ひさらのきまぐれ。

多趣味だけどどこかぼんやりな私(ひさら)の気まぐれブログ。
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楽劇「ニーべルングの指環」第2日 ジークフリート(新国立劇場)

2010年02月11日 | 舞台
→新国立劇場公式HP http://www.nntt.jac.go.jp/opera/20000191_opera.html

【指揮】ダン・エッティンガー
【ジークフリート】クリスティアン・フランツ
【ミーメ】ヴォルフガング・シュミット
【さすらい人】ユッカ・ラジライネン


奇抜な演出で、まずは戸惑ってしまうけれど。見始めるとそんなことが全然気にならなくなって、作品に没頭。約80分×3幕という長時間でも、飽きるどころか目が釘付け。面白かったーー!

話はわかりやすいし、音楽は劇的だし。
いわゆる古式ゆかしいオペラらしい(?)アリアをつないだ感じというのではなく、ひたすら「楽劇」。
よくあるオペラなんかだと、舞台を見終えてからなんとなく有名なフレーズが頭に残って、ついつい口ずさんでしまうのだけど。(ちゃんとは歌えないですけど)
この舞台の場合は、ストーリーと音楽と舞台上の動きとがぴったりと一体化しているものだから、頭の中には響いてるんだけど、口に出す感じじゃぁない。
不思議なものです。

今回は新演出版ということで、見た目はかなり奇抜なものでした。
ジークフリートがスーパーマンの「S」字Tシャツにオーバーオール、足元はスニーカーという、まるっきり「スーパーマリオ」みたいな格好で。神様のトップであるさすらい人=ヴォータンは、黒いハットにグレーのロングコートだし。

肝心の「指輪」はなんと、手の甲いっぱいの大きさがあるジグソーパズルのピース!

舞台装置に至っては、前後左右に斜めになった(たぶん出演者も歩きにくい)家だったり、大蛇がお化け大樹みたいなのになってるし。
歌詞では、森の中を駆けてくるジークフリートの姿が見えるのをうたっているのに、舞台ではモーテルの一室でモニターに馬が走ってるのが映ってる、なんて状態。

有名なジークフリートが伝説の剣ノートゥンクを鍛える場面も、鍛冶道具は一切なし。破片をミルクと混ぜてミキサーに入れて、電子レンジでチン!とか。

もうね、なんのこっちゃ?!ですよ(笑

それでも。
見ている間にぐんぐん引き込まれてしまうし、奇抜な中にも「すごく忠実」なところも見いだせたりするもんだから、一時も目を離すことが出来なくなりました。
作品の持つ底力ですね。

いやぁ、心底面白かったです。

考えてみるとワーグナーのオペラを、全幕通して見るというのは初めてでした。
作品自体は超有名で、音楽もストーリーも知っていたのだけど、生のオペラ舞台を見たのはお初。
もともとニーベルングってなかなか日本では見られないし。来日公演となるとチケットが高くてなかなか手が出ないし。さらに上演時間が長いことがネックになって敬遠しがち。
それだけでなく、とてもディープなファンがいる=マニアックでとっかかりが悪い、みたいな先入観もあったりして。
まさに食わず嫌い。

実際に舞台を見て、悔しい思いがヒシヒシ。
もったいないことをしました。もっと早くから見ておけばよかったなぁ。
マニアな気質がある自分のことを、もう少し自覚しとかないといかんよねー。

長い舞台で疲れるしー、なんてことで「ジークフリート」だけしかチケットないんですよ><
こんなに面白い舞台なんだったら、頑張って続編の「神々の黄昏」もチケットとればよかったーーー。
うううう。
後悔先に立たず。がっくり。

改めて。「ニーベルングの指輪」全部見たいなー。
出来ればバイロイトで…(叶わぬ夢)。


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