いびきの音でも聞いたかで、ねぼけ半分に「こわい～」を連発したとしても少しも不思議ではないのである。全く父殿のように荒唐無稽なこじつけを思いつくほうがどうかしていると言ってよい。

　ここのところ連日記録的な猛暑が続く。私は体調を崩すこともなく、毎日ますます旺盛な食欲を発揮し、保育園で入るプールに無上の喜びを見出している。家では、先日買っていただいたパズルに懸命に取り組み、なかなかうまくいかないので途中で投げ出しては後を父殿か母殿にやっていただき、自分は汽車か車のおもちゃでいい気になって遊んでいたりする。「サザエさん」「おどるポンポコリン」などの歌をフルコーラスで覚えて、会う人ごとに得意げに披露する。マンションに居住するみなさんと出会うと、元気よく「オハヨウゴザイマス！」と挨拶する。そんなこんなで、充実した日々を送っている。