サッカーとボリビア

南米ボリビア移住して11年目、自分の大好きなサッカーを通して、南米ボリビアで何か出来ないか模索している毎日です。

ボリビアの地理

2011年05月27日 21時40分20秒 | ボリビア
【地理】
現在ボリビアは、行政的には9つの州に区分されているが、地形的な特徴からは大きくアンデス高原地帯、アンデス東麓の渓谷地帯、そして東部に広がる東部平原地帯という三つの地域に分けられ、各地域はそれぞれ独自の自然環境に恵まれ、異なる特徴を見せている。

①アンデス高原地帯(アルティプラーノ)
ボリビアの西側のペルーやチリと国境を接する地帯には、一部に6,000mを超える山々も見られるアンデス山脈が走っている。
南米大陸の太平洋沿いを約1万kmにもわたり走っているアンデス山脈は、ペルー中部で東西二つの山系に分かれ、1,600kmほど南下したあたりで再びひとつの山脈になっている。このアンデス山脈が二つの山系に分かれている地帯、特にペルー南部からボリビアを経て、ボリビア、チリ、アルゼンチンの三国国境付近まで続く地帯はアルティプラーノとも称され、最大幅約500km、平均海抜3,500~4,000mの平坦な高原地帯となっている。
ボリビア国土の5分の1を占めているこのアルティプラーノは、古くから高度な文明が栄え、また鉱物資源にも恵まれていることから、ボリビアの人口の約44%が集まり、最も人口の集中する地域となっている。

-アルティプラ-ノの作物-
アルティプラーノは平均海抜が3,500~4,000mの寒冷地に広がっていることもあり、植物の生息に適した土地とはいえない。しかし、北部のチチカカ湖周辺は比較的気候が温和で降水量も多いため、アイマラあるいはケチュアといった先住民の人々により、ジャガイモ、キヌア(アカザ科の一年草)などの作物が伝統的な農法により生産されている。
特にジャガイモは、チチカカ湖周辺部にあたる中央アンデス中南部高地で最初に栽培化したと考えられ、現在でも非常に多くの変種が栽培されており、アンデスが生み出した代表的な作物といえる。
またキヌアは、そのヒエに似た種子にデンプンが含まれていて、粉にしてパン状に焼いたり、また粒のまま粥にして食されるなど、重要な食用植物として栽培されている。

-アルティプラ-ノの動物-
大規模な農業にはあまり適していないアルティプラーノでは、まばらに自生している植物を飼料として、アルパカやリャマといったラクダ科の動物の放牧が行われている。アルパカは、主として毛織の素材とするとめに飼われている家畜で、その毛で編まれたセーターなどは近年日本でも多く流通するようになっている。また、リャマの毛も織物などに利用されるが、アルパカほど品質は良くなく、むしろ荷役運搬用として利用されている。
アルティプラーノにはこの他グアナコ、ビクーニャというラクダ科の大型哺乳類が生息している。グアナコは毛や肉を利用するために、またビクーニャはその最高級といわれる毛を得るために乱獲され、その数は減少の一途を辿っているが、絶滅の危機を免れるため、現在では保護策が講じられている。

-チチカカ湖-
ペルーとボリビア両国にまたがるチチカカ湖は、海抜約3,800mという富士山より高い場所にある淡水湖で、その面積約8,700km2というのは琵琶湖の約12倍に相当し、また最高水深は280mに達している。
全体に荒涼とした地であるアルティプラーノの中でこのチチカカ湖周辺だけは気候が温和で、ジャガイモやキヌア、マメ類などの栽培が行われている。
周囲に丈夫な木材を提供する森林が存在しないため、周辺に住む人々はチチカカ湖の水辺に生えるトトラと呼ばれる草を用いて舟を作り、湖上を行き来している。このトトラは「あし舟」と訳されることが多いが、厳密には葦ではなく、カヤツリグサ科の植物である。ペルー領内のチチカカ湖上には、このトトラを集めて作ったウロス島という浮島がある。

②渓谷地帯(エル・バリェ)
アンデス山脈の東麓には、氷河や河川に削られてできた渓谷地帯(エル・バリェ)が広がる。
このエル・バリェの北部は、「ユンガス」と呼ばれる高温多湿の亜熱帯気候に属する肥沃な土地で、カカオ、バナナ、コーヒーノキ、サトウキビ、コカなど、熱帯性作物の生産が盛んに行われている。一方、海抜1.500~2,800mの南部は、気温は温暖であるが、北部のユンガス地域に比べて乾燥した地域となっている。
エル・バリェもボリビア全土の5分の1を占めている。

-エル・バリェの作物や植物-
エル・バリェの北部に広がる肥沃なユンガス地方で栽培・収穫される作物は実にさまざまで、その土地の高度によっても収穫される作物の種類が異なっている。
荒涼としたアルティプラーノの下限3,500mから下り始めると、トウモロコシやマメ科の作物の耕作地が見られるようになってくる。2,500mぐらいまで下がってくると徐々に亜熱帯性の植物が目立つようになり、木立も鬱蒼としてくる。そして、1,500mまで達すると、森にはシダやラン科の植物、あるいは着生植物などが豊富になり、ユンガス地方の亜熱帯性の特徴が顕著になる。
しかし近年では、コーヒーノキ、カカオ、バナナ、柑橘系の植物、コカ、ヤマイモなどの栽培耕地面積が拡大されてきたため、自然の植物が少なくなりつつある。こうした現象は1,500m以下の地域でも見られ、キナノキ(樹皮からマラリアの治療薬キニーネが採取される)やゴムなどが、サトウキビ、あるいはパパイヤなどにとって替わられるようになってきた。

③東部平原地帯(オリエンテ、あるいはリャノ)

ボリビアという国については、「アンデス」という言葉を使って紹介されることが多い。しかし、国土の5分の3というボリビアの大部分を占めているのは、「リャノ」とも呼ばれる、東部に広がる大平原地帯オリエンテである。オリエンテは全体として高温多湿の熱帯気候に属しているが、地域によって多少の違いが見られ、その違いからオリエンテをさらに、北部のアマゾン地方と南部のチャコ地方、そして中央部とに大別することもある。
熱帯雨林の原生林に覆われた北部のアマゾン地方は、第一次世界大戦時のゴムブームの時には、天然ゴムの一大生産地として活況を呈したが、ブームが去ってからは、マホガニーやキナノキを中心とした林業が行われるだけで、最近まであまり開拓の手が入らなかった。なお、この地方の一部は草原・湿地帯で、一大牧牛地帯となっている。

北部とは対象的に南部のチャコ地方は、ほとんど雨の降らない乾期が存在することから、サバンナの様相を呈しており、人口密度も希薄である。
アマゾン地方とチャコ地方にはさまれた中央部一帯は、亜熱帯性の気候で、近年ではサンタ・クルスの町を中心にして著しい発展を遂げている。

-オリエンテの植物・動物-
オリエンテの北部一帯は、鬱蒼とした熱帯雨林が広がっている。その南に続く地域にも熱帯雨林は残っているが、その他にパラゴムノキ、カカオ、クルミ、ビャクダン、あるいはバニラなどの分布が見られる。またこの地域には、「アンデス」からは想像のつかないようなオニオオハシ、ペリカン、ジャガー、バク、イノシシ、アリクイ、ヤマアラシ、シカ、サル、ワニ、ボア、毒ヘビなど、熱帯地域特有の生き物が生息している。
一方、南部のチャコ地方に広がるサバンナでは、サボテンなど乾燥に強い植物が見られるが、やや多湿な地域にはヤシが茂り、ケブラコ(ウルシ科の植物で樹皮は皮なめし・染料に使われる)、イナゴマメ、ゴウルリエア(マメ科)、アカシアなどの植物も見られる。













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