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【前編】イトーヨーカ堂創業者・伊藤雅俊氏はじめ・・・(流れ作業で物は動くが心は動かせない)

2010年10月17日 18時40分04秒 | ニュースの感想
イトーヨーカ堂創業者・伊藤雅俊氏はじめ、全国600社超から視察研修依頼が殺到!
人口4700人の温泉町で1日2万個のおはぎを売る小さなスーパー「さいち」の秘密(前編)

夫婦二人三脚で築きあげた「心」の経営
http://diamond.jp/articles/-/9445
東北自動車道仙台南インターチェンジを下りて、10分ほど車で走ると名取川沿いに縦に伸びる秋保温泉にたどりつく。JR仙台駅や山形駅からも車で30~40分ほどの場所だ。

 人口4700人の小さな温泉町に、1日平均5000個、土日休日は1万個以上、お彼岸になると2万個もの「おはぎ」を売る店がある。その店の名は「主婦の店 さいち」(社名は株式会社佐市)。和菓子屋さんではない。外見は田舎町にあるごく普通の小さなスーパーだ。

「主婦の店 さいち」、見た目はどの田舎町にもあるフツーのスーパー。 実は、さいちには、ヨークベニマルやヤオコーを始め、大手スーパーやコンビニチェーンの担当者が視察・研修に訪れる。その数はこれまでに600社超。お目当ては、さいちの惣菜部門だ。さいちのお店は、秋保町のたった1店舗のみ。年商6億円のうち、50%を惣菜部門(おはぎ+300種超のお惣菜)が占める。平均的なスーパーの惣菜部門は全売上の10%にも満たないので、この数字は驚異的だ。

「どうして、そんなに売れるのか?」。全国からその秘密を学びにひっきりなしにやってくる。

 さいちの躍進は、佐藤啓二社長(75)と奥様の澄子専務(75)が二人三脚でつくり上げた。澄子専務が朝1時半に厨房に入り、惣菜部門を現場で指揮する。9月17日には、初めての著書『売れ続ける理由~一回のお客を一生の顧客にする非常識な経営法~』(ダイヤモンド社刊)が発売された。

 さいちの創業はいまから約140年前。おもに温泉旅館向けに、日用雑貨や食品などを扱う小さな店を営んでいたが、経営難に陥り、1979年に「主婦の店 さいち」として、いわば再スタートを切った。惣菜を始めたのは、開店から1年ほど経ってからだ。


さとう・けいじ/1935年仙台市生まれ。「主婦の店 さいち」(株式会社佐市)代表取締役社長。経営のノウハウを無料で公開する姿勢を貫き、全国の大手チェーンなどから視察研修依頼が殺到している。

佐藤社長:いまでも思い出しますが、お惣菜を本気でやろうという気になっても、どういうものをやっていいのか、どういうふうに出したらいいのか、まったくわからないわけですよ。どこかの先生に教わることもできたでしょうが、当時はそんなことができる経済状態ではなかったんです。

 専務である女房といろいろ話して、とにかく自分たちが毎日つくって食べているものを出そうということになった。それが売れるとか、売れないとかではなくて、切羽詰まっていましたからやれることをやろうと。ただ、その考えは、当時としてはおかしかったわけですよ。

 自分のうちでつくれるお惣菜をわざわざお店で買うのか?同業者からも、「そんな商売は成り立たないよ」と言われていました。

 最初に出したお惣菜は、おにぎりでした。当時は、おにぎりなんて、わざわざスーパーで買って食べるものではありませんでした。メニューは3種類だけで、のり巻と味噌をつけたもの、それに梅干しを入れたものです。自分の家で簡単につくれるものですが、「さいちのおにぎりを食べてみたらおいしかった」と、徐々に口コミで評判が広がりました。

 お客様におだてられて、ここまで続けてこられたようなものです。

自分で考え、自分でつくれば
商品に愛情がわく
当時、お惣菜を売っているスーパーは、全国どこにもなかった。できるだけ人手を減らし、合理化して商品を安く提供するのが、スーパーだと考えられていたこともある。これに対してお惣菜は人手がかかる。

佐藤社長:当時の世間の風潮では、「家庭でつくっているものは商品化できない」という先入観があった。私たちは素人だったから、そういうことを知らない。専門家が心配して見にこられて、そう言われて初めて、「そうなの」と思ったんです。

 そこでストップして、どこかで勉強すればよかったのでしょうが、人も足りないしおカネもないので、できませんでした。いまになってみるとそれがよかった。

 小金を持っていたらそうしたでしょうが、そうしたら習ったところの範囲でしか動けません。いまでも私たちは聞く耳を持っていますが、それはお客様の声を聞く耳であって、専門家の声はご法度にしています。

 女房(澄子専務)も、ときどき東京に行ってはいいものを見つけ、これを売りたいなと思っても、そのつくり方を聞かずに、自分で買ってきてつくってみる。絶対に人マネをしないというのがさいちの原則です。マネをしたら、お手本の料理をつくった人の範囲にとどまってしまう。それは意固地になっているのではなく、私たちは素人なので、勉強していかなくてはいけないという一念を、当時と変わりなく持っているということです。

「これをつくってください、あれをつくってください……」お客様の声は、ある意味、際限がありません。それはありがたいことです。だからと言って、先生や親方の所に聞きにいかずに、自分たちで考える。そうすると、自分がつくったものに愛情がわく。自分の子どもに対する愛情と同じです。

 いまの日本では、自分たちの商品に対する愛情を忘れているように思えます。でも、それは考えなくてもいいからでしょう。へたにおカネがあるとダメですね。教えてもらえばいいという頭がありますから。

たとえ他店より原価率が高くても、
お惣菜でしっかり利益が出せる理由
さいちのお惣菜を食してみる。一流の調理人がつくった料理に、「うまい!」とひざを打つような味ではない。思わず静かに「これ、おいしねえ」とつぶやいてしまうようなおいしさとでも言えようか。そのお惣菜のレパートリーは、優に500種類を超える。そのうち300種類を季節感を大切にしながら、店頭に出している。

多品種・少量生産になると、手間暇ばかりがかかって、利益が出ないのではないだろうか? 実際、さいちの惣菜の原価率は約60%で、40%程度と言われるスーパーのそれよりも高い。にもかかわらず、利益がしっかり出ている。

佐藤社長:そうそう、私も最初は(多品種だと利益が出ないと)そう思った。いまでも、そう思わないわけではありません。

 ところが、商売というのは売れないことには商いにならないでしょう。たとえば、出版社がある本を1000冊売れればいいと考えたとすると、そこが損益分岐点ですね。1000冊売れれば、たとえ利益は細くても経営は成り立つ。

 だから、私も肉じゃがをつくったら、「全部売ってください」と、従業員に言っているんです。そうしないと、「お給料減らしますよ」と。実際には、そういうことはできませんから、全部売ってくれないと困る。そのためには、「真心を持って100%売れる商品をつくるのが、絶対条件ですよ」と、言っています。うちではロス(廃棄)はゼロとして原価率を計算しています。いくら原価率を低く想定しても、売れ残りが出てしまえば、その分、原価率は上がってしまいます。 


1個105円の「秋保おはぎ」。お彼岸の日には2万個が売れる。 さいちでは、お惣菜が売れ残っていれば、平日夕方5時45分から、惣菜全品半額セールを行う。時間と様子を見ながら、1品1品値下げのシールを貼り替えて行く普通のスーパーとはやり方が違う。5時45分にしたのは、まさに主婦が夕食を準備するストライクゾーンの時間帯だから。それに人手もかからない。そしてすべてを売り切る。もちろん利益が出る理由はそれだけではない。

澄子専務:お惣菜づくりは失敗することもあるので、出来上がったものを見て、このくらいの値段でと、高めに設定することもあります。それでも、「おいしかった」と満足感があると、お客様には、値段のことは忘れていただけるのです。

家庭の主婦が仕事帰りにお惣菜を買って帰ったとしますね。そのときに「おいしかった。また買ってきてね」と言われるのと、値段は安かったけど食べ残されたらどうでしょうか。その違いが大切なのです。

 もちろん失敗はあります。たとえば、煮物を煮すぎてしまった場合は、早く鍋をさますことが大切。このときは、お酒を鍋に回してさまします。それから私が使えるものを使って味を調えてみせて、みんなで食べてみるということを、必ず実行します。

 そうすると失敗した人は、「ごめんね」と思っているので、必ず反省してくれる。そういう従業員に囲まれている私たちは、本当に恵まれています。

なぜ、従業員を
1対1で叱らないのか?
さいちでは、お惣菜をつくることにも増して、「惣菜をつくる姿勢をつくる」ことに、力を注いでいる。人の育成にはどのような教育方針で臨んでいるのだろうか。

佐藤社長:私は人を教育できるような立場でありません。ただ、思いは二つあります。

 一つ目は、「絶対に幸せになってくださいね」と言っています。「ここでやっていることは(幸せになるための)道具なんだからね。(幸せになるためには)何でもサポートします」と。

 二つ目は、「必ず結果の出せる人間になってください」ということです。「中途半端なまま結果を出さないでいると、ずっとそのままになりますよ」と。

 開店してしばらくは、教育なんてする余裕がなかったので、従業員がダイレクトに家庭の不和を持ち込んでくるかと思えば、昨日の学校の運動会の話をしてみたり、もうメチャメチャでした。人手も足りないし、困ったなと思ったのですが、そういう場合は、「すぐにうちに帰って、心が落ち着いてからまた来てください」と言うようになりました。いまでも、そうハッキリと言います。

うちの専務は「お客様が、楽しく、喜んで買っている姿を想像してつくるんだよぉ」と、しょっちゅう言っています。心に花が咲かないで、真っ暗な気持ちでつくるといいものはできません。そんな気持ちでつくったものをお出しするのは無礼です。商品にはなりません。お客様にはわからないとしても、こちらはわかっているのだから、ウソをついたことになります。

社長と専務は、従業員を叱るときにも、一つの流儀を守っている。

 きっちりと叱る必要がある場合には、その人だけでなく必ずもう一人入れて説明する。大事なことになればなるほど、そうします。

 よく「人を叱るときには一人だけ呼んで、叱りなさい」と言われますが、そうはしません。私たちはそれでひどい目に遭ったことがあるからです。

 私たちもそうですが、1対1だと、どうしても自分をよく見せようとして、相手は虚栄を張る傾向があります。そうなるといかんせん、反省につながりません。自分をありのままに出してこそ反省ができる。それで、もう一人入れるやり方に変えたのです。

 そうしたら、ずっとよくなりました。当の本人も納得がいくように話ができるようになったし、何よりウソがなくなりました。

徳光和夫氏の番組で、「秋保おはぎ」が紹介されると、人気は一層高まった。商品がたくさん売れたときには、さいちでは部門賞が従業員に配られる。

 2009年12月20日に、徳光和夫さん司会『TheサンデーNEXT』(日本テレビ系)で、さいちが紹介されました。例年12月はおはぎがそんなに売れないのですが、テレビで紹介された日はお客様が殺到しました。その日だけでなく次の日曜日も、翌年の1月の土日も同じような状況が続いたのです。

 商品の販売では、それぞれ毎月各部門ごとに売上高、粗利高の基準を決めて、金賞、銀賞、銅賞を進呈します。

(後編は10月5日(火)掲載の予定です。お楽しみに!)

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