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「被災地は何も進んでない」 政局ばかりの国会に憤る三陸選出の小野寺議員

2011年07月29日 20時32分17秒 | 感想&独り言!!

「被災地は何も進んでない」 政局ばかりの国会に憤る三陸選出の小野寺議員

BLOGOS編集部

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「被災地は何も進んでない」 政局ばかりの国会に憤る三陸選出の小野寺議員
7月20日、自由報道協会が主催する会見に臨んだ小野寺五典・衆院議員(撮影:安藤健二)  写真一覧(8件)
 
 「震災から4カ月も経つのに、被災地はまだ何も進んでいないんです」。そう悔しそうに語るのは、津波で甚大な被害を受けた宮城県沿岸部を地盤とする小野寺五典(いつのり)・衆院議員(51)だ。


 小野寺氏は、気仙沼市の出身。現在は、自民党の宮城県連会長を務めている。東日本大震災からの復興を迅速に進めるため、自民、公明、民主の三党の県組織による「宮城県復興協議会」の設立を呼びかけたが、民主党の反対で断念せざるを得なかった。政局ばかりが優先されて、被災地の復興が進まない現状に憤りを見せた。今回は筆者が撮影してきた5月5日当時の南三陸町の写真を交えて、小野寺氏の会見の模様をお送りしよう。【取材・文:安藤健二(BLOGOS編集部)】

 

「ガレキを山積みにしているだけ」


 
小野寺五典氏(小野寺氏):今回、私の生まれ育った地元である宮城県の気仙沼と南三陸が被災をしました。その被災の問題と、今、被災地で何が起こっているのかということ。それともう一つ、ここ数日発覚したことですが、今までは沿岸部の津波の被害、内陸部では地震の被害でしたが、今回は宮城の稲わらから高濃度の(放射性)セシウムが検出されました。その検出された地域も私の選挙区、地元であります。今回は津波に加えて原発事故の被害もダブルパンチで重なったということであります。

大変お気の毒なのは、先ほどお話した南三陸町ですが、津波で沿岸漁業は壊滅的ですし、街もほとんどが市街地の部分は何もなくなってしまいました。ようやく残った、林業や畜産業が汚染牛の問題で二重の打撃を受けています。今週には、南三陸の牛が東京の職人市場に上場される予定だったんですが、これも急遽取りやめということになりました。本当に災害というのは、津波が発生して4カ月近くになりますが、放射能の問題もこの地域に大きな影を落としているということで深刻に思っております。

今の被災地の状況ですが、たとえばガレキの撤去の問題一つにしても……。今はガレキを一生懸命、町の郊外に運んで山積みにしています。木材、鉄屑、ヘドロなど。一応、区分けをして持っていってるんですが、これは最終処分ではありません。最終処分地は、まだ決定していません。とりあえず、今のガレキをちょっと見えないところに片付けて山積みにしているだけというのが、今の被災地の現状です。

この三陸沿岸は、もともと冷蔵庫にたくさんの魚が凍結して入っておりましたこれが溶けて腐って、そこにウジがわいて、今、大量のハエが飛んでいる。今後は蚊の被害もかなり出るんじゃないか。環境問題も大きくなってきます。被災地は実は、まだ何も進んでいない。これが被災地にいる私の実感です。


海岸では水没した道路の横に日の丸が翻っていた(5月5日、宮城県南三陸町にて。撮影:安藤健二)

 

「マイナスの気が漂っている」



小野寺氏:それから被災の中で、今心配されるのは、地域の方の心が折れないかどうかということです。津波の発生直後は「生き残って良かったなぁ」「どこどこの家族は生きていた」とか、命からがらというところ(で安堵する気持ち)だったんですが、時間が経つにつれて自分の今置かれた状況が冷静に見えるようになってきます。家が無くなった。家財もない。身内の方も亡くなった。仕事もない。「一体、これからどうやって生きていこう?」と。ともすれば絶望に陥ることもあります。今は、そうした心の問題が重くのしかかってきております。

ガレキの撤去はしていますが、我がふるさとでは残念ながら「新しいこと」「何かを作り上げる仕事」というのは全くありません。気でいえば、マイナスの気が漂ってきている。こういうことを一日も早く復興しなくてはならないと思っております。

今日、衆議院で第二次補正予算が通過いたしました。非常に少ない補正予算になりました。残念ながら今の政府は、大きな重荷を背負っています。それは今年度の予算すら、国債を発生する特例法案が通っておりません。ですから、今年の予算もまだ執行できるかどうかすら分からない。こんな状況の国会の中、補正予算で積み増すことがなかなか出来ない。新たな槌音が響くような、前向きに物を作っていくといった予算措置が出来ていない。そういう状況に、非常に腹立たしく思いながら国会ですごしております。


重機でガレキの片付けを進められていた(5月5日、宮城県南三陸町にて。撮影:安藤健二)

 

「被災地に与党も野党もない」と提言したが…



―小野寺議員は、公明党・民主党と組んで、宮城県復興協議会を立ち上げようとしましたが、民主党の反対で立ち消えになってしまいました。その経緯と、立ち上げようとした理由を教えてもらえないでしょうか?

小野寺氏:実は国会が延長されて、ようやく今審議を少ししてますが、延長したのにも拘らず、ほとんど動いていない。与野党の協議が、総理が辞めるのか辞めない。政府の責任(をどうするか?)ということだけ。「このままでは予算も法律も通らない」という焦燥感がありました。

永田町では与野党の協力が進まないんであれば、被災地の一番中心で、一番被害が大きかった宮城県から与野党の協力を進めようと。まず、与野党の党派を関係なく「宮城大連立」という気持ちで、「復興のために全力を」と思ったんです。

今、私が宮城県の自民党の代表なんですが、公明党の県本部の代表の方と一緒になって、6月30日に宮城県の民主党の代表の方に申し入れをいたしました。「共に協力するための復興協議会をしましょう」と、民主党の方にお伺いして伝えました。「共通の提言をまとめて、政府の復興本部に、しっかり申し入れして実現しましょう。被災地に与党も野党もないんだ」という趣旨でした。

私どもはこれをテコに、復興対策は「政局ではなくて政策で」という動きを広めたいと思っておりました。「この思いは当然、民主党にも伝わるかな?」と思っていたんですが、残念ながら5日後に回答が来まして、「この協議はできかねます」とお断りの文章が書かれていました。

私はせめて被災地で、こういう与野党協力をして、今、日々苦しんでいる人達にやはり政治のあり方を見せるのが一番大事じゃないかと思ったんですが、残念ながら私どもの力不足なのか先方から断られたということがあります。


大破して多くの職員が亡くなった町役場の防災対策庁舎(5月5日、宮城県南三陸町にて。撮影:安藤健二)

 

菅首相がいないと「建設的な国会」に



小野寺氏:ただ、そうは言っても与野党問わず被災地のためになるように……。今日、ここに来る前に衆議院の復興対策特別委員会で私は質問して参りました。非常に印象的だったのは、昨日の予算委員会には菅総理が入って、皆さんが質問しました。総理に対して、さまざまな政治資金の話や原発対応の話や震災復興の話などが入って、激しいやり取りが行われました。

ところが、今日の特別委員会には総理がいないんです。(官房長官の)枝野さんとか(経済産業大臣の)海江田さんとか(鹿野道彦)農水大臣とか皆さんそろっているんですが、総理はいない。これが極めて建設的なんです。今回、「稲ワラにセシウムが検出された責任があるでしょう!」と質問したら、素直に「私どもに責任があります。その補償については努力します」と。それで「ここをもっと直してください」とか非常に建設的な議論が出来たんですね。あぁ、なるほどなぁと。菅総理がいないと、与野党ともに、これだけ政局じゃなくて政策の話が出来るんだなあと思いました。

こういう姿が本来の国会。国民の皆さんに見て頂ければ、「国会も少しはまともなところがあるんだな」というご評価が頂けると思います。是非、衆議院のHPで見れますので、本日7月20日の復興対策特別委員会のページを開けば、「なるほど。総理がいないとこれだけ建設的になるんだな!」という姿が見て頂けると思っています。


防災対策庁舎には多くの花が捧げられていた(5月5日、宮城県南三陸町にて。撮影:安藤健二)


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