第76回びわ湖毎日マラソン(日本陸上競技連盟、毎日新聞社など主催、住友電工特別協賛)は28日、大津市の皇子山陸上競技場を発着点とするコースで行われ、鈴木健吾(25)=富士通=が2時間4分56秒の日本新記録で優勝した。従来の日本記録は2020年の東京マラソンで大迫傑が出した2時間5分29秒で、日本選手の2時間4分台は初めて。びわ湖毎日は大阪マラソンとの統合が決まり、22年からは大阪に舞台を移すため、滋賀県での開催は今大会で最後となった。
2位の土方英和(Honda)は日本歴代5位の2時間6分26秒、3位の細谷恭平(黒崎播磨)は同6位の2時間6分35秒をマーク。4位の井上大仁(三菱重工)が2時間6分47秒、5位の小椋裕介(ヤクルト)は2時間6分51秒と、計4選手が2時間6分台を出した。2時間7分台も10人で、好記録ラッシュのレースとなった。
鈴木は愛媛県宇和島市出身。小学6年で陸上を始め、宇和島東高3年で全国高校総体5000メートルに出場。神奈川大では4年連続で箱根駅伝を走り、3年時に2区で区間賞。4年時には、初マラソンとなった東京で2時間10分21秒をマークした。19年の東京オリンピック代表選考会「マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)」は7位だった。
日本選手の優勝は第57回大会(02年)の武井隆次以来19年ぶり。従来の大会記録は第66回大会(11年)を制したウィルソン・キプサング(ケニア)の2時間6分13秒。今大会は新型コロナウイルスの感染拡大による渡航制限のため、海外からの招待選手はいなかった。感染防止を図るため、レースは沿道での観戦自粛を呼びかけて開催された。
第1回大会は1946年、全日本毎日マラソン選手権大会として大阪市の難波別院跡地を発着点に行われた。現在開催されているマラソンで最も長い歴史を誇り、多くの五輪代表を輩出してきた伝統の大会は、東京マラソンに次ぐ規模の市民ランナーが参加する大阪マラソンと統合し、発展を目指す。(WEB抜粋引)