休息場

自由気ままに。

願い事

2016-08-26 | 短編
毎日が同じな訳じゃない。

それでも何か特別なことでもない限り、私の人生はほとんど一緒だ。

朝起きて学校へ行く。授業はいつでも眠たくて、休憩時間は友達とくだらないことで笑い合う。そして放課後になったら家へ帰って、眠りについたら朝が来る。

また一日が始まる。

何事もない日々の幸せさを忘れてはいけない。けれどもこんなにも平凡な毎日では、流石に飽きてきてしまった。



どこか、遠くへ行きたい。

そう願って目をつぶった。


次に目を開けた時、私は知らない場所にいた。


そこはなんにもない、白い空間だった。

私以外に人はいない。音も、何もしない。


本当になんにもない空間。


どこかへ行きたいと願った私を神様がくれたのだろうか。

でも違う、私はこんな所へ来ることを願った訳じゃない。


独りに、なりたかった訳じゃないの。


どうかお願いです、神様。


「...私を元の場所へ戻して下さい。」


ポツリと呟いた声は、そのまま誰に聞かれることなく消えてった。


あぁ


私は独りだ。

2016-08-26 | 短編
澄んだ青空に緑色をした何か。

太陽に反射してキラキラと輝くそれは、紛れもなく鱗だった。

あれは一体何だろう、ぼんやりとした頭で考えてみるも思考回路が追いつかない。

それは、空を優雅に泳いでいる。

僕の目はそれに釘付けだ。

だってこんなにも綺麗なものを見たことがない。

僕は幻でも見ているんだろうか。

だって、こんなもの泳いでいるはずがない。

頭では分かっているのに、目の前のそれを幻覚だとは思えない。


やっとのことで思考回路が正常に働き始めた時、それはもういなくなってた。

それでも僕は信じ続けてる。



ーあの日僕は龍を見た。

永遠の友達

2016-08-26 | 短編
僕には友達がいる。
絶対に失うことのない、永遠の友達が。

「ゆう」

「うん?」

「ずっと友達でいようね。」


「...うん。」


だって彼は幽霊だから。


「ずっと一緒だよ。」


永遠に。