お正月のおもち

　2009年、私にとっては５回目の新年を迎えた。今年は天気もよく暖かな日が続いたこともあり、風邪を引くこともなく穏やかな年末年始を過ごすことができた。母殿が大学院の卒業制作の追い込みに入っていることもあり、連休中遠出することはなく、家でのんびりおもちやみかんを食べる日々であった。

　おもちと言えば、我が家ではお正月飾りなどには至って無頓着で、例年鏡もちなど飾ることもなかったのだが、今年は私がやかましく催促したら、大晦日の夜になってやっと買ってもらった。もっとも極小さい、私の手に乗るようなものであるが、可愛い牛の飾りなどついていて私は大いに気に入り、正月を迎えないうちに
「早くたべようよ」
とせっついたが、
「お正月が終わってから」
と断固拒否され、
「お正月いつ終わるの？もう終わった？」
と毎日のように訊いて過ごして今日に至っている。ちなみに本日は保育園でもちつき大会がある。

　鏡もちではない普通の切りもちはよく食べた。お雑煮でも、きな粉もちでも、父殿が煮たお汁粉でも、なべ料理に入れてでも、私は旺盛な食欲でもって食べて、母殿に「そんなに食べて大丈夫？」と心配された。お正月休みを終えて保育園に行くと、そのおかげか「太ったね！」と言われた。もと居酒屋の店長を努めていたことのある父殿は、暇を持て余してお雑煮やお汁粉のみならず豚の角煮であるとか蛸のやわらか煮であるとか盛んに作っていた。みかんに関してもやはり大好きで、いくつでもペロリとたいらげてはもっと！もっと！とせがむので、最後には
「パパの分が無くなっちゃうからだめ！」と拒絶されるのが常であった。

　お正月の２日には近くのデパートに出かけ、北海道物産展の会場でラーメンを食べさせてもらったりしたが、立ち寄ったおもちゃ売り場で見たパトカーが大いに気に入って、ほしい！ほしい！と連呼したが
「今度のクリスマスの時もらえるように、サンタさんに頼んどこうね」と軽くいなされてしまった。「サンタさんに言っといてよ！」「もう頼んでくれた？」とその後何度も確認して意思の固いところを見せている。

　先日はバイク用品の専門店に赴き、ヘルメットと手袋を買ってもらった。父殿は
「俺のより高い！」とむくれていた。また通販で注文していたチャイルドシートも届けられ、タンデムデビューの日はいよいよ近くなった。後は上半身を覆うプロテクターというのが届くのを待つのみだが、どんな形状のものやらわからず尋ねると、父殿によるとそれを着けると「ゴーオンジャーみたいになる」ということだったので、大いに楽しみに心待ちにしている。バイクに乗る際は、
「あんまり早くしないでね」と要望を伝えているが、さて実際の時はどうなることやら。