嗚呼!京都

「嗚呼!東山」としてスタート。いまは、「京都」にかかわるできごと・見聞録をボチボチときろく。

アメリカの京都

2008-11-11 | 外国の京都
(子ども博物館)

機会あって、ボストンにある子ども博物館に展示されている京の町家を見学してきた。

ボストンは、京都市とは姉妹都市で、来年、50周年を迎える。そんなご縁で数十年前に西陣から町家が寄贈されたそうだ。
この博物館の目玉でもあるという京の町家は、ボストン市民にも人気だそうで、地元ハーバード大学と共同で開発される町家などを紹介するプログラムが地元の学校で子供たちに施されるなど、アメリカ人が異文化を知るきっかけの一つとして重宝されている様子がうかがえた。
同館では、来年の50周年に向けて、さらなるバージョンアップをはかるべく準備を進めているという。

ボストンは、アメリカで最も古い地下鉄、とか、2番目になんとかのなんとか、とか、歴史のある街ながら、一方で、地上を走っていた高速道路を地下に通し直して分断された地域に交流をもたらすとか、地上に走っていた電車を地下に埋めてその上部を回廊にし、沿道の地域再生を実現するとか、古い建物を上手に手を入れながらリノベートして使うとか、どこか落ち着いて時間の流れがNYなどとはちがうのだが、過去のまちの文脈を生かしながらその時々の町の課題に対してまちを挙げて英断を繰り返してきたことを地元で数々のプロジェクトにかかわってきた建築関係の専門家の説明を聞いて、納得。

ガイドブックをみながらあるくだけでは知り得ないとてもメモに取りきれないほどの濃い中身。

京都には京都の文脈があって、その文脈を生かしながらさまざまな相克を経て乗り越えることが、どんな未来をもたらすか。やってみないとわからないが、やってみる価値は必ずある!と確信した。

分野を越え、新しいチャレンジのためのヒントが詰まっていた今回の7日間の視察。NYを経てボストン。