2019年初春、埼玉県小鹿野町の西奥 秩父34ヵ所観音霊場31番の札所「観音院」の裏山に標高698mの「観音山」がある。手ごろな山歩きができ頂上からの展望も良いと聞き出かけてみた。登山口は観音院仁王門で駐車場も広く整備されている。今回のコースは観音院をスタートしカラマツ峠分岐から大石山を往復し主目的の観音山に登頂、観音山中腹をトラバースして日尾城址を経て牛首峠から駐車場に戻る周遊コースをとった。
<コースタイム>
駐車場9:30-観音院本殿9:37(9:40)-東奥之院9:44(9:47)-牛首峠分岐10:00-カラマツ峠分岐10:18-大石山10:26-観音山10:37(10:48)-カラマツ峠分岐10:51-牛首峠分岐11:00-日尾分岐11:09-鎖場11:16-日尾城址11:22(11:29)-牛首峠11:32-駐車場11:52 合計2時間25分(休憩含む)

駐車場前に仁王門が立ちはだかる。仁王像は4mの像高で石造では日本一の大きさだという。仁王像に挨拶し門をくぐって登山開始。つづら折れに長い石段が続く。

コース地図。

息を整えながら石段を登ると観音院本殿に出る。本殿背後には清浄の滝が又県指定史跡の磨崖仏が見られる。登山道は本殿右手より山道に入る。

ひと登りで東奥之院に着く。ここから三角形の観音山と右に大石山が望める。
東奥之院から少し分岐に戻り、牛首峠分岐へ向かう。道はトラバース気味に進む。

牛首峠分岐。真っ直ぐ進むと牛首峠だがここは右に登山道を登って行く。

途中に仁王尊細工場跡の標識を見る。こんな山中で仁王像を細工したのかどうも疑問だ。

急な木造の階段を登るが何度か足を止めながらのきつい登りの果てにやっとカラマツ峠分岐に到着。

眼下には西秩父桃湖が見下ろせる。

カラマツ峠分岐から一旦右に登って大石山(688m)に向かう。大石山山頂は木立に囲まれているが木立の間から両神山、天理岳、二子山が望める。

大石山から望む天理岳、二子山。

再びカラマツ峠分岐に戻り、そのまま直に観音山に向かう。途中、仁王尊採石場跡の標識を見るがここから大きな仁王尊の原石を運び出したとは驚きだ。

ひと登りで標高698mの観音山山頂に到着。

観音山山頂は小広く西方に大きく開けている。

山頂から見る左奥にギザギザ尾根の両神山、中央手前に天理岳その右奥に二子山が見える。

南方には奥多摩の山々が。

東に目を向けると三角形の奥武蔵の盟主、武甲山が見える。

北方には眼下に日尾集落、遠く父不見山、御荷鉾山が望める。

十分、山頂からの展望を楽しんだら来た道をカラマツ峠分岐から牛首峠分岐まで下って戻る。牛首峠分岐から西に観音山中腹をトラバース気味に進むとすぐに西奥之院への標識を見る。ここは割愛して先へ進む。

途中、落ち葉に埋もれたトラバース道は急斜面で滑り落ちそうな箇所があり要注意だ。注意しながら進むと右に日尾集落、西秩父桃湖展望台への標識に出る。ここは左に直角に曲がり牛首峠を目指す。

すぐに鎖場に出る。このコース唯一の鎖場を慎重に3mほど下る。

下りきって上部を見上げた状況。

続いて日尾城跡と牛首峠の分岐に出る。

1分で日尾城址に着く。日尾城址の本丸跡。

日尾城址の碑が立つ。この山城は北条氏によって牛首峠付近から数個の曲輪が造られ鉄壁の守りで甲斐武田勢の侵攻をくい止めた出城であったという。

往時を偲んだら牛首峠へ向かう。突然山道が途切れる箇所にぶつかる。牛首峠である。

この峠は戦国期は上に木橋が架かっていたと思われる。天然だろうか人工だろうかスパッと切れている。ここも城の守りの重要な場所であったと思われる。

道は右に馬上集落へ左に観音院仁王門への分岐となっている。

振返り見る牛首峠。スパッと切れているのがよく分かる。非常に印象的な峠だ。

牛首峠から岩殿沢に沿って駐車場へと下る。秩父古世紀の1700万年前の地層を見ながら沢沿いに下る。途中に岩神の滝を見る。

続いて昇龍の滝を見ると駐車場も近い。

駐車場に到着。9時30分に出発し、11時52分に戻ってきた。天候に恵まれ充実した軽登山であった。