2023.10.07[小入谷林道出合08:25〜08:35西谷入口〜09:00福見の滝09:19〜09:37縁の滝09:44〜09:53最奥地点09:54〜10:13めおと滝10:15〜10:31最奥地点〜11:06びわ滝11:08〜11:27大トチノキ11:34〜11:50白石の滝11:52〜12:40西谷入口〜13:03小入谷林道出合](距離9.06km 累積標高588m)
8月に百里ケ岳にナツエビネを見に行った帰りに立ち寄った朽木針畑郷の山村都市交流館「源流の駅山帰来(さんきらい)」で、見たことのない滝の絵葉書が売られていた。名前は「福見の滝」。
滋賀県の名のある滝には全部行きたいと思っている。調べたり人から寄せられた情報では現在県内の名のある滝は200弱。もうそんなに知らない滝はないのではないかと思っていたところに、嬉しい新たな滝情報。これはもう訪ねてみるしかありません。
でも絵葉書情報では安曇川源流としかわからない。
そこでネットで調べると、1件のブログがヒット(YouTube動画もあり)。
それによると、おにゅう峠直下の西谷にかかる滝のようで、福見の滝を含め8つの滝からなる「神坐の滝群」と呼ばれるものがあるらしい。
ブログでは2019年秋に滋賀県高島市朽木公民館主催の神坐の滝群見学の講座(計2回)に参加された時のレコが掲載されており、福見の滝とびわ滝が写真入りで紹介されている。
また貴重なのは元情報は不明だが概略図が転載されていること。滝の位置とルートが記されていて非常に参考になる。
この西谷流域はあまり人が入らないのか、ヤマレコのみんなの足跡でも空白地帯。わずかに大トチノキまでは赤線が引かれている。
これはchurabanaさんのレコで、巨木と水源を守る会「トチノキ観察会」に参加された時のもの。
空白地に赤線を引くというのも魅力的である。
そして、ようやく厳しかった夏も終わり、ちょっと水量は少なめかもしれないが、もうヤマビルや吸血虫の心配はしなくていいので、さっそく調査に入ることにする。
おにゅう峠への車道と別れ、荒れた林道を奥へと進む。
参考にしたブログでは、林道から各滝への下り口に立つ立派な案内板の写真も掲載されていたのだが、今は倒れたり朽ちたりしたわけでもなく、案内板があったという形跡すら認められない。地図を見ないで歩いていたら通り過ぎてしまうところだった。
一旦谷に下りてからは谷筋沿いにルートがあり、滝を連続して訪れるというものではなく、ひとつひとつの滝にそれぞれ林道からの下降ルートがあるように概略図では記されている。滝の数だけ林道から往復しなければならない。
谷を遡行していく方が早いような気もするのだが、今回はこの下降ルートを確かめる意味もあって、林道往復にしようと思い遡行用の靴は持ってきていない。
そんないずれの下降ルートも訪れる人がほとんどないようで相当荒れている。トラロープが張られていて、わずかながらピンクテープも巻かれているためルートはわかるが、なければ迷ってしまいそうなルートだ。
急傾斜や細いトラバースもあるので滑落に十分に注意しながら滝へと下りなければならない。
予定では西谷本流の6滝を訪れたのち、支流のミノミ谷に入り2つの滝と大トチノキに訪れたあと、尾根に登って高島トレイルと合流。欲張って百里ケ岳に登って、コモンバの滝経由で戻ろうと思っていた。
ところが西谷本流の下流3滝に思った以上に手こずったため時間が押してきている。よって上流の3滝の下降ルートを見つけるのに時間を費やすことができないと思い、諦めてミノミ谷へと向かう。
さらにストックを置き去りにして取りに戻る失態も重なり、百里まで足を伸ばすのは無理だろうと思うようになる。根来坂峠から下山しようと予定変更。
そして合流点まで戻り、ミノミ谷ルートを進む。この道は以前の大トチノキ散策ルートとなっていたものなので立派な山道である。
「びわ滝」にも難儀しながら下り、「大トチノキ」を訪れ、白石の滝へ。
白石の滝のみは遡行して登るルートで訪れることになるのだが、これまた予想以上に険しいルートで時間がかかってしまう。
苦労して訪れたにもかかわらず、滝を近くから見られるわけでもなく、3段滝の上段も見られず、水量少なく、ちょっと残念に思えた。
さてここから高島トレイルへと登るのだが、滝からトレイルのある尾根(白石山)までは標高差50~60m。等高線も混んでいるわけでもないので、たやすく登れると思っていたのだが、実際は岩混じりのブッシュ。結構難儀しそうな予感。
ならば下流側の尾根はどうかと思い、少し下って取り付き点を探すも、やはり急峻な岩が多く、結局体調のことも考え、諦めて元来た道を引き返すことにする。
以前なら強引にも登ったであろうが、手首の可動域が悪く握力が非常に弱くなってしまった今のわたしには無理はできない。
帰りに滝情報が聞けるかもと思い、今回も「山来帰」の立ち寄る。
居られた女性に滝に行ってきたことを話すと、その方も数年前、滝ルート作りに同行されたとのこと。滝下り口に立派な案内板を設置、ルートを整備されたとのこと。
今は案内板はなくなりルートも荒れて険しくなっていると話すと驚かれていた。
行く人も稀で、台風や積雪等で短い年月のうちに随分と荒れてしまったのだろう。
売られている「福見の滝」絵葉書を撮影された方なら詳しい滝情報を持たれているかもしれないとのこと。連絡先を教えてもらって「山来帰」を後にする。
<コース状況など>
西谷本流は左岸側に谷よりおおよそ標高差30〜50m上方に荒廃した林道。
ミノミ谷は右岸上方に大トチノキ探索路?が残っている。
今回訪れたいずれの滝(白石の滝以外)にも、林道もしくは探索路からの下降ルートがあり、トラロープの設置と少なめのピンクテープでの誘導はあるが、不明瞭で荒廃しているので、滑落に注意。
下降点には数年前まで案内板が設置されていたようだが、今はない(びわ滝以外)。
【福見の滝】ルート全般に急傾斜で荒れている。中間部の小尾根部分を除いてほぼトラロープ設置。着地点は特に荒れているので滑落注意。
【めおと滝】福見の滝下り口のすぐ先に山側にピンクテープ。やはりかなり荒れて踏み跡不明瞭。トラバースからルンゼに下り、ルンゼ最後は段差があるので細く傾斜したロープのないトラバースで下りる。谷歩き50mほどでめおと滝。
【縁の滝】植林地の広い尾根を下る。谷が近づくと右へ下る。最初と最後は急傾斜。ロープ設置箇所多い。滝直下に行くには右岸に渡り、滑りやすい傾斜をロープで乗り越える。滝壺へは岩のトラバース。
【びわ滝】下り口のプレートあり。ざれた斜面から荒れた急傾斜ルート。ロープのない部分もあり。谷底に下りると滝の下部しか見えない。
【白石の滝】ゴルジュの谷を歩き、滑りやすい小ナメを登ると通行不能に。よく見ると右斜面上方にピンクテープ。薮に隠れたロープで急斜面を20mほど登ると左にトラバース。トラバース全般にロープ設置されているが藪で踏み跡もわずか。中腹より遠望のみで上段は見えない。
【遠見の滝】【なめこの滝】【平マツの滝】へはルートわからず今回訪れていない。
荒れた林道を行くと、「福見の滝」に下りる道があります。道といっても踏み跡程度でそれも非常に荒れていてトラロープに頼らなければ下りられません。
ロープを伝い激下りすると滝が見えてきます。最初の滝「福見の滝」です。
最後はズルズルと下りて滝に到着です。
「福見の滝」は神坐の滝群の主瀑とも言える滝で、落差は10mを超え、見栄えが良い滝です。
あっ!雲台を持ってくるのを忘れてしまいました。せっかく重い三脚を持ってきたのに無用の長物になってしまいました。
1つ目の失態!
上部はちょっと秋田県の「桃洞の滝」っぽい。「桃洞の滝」ほど卑猥ではありませんが?!
思いのほか美しい滝です。
地形図を見ても、この場所にこの規模の滝があるとは想像もつきませんでした。
三脚を使って、滑の水流をスローシャッターで撮ってみたかったですねぇ。
いつか準備万端でもう一度来ましょう。
次に下りたのは「縁(えにし)の滝」です。
ここへ下りるのは一部急斜面ですが、滝群の中では一番容易なルート。
でも谷に下りたってから滝に近寄るのはちょい難度高めです。
落差3〜4mほどの小滝ですが立派な滝壺もあって美しい滝です。
この滝のすぐ上に「遠見の滝」「なめこの滝」、少し離れて「平マツの滝」があるようなのですが、ここからこの滝を越えて上に行くのはきょうの装備では難しいので、戻ることにます。
タマゴタケ発見。
何本かあれば採って帰ったのですが。
「福見の滝」の上の「めおと滝」です。
きょうは水量が少な目なので左側の流れが貧弱ですが、2本の流れがあるので「めおと滝」なんでしょうね。
落差は3mほどと小ぶりです。
帰路この滝に下りるルートを見つけました。「福見の滝」下り口のすぐ先からでした。
途中からルンゼを下るのですが最後は大きな段差になっているのでトラバースしますがちょっと険し目です。
谷に下りてから50mほど遡るとこの滝があります。
「めおと滝」下流の谷にて。やや大きな木が2本。いい雰囲気の場所です。この下流すぐが「福見の滝」の落口です。
あれっ?ストックが無い!
最奥到達点に忘れてきたようです。戻ります。
途中見かけたスギ2本とブナ2本の集合木です。お見事!
ストックさん、待ちくたびれていました。
すみませんでした、一緒に帰りましょう。
2つ目の失態!
(続く)
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