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股関節って何?

2023-06-05 20:37:03 | 整形外科

ところで股関節と言うと皆さんどんなイメージでしょうか?脚の付け根なんてイメージでしょうか?何となく一般的に言われているイメージと整形外科医が感じる股関節のイメージって実は違うと思っています。

整形外科医が股関節という場合・・・。

そもそも関節とは骨と骨を繋ぐところにできるものであるので股関節の場合、骨盤の受け皿側(臼蓋と言います)と大腿骨の頭(大腿骨頭と言います)の繋ぎ目のことを言います。その繋ぎ目は袋でおおわれており(関節包と言います)、その袋と内部構造を含めたところが純粋な股関節と思っています。ですから股関節が痛いと言っても本当の意味で股関節が痛くなくて言っている場合もあるのです。股関節周囲筋肉や骨や近くの関節が原因の痛みや、股関節周辺の感覚を支配する神経の痛みだったりすることもあります。ですから一般の方が股関節が痛いと言っても、逆に本当に股関節なのかとも考えています。本当の股関節痛とは関節包も含めた股関節内部構造が何らか損傷を受けていて痛みが出ているものになります。もちろん純粋な股関節内部構造に問題がない、一般的に言われる股関節痛もどういった病態かと考えて治療にあたるのですが、ややこしくなるので今回は整形外科医が考える解剖学的な股関節だけについてお話しします。

 

股関節がどうなっているか?

まず大腿骨の頭、大腿骨頭に注目します。これが右左どちらの大腿骨頭かわかりますか?ぱっと見て分かる人はなかなかです。左です。なかなか面白い形していますよね。なんでこんな斜めに突き出しているの?なんであんなところが出っ張っているの?と考えないではいられません。なんて私みたいなこと言う人はあまりいないでしょうね(笑)。とにかく大腿骨頭は丸いです。球形をしています。

骨盤側の臼蓋も球を覆える受け皿の構造をしています。大腿骨頭をしっかり覆うように被さっている形をしています。臼蓋ほど骨性に覆いがしっかりしている関節はないです。

 

構造的に球形をしているものがスムースに動けるのが股関節の無駄のない動きと言えるのではないでしょうか?寝たまま脚を持ち上げるみないな動きは股関節にとってはストレスがかかっているのかもしれませんね。一般的に曲げたり伸ばしたりという動きよりは受け皿の中心でクルクル回る動きの方がストレスは少ないと言えます。

 

そんな訳で走っていると股関節の動きは右左で交互にクルクル回っていた方が良いのではないかと感じています。前回のハーフマラソンで左股関節外旋した動きを考えていましたが、結果右の内旋も同時進行で改善しないとできていないのです。その時の骨盤の動きも考えると本当にややこしいです。しかもそれが走るという速い動きの中でやらないといけないので当然走りながら全部考えて走るなんてできないのです。もしできたとしても動きのスピードについていけないので間に合っていません。だからやっぱり無理なのです。

 

股関節の動きに対するイメージの違い、そこからやろうと思っていることと意識することの違いがあるということが少しはお伝え出来ましたでしょうか?それではまた👋



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