朝のテレビを見ていてふとつぶやいた「防空壕を掘ろうか?」
戦時中、庭先を掘って父が作った防空壕は大したものだった。
終戦年の3月近くに爆弾が投下され、稲光と地震が同時に発生し防空壕に避難した。
防空壕避難は後にも先にもこれが一回限りだった。
しかし もし防空豪を爆弾が直撃したら父の力作もなんの効果もなかっただろう。
だから、ここには人が暮らしていませんと、暮らしの痕跡を消すために、白壁を黒く塗り、光が外に漏れないように電灯には斜光フードをつけた。
忌まわしい記憶である
平和な今 窓からの光に外の景色が浮かび上がる。
この景色が、閃光を伴う闇に沈むことがある。
暑くなく寒くなく「春宵一刻値千金」 春のおぼろにかすむ松本の夜景
これが 一瞬 暗闇に変わることがある。
どんな事態に陥ろうが、そんな馬鹿な事態が起きるはずがないと思いたい。
しかし地球上のあらゆる場所で現実に戦闘が続いている。
防空壕を掘ろうか !!逃げ込む前に焦土と化すだろう