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尖閣諸島の領有権問題を国際司法裁判所に提訴せよ

2012年08月28日 11時50分26秒 | ニュースの感想

尖閣諸島の領有権問題を国際司法裁判所に提訴せよ

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/35965

韓国の李明博大統領の竹島訪問は、わが国による竹島の領有権の国際司法裁判所への日韓共同付託の提案に発展した。

韓国側はこれを拒否することを明言しており、日本の単独提訴となった場合、裁判そのものが成立しないことになる。

 

 それが分かっていて、なぜわが国が単独でも提訴するのかといえば、

それによって日本の竹島領有権を巡る主張の正当性を国際社会へアピールできるからである。

韓国が裁判を避けるのは、日本と法的に争って勝ち目がないからだ、という認識が広がれば、そこから受ける韓国のダメージは大きい。

 

 わが国は1954年と62年の2回にわたり、韓国に対して竹島の領有権につき国際司法裁判所への付託を提案したが、

韓国はこれに応じなかった。日本はこのとき、単独提訴まで踏み込むことはしなかった。

以後、今日に至るまでの50年間の長きにわたり、わが国は竹島の領有権を主張しつつも、

国際司法裁判所への共同付託を提案してこなかった。

 

 

「竹島密約」は反故にされたのか?

 65年、日韓基本条約が締結され、両国はようやく国交を樹立した。

この条約の最大の難関はやはり竹島問題だった。

 

 竹島問題はいかに日韓両国間で回避されたか、という点に関し、「竹島密約」の存在が指摘されてきた。

65年1月、条約締結に先立ち河野一郎国務大臣(当時)と丁一権大韓民国国務総理(当時)との間で、

竹島問題に関し、「解決せざるをもって解決したと見なす。

したがって条約では触れない。」とする「密約」である。

つまり日韓双方が竹島の領有権を主張したまま、現状(韓国の実効支配)を認め、領土問題を「棚上げ」するというものだ。

 

 この「竹島密約」につき、鈴木宗男議員が2007年3月に、「竹島密約」の存在を報じた韓国の月刊誌記事を根拠として、

外務省にその存在の有無を質問している。

これに対する答弁は、「我が国としては、大韓民国による竹島の不法占拠は、

竹島の領有権に関する我が国の立場に照らし受け入れられるものではないとの立場に基づき、

竹島の領有権の問題の平和的な解決を図るため、従来より外交努力を不断に行ってきているところであり、

このような我が国の立場に反する約束を両国間で秘密裡に行うようなことは当然認められず、

御指摘の『密約』が我が国と大韓民国との間で行われたとの事実はない」というものであった。

 

 しかし、わが国と米国との「核持ち込み密約」の先例を挙げるまでもなく、

外交当局が「密約」の存在をそう簡単に認めるはずもない。

外務省が「従来より外交努力を不断に行ってきた」と言うならば、

竹島の領有権をめぐる日韓交渉の「停滞」は現実に照らして明らかに符合しない。

 

 しかし、歴代の韓国大統領は竹島の領有権を主張しつつも、自ら竹島を訪問する行動は取らなかった。

「密約」が存在したと仮定しても、李明博大統領は、この一線を越えてしまったことで「密約」を反故にしてしまったのかもしれない。

また、わが国の民主党政権に、この「密約」が継承されていなかったのかもしれない。

いずれにせよ、日韓関係は李承晩時代以来の険悪な関係に陥ってしまった。

 

 

中国に裁判での「勝ち目」はない

 翻って、竹島のケースを尖閣諸島に置き換えてみたらどうだろうか。

 

 かつて小平が尖閣諸島の領有権の「棚上げ」を提案したこと、

そして日本政府が「尖閣諸島の平穏かつ安定的な維持及び管理のため」

「原則として何人も尖閣諸島への上陸を認めない」という方針の下、事実上「無人島」化させ、

日本の実効支配を最低レベルに抑えてきたことを併せて考えると、日中間に何かしらの「密約」が存在することを疑わせる。

 

 ここでは「密約」の詮索はしないが、尖閣の場合、日本が実効支配し、中国がそれにクレームをつける関係だから、

日本の立場は竹島の場合と逆になる。竹島の領有権を巡って日本が国際司法裁判所に提訴するなら、

その場合の日本と同じ立場(原告)になるのは中国だ。

 

 しかし、中国が尖閣諸島の領有権を巡り国際司法裁判所に提訴する動きは、現在のところまだ見られない。

 

 台湾も尖閣諸島の領有権を主張しているから、台湾が国際司法裁判所に提訴する可能性はあるだろうか。

国際司法裁判所は国連の機関であるから、裁判の当事国は国連加盟国ということになり、台湾は提訴する資格がないことになる。

ただし、非加盟国でも国連安保理の勧告に基づいて国連総会で承認が得られれば当事国になりうる。

これは国連憲章に規定されている。

 

 しかし、台湾が提訴する場合、「中華民国」の名称でこれを行うことになり、

そうなれば安保理常任理事国として拒否権を持つ中国が認めるわけがない。

「2つの中国」を認めてしまうことになるからだ。

よって、台湾は国際司法裁判所に尖閣問題を提訴することは事実上できないことになる。

 

 中国が尖閣諸島の領有権問題を国際司法裁判所に提訴する可能性はあるのだろうか。

 

 その場合、裁判の成立要件を満たすために日中共同付託の形を取ることになるが、日本の立場は後述するとして、

中国に裁判での「勝算」がない限り、提訴の可能性は少ないだろう。

 

 尖閣諸島の場合、外務省のウェブサイトによれば、

「尖閣諸島は、1885年以降政府が沖縄県当局を通ずる等の方法により再三にわたり現地調査を行ない、

単にこれが無人島であるのみならず、清国の支配が及んでいる痕跡がないことを慎重確認の上、

1895年1月14日に現地に標杭を建設する旨の閣議決定を行なって正式にわが国の領土に編入することとした」とされている。

 

 これは、国際法で認められている「先占」による領土取得の方法であり、

中国にこれを覆すだけの領有権を正当化しうる根拠がない限り、裁判で「勝ち目」はない。

 

 中国にとって、領有権を正当化できる国際法的根拠を欠くのは、南シナ海の南沙諸島の場合も同様である。

それは中国が南シナ海における領有の実績を、

国際法に依らずに軍事力を背景とした「実効支配」の拡大で積み上げてきたことからも分かる。

 

 もしベトナムやフィリピンが南沙諸島の領有権について中国に国際司法裁判所への共同付託を提案してきたら、

中国としても困惑せざるをえないだろう。国際法的に有効な形で中国が南沙諸島を領有するためには、

他の領有を主張する国々と条約を結び、領有権の「放棄」を認めさせるしかない。

 

こうして見ると、南シナ海にも飛び火しかねない尖閣問題で、

中国が日本に国際司法裁判所への共同付託を提案してくる可能性は極めて低いと言わざるをえない。

 

 

「領土問題は存在しない」が、判断を国際司法裁判所に委ねる

 しかし、それでも中国が共同付託を提案してきたら日本はどうすべきか。

尖閣諸島に関する日本政府の公式見解は、尖閣諸島が日本固有の領土であるという立場から、

「日中間に領土問題は存在しない」というものであり、素直に考えれば韓国同様、裁判を拒否すればよいことになる。

 

 しかし、中国が提案してくる可能性があるとすれば、日本が「拒否」するだろうと確信した場合であり、

日本の対応を受けて中国が「日本は勝ち目がないから裁判を回避した」と国際社会に喧伝できる。

 

 その意味で言えば、日本は中国の提案を受けて立つべきである。

なにより、日本は国際法に領有の根拠(権原)を持ち、中国はそれを欠いているからである。

 

 中国の提案を受けて立つということは、日本が中国との間に「領土問題」を抱えていることを認めてしまうことになりはしないか。

それはこれまでの「領土問題は存在しない」という姿勢を後退させるものであり、

尖閣諸島を日米安保条約の適用対象だとする米国の確認をも揺るがせかねないのではないか。

もちろん、そうした懸念は指摘しうる。

 

 しかし、裁判での「勝算」は、すでに述べたとおりわが国にあり、中国にはない。

さらに言えば、裁判を受け入れることは、わが国の政策を変更ないし後退させるものではない。

「わが国の認識では、領土問題は存在しないが、中国がそれに異議を唱えているので、

この際、国際司法裁判所に判断を委ねたい」と考えればよいだけの話だ。

 

 そう考えれば、わが国から中国に、尖閣諸島の領有権に関し、国際司法裁判所への共同付託を提案するのも極めて効果的であろう。

裁判に「勝算」を欠き、さらに南シナ海への連鎖を恐れる中国は、提案の受け入れをためらうはずであり、

中国が受け入れを拒否すれば、わが国は尖閣諸島の領有権の正当性をアピールできる。

 

 去る8月22日、ワシントンを訪問した外務省の杉山晋輔アジア大洋州局長は、カート・キャンベル国務次官補、

ダニエル・ラッセル国家安全保障会議(NSC)アジア上級部長らと会談し、

尖閣諸島が米国の日本防衛義務を定めた日米安保条約5条の適用範囲であることをあらためて確認するとともに、

「国際紛争は平和的手段で、国際法に沿って解決すべきだ」との日本の原則的立場を説明し、

米国側と一致したとされている。もしかしたら、日米で尖閣問題を国際司法裁判所に持ち込むアイデアも検討されているのかもしれない。



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