ひさらのきまぐれ。

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御即位20年記念特別展「皇室の名宝―日本美の華―」(東京国立博物館)

2009年10月18日 | 展覧会(美術館・博物館)
皇室の名宝展、行ってきました。
すでに何度も開催されている皇室の名宝展ですが、相変わらず人気が高いです。
まぁ、確かに。
すべてがオタカラ、名品揃いですからねぇ。
何度見てもイイものはイイ。
この混雑も仕方のないことでしょう。

名宝がありすぎるので、全体を2期に分け、前半第1期が主に絵画と工芸、後半第2期として書蹟類と法隆寺宝物というコンセプトになっています。

今回は第1期として、「永徳、若冲から大観、松園まで」というテーマを見てきました。

話題と言えば、若冲の「動植綵絵」でしょうか。かつて三の丸尚蔵館でも全部見せます企画があったので、お初の感動なかったのだけれど、まぁ、圧巻ではありますな。みっちりな大幅ばっかり見るの疲れるけど((^^;;

何せ、特別展スペース半分を見終えたところでふと出展リストを眺めると、まだ作品番号7…。展示予定作品は80番まであるのに、まだ7番て!
どんだけお宝満載なんだ・・・。
呆然としました。

今回の展示は、もちろん狩野派も若冲も見せ場ではありますが。どれももうすでに何度も展示されているものばかり。「ああ、これね」という作品が多いのは仕方のないところ。三の丸尚蔵館の絵画名品と言いながら、永徳出てなかったら暴動起きそうだし(笑
とはいえ、やはり展覧会に行くからには、「おお!」という新しい発見がほしいところ。
そういう意味では、今回展示の中の後半部分、近現代の工芸は普段あまり展示されることがないジャンルなだけに見ごたえがあったんじゃないでしょうか。
(三の丸尚蔵館の展示ではお馴染みのものが多かったですが)

並河靖之の有線七宝の緻密さなどは、もううっとりと時間を忘れて眺めてしまいます。地の黒がミステリアスなまでに深くて引き込まれます。手鏡入れか何かほんの小さいものでいいから一つ欲しいよ…。

近代七宝と言えば二人の「ナミカワ」。当然濤川惣助も忘れてはいません。まるで墨の微妙な滲みのままのような無線七宝の色彩には、溜息しか出ません。
今回展示されている作品は、たまたま地味な絵柄だったんですが、赤坂迎賓館の花鳥図なんかが見られたらさらにさらに良かったなぁ、なんて思います。

個人的には、前半部分ですが、「小栗判官絵巻(岩佐又兵衛工房)」がお気に入りで、ニヤニヤしながら何度も何度も眺めてしまいました。←変な人><

閻魔大王の審判を受けて餓鬼の姿となった小栗が、台車に乗せられ引き回されてる様子が美しく描かれているんですもん!
絢爛豪華な大和絵と餓鬼姿の小栗とのギャップがもう何ともいえず、その精緻な筆遣いを隅々眺めてはにやにやしておりました。
詞書も絵とマッチしてるし。
いやぁ、いいですよ、この絵巻。
これだけの長さで、まじまじと眺められるのはなんとも貴重な機会でした。

欲を言えば、餓鬼がつぼ湯に入ってる場面が見たかったなぁ。うぷぷぷぷ。

第2期には「春日権現験記絵」や「蒙古襲来絵詞」が出るようなので、こちらも楽しみ。

なんだかんだいって、やっぱり「名宝」と呼ばれる作品群の「美力」みたいなものは、スゴイということを改めて感じる展示会でした。


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