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光が丘学校跡地利用を考える会

練馬区光が丘地域の4つの小学校の跡地利用を考える会のブログ

小学校統廃合の次は・・・「熱供給」システムの『再構築』と都市計画変更 その1

2011年01月12日 | 日記
 報告が年を越してしまったが、「一団地の住宅施設」の廃止=練馬区主体の「地区計画」への変更、という現在区が進めようとしている都市計画の変更と並行して、地域冷暖房施設の設備更新にともなう都市計画変更も進められている。
 制度上は別個の都市計画変更だが、数年後の清掃工場の建て替えにもつながることであり、小学校統廃合・跡利用とともに光が丘団地のこれからのありようが問われているという意味でも、都市計画変更の手続の面でも、「一団地の住宅施設」の廃止=練馬区主体の「地区計画」への変更に先行する行政手続きとなる。
 「たたき台」の段階の「地区計画」と比較すれば、「熱供給の都市計画変更」はすでに「原案」の段階で、練馬区都市計画審議会に提案されている。

 さて、光が丘団地は、中心部に光が丘清掃工場を配し、その廃熱を利用して地域熱供給事業による地域冷暖房(冷房は商業地域のみ)および団地全域への配湯が行われている。
 事業主体は、東京熱供給株式会社である。
 光が丘団地居住者しかご存知ないが、光が丘団地はいつでも蛇口をひねればお湯が使えるかわりに、風呂の追い炊きなどができない。
 また、暖房も温水熱による温風暖房設備があらかじめ室内に設置されている(使用できるのは冬季のみ)。
 建物に温水の配管がめぐらされているため、他の団地より冬は暖かい、という意見もある反面、個別のガス暖房機や石油ストーブなどに比べて利用料が高い、核家族で入浴時間がずれている世帯も多い中で追い炊きもできないのは不便で経済的でない、膨大なインフラ整備とメンテナンスが必要でその費用の負担も大きい、など団地住民に共通した不満もある。(ただし、最初に開発された光が丘1丁目のむつみ台団地は、このシステムの区域外となっている。)

 今回の都市計画変更は、「『清掃廃熱の有効活用』から『清掃廃熱の最大活用』と『現状システムの高機能化』に転換するため、光が丘団地全体の熱供給システムの再構築(工事)」のため、と説明されている。

 現在の清掃廃熱を利用した温水は55度から、いったん25度に下げて配湯され、サブステーションで再度加熱して各戸・各施設で給湯、というシステムになっている。新システムでは55度~60度のまま直接温水供給し、175度の蒸気で業務用の冷水をつくる、そのために二ヶ所のサブプラントの改修ばかりでなく、高温高圧に耐える導管を団地全域18キロにわたって新たに敷設する、というもの。

 都市計画の関係では、

・地域的な給水システムは、都市計画法第11条の「都市施設」として位置づけられ、個別に都市計画決定を受けなければならない。
 この場合の都市計画の変更とは、「一団地の住宅施設」としての都市計画とは別の、「都市施設」としての配管システムの都市計画の変更である。

・熱供給の配管システムは区道下や区立公園内を通っているものもあるが、今回、もう一系統配管を敷くことになり、この新しい配管についての都市計画決定が必要。

・個別の都市計画として、「一団地の住宅施設」の変更とは別に練馬区都市計画審議会にかけることになる。

 これについては、事業者主体である東京熱供給株式会社が、光が丘団地の各管理組合などを対象に昨年夏から個別の説明会を開催している。
 9月初旬頃には、熱供給会社から「光が丘地区地域冷暖房施設の再構築について」というチラシも戸別配布された。
 そこに記載されたスケジュールでは、来年度からサブステーションの改良工事と導管の埋設が始まり、2015年までかかるとされている。
 また、その後に清掃工場の建て替え、となっている。

 一方、都市計画変更の主体は練馬区であり、11月には光が丘団地住民全体を対象とした練馬区主催の説明会が2回開催された。
 

 熱供給に関する都市計画は、光が丘1丁目&赤塚新町地区、旧グラントハイツ排水施設跡の通称「とんぼ池」周辺、光が丘公園全域、都立光が丘高校&都営旭町1丁目アパート、都営大江戸線高松車庫周辺など、「一団地の住宅施設」の都市計画エリアよりかなり広い範囲が含まれている。
 一方最初に述べたように、グラントハイツ跡地で最初に開発された「むつみ台団地」は含まれていない。(光が丘児童館などの公共施設も含め、個別冷暖房。配湯はない。)
 なお、東京熱供給は株式会社ではあるが、資本金7億5千万円のうちの1/4を東京都が出資している。
 光が丘の他に、多摩ニュータウン八王子南大沢地区、品川区八潮団地、竹芝地区、有楽町国際フォーラム地区の熱供給を行っているが、光が丘はだんとつで規模が大きい

 地域冷暖房・配湯システム=熱供給は光が丘団地のまちづくりのシンボルともいえるものだった。このシステムの「再構築」は光が丘の今までの30年と「これからの30年」を考える象徴ともいえる。
 それだけに説明会で出された住民の疑問や意見は、光が丘のまちづくりの本質につながっている。

(「その2」へつづく)

文責 セブン

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