高山の仇を山田で獲る

今回の最長寸：４６０

　高山治田の雰囲気に魅せられつつ、巨ベラを手にする事が出来なかった悔しさから、高山釣行の思いはますます募ります。しかし、室生や山田から好釣果情報が入る中、あえてボウズ覚悟で、減水傾向の高山へ足を向ける事は出来ませんでした。

　釣友達が次々と尺半を上げて行く中、気持ちばかりが焦ります。とりあえず、今年の初尺半が欲しい！１０年振りに、室生もいいかなと思いましたが、ここはいったんホームへ帰ろう。

　という訳で、また真夜中に山田へ到着。“１１時の男”さんから事前情報を得ていたので、他のポイントには目もくれず、一目散に奥広田に向かいました。するとそこには、すでに３台の車が有りました。『みんな知ってんねんなぁー！』。さて、お目当てのポイントは空いているか？

　誰か、すでにナイターをかけておられる姿がありました。出来るだけ物音を立てずに近寄り、『こんばんわ』と声を掛けると『こんばんわ』と優しそうな声が返ってきます。「あっー良かった…」。『ナイターどないですか？』と続けると『いやー今始めたばっかりでね、朝まで待とう思ったんやたけど、魚がバシャバシャさせとんもんやから、焦ってもうてね…』。『あーそうなんですか、隣に入らせていただいてもよろしいでしょうか？』。『あーどーぞどーぞ』。

　夜が明けて、その方が以前ﾎｰﾑﾍﾟｰｼﾞの“巨ベラ集”2010年5月に載っていただいた山崎さんである事が分かった。おかげで氏の１０ｍ程右隣の、一番入りたかった場所に釣り座を構える事が出来た。



　私は、春のこの時期の釣りが苦手である。夏や秋に比べると、いい思いをさせてもらった事が極端に少ない。以前、この時期にコンスタントに釣果を上げている“章月さん”に相談すると、『“やっさん”な、魚、はたいとってもな、対岸のヘチを、浅ダナの宙で攻めてみぃー、以外と食いで来るで！』。

　その話を聞いて、一昨年チャレンジするも４３どまり、去年はポイントが空いてなく、長竿で床釣りだった。それだけに今年、再チャレンジ出来るのがうれしい。おまけに先日、高山釣行時に、この釣り専用の“章月ウキ”をいただいたところだった。

　水面はそれほどゴミはなかったが、これからに備えて全長１３メートルの自作携帯ゴミ除けをセットすると、ほぼ対岸まで届いた。狙うのは、１３尺でウキ下約８０センチのタナ、これで底を約２０センチ切っている。

　今日のエサは、玉三マッシュ４００ｃｃ、尺上１５０ｃｃ、藻ベラ２００ｃｃ、水５５０ｃｃ。練りと手水で調整。仕掛けは、道糸３号、ハリス上０.４号３０ｃｍ・下２号４０ｃｍ
、ハリ上下ダイスケ１６号。
　※上ハリスが細いのは、ボサ対策。ビーズバリは柔らかいエサの時は、持ちが悪そうに感じたので、今回は使わなかった。ハリスは、もう少し短い方が良かったかも知れない。

　主に農業用の灌漑目的で作られ、発電設備のない山田ダムは、秋に一定水量まで達すると、その後はオーバーフローさせる為、４月にダムゲートを閉じるまでは増水しない。他の近畿地方南部のダムが２月３月から乗っ込み期に入り、早いところでは、ハタキが始まるのに対し、山田は一番遅い。増水と乗っ込み期がピタリと合うので、一つのワンドの中に、食い気の立っている待機組と食わないハタキ組が混在する傾向が顕著だ。

　あちこちで小規模なハタキが発生している。中には元気のよすぎるヤツが、ヘラ台にゴーンと突進してくる。かと思えば、左右前後に数匹のオスが１匹のメスを追いかけ回し、ごくたまに、ヨンパチはかるく超えてそうな“青い影”がスッーと横切って行く事もある。

　７時前からエサ打ち開始。さほど小一時間もしないうちに、ウキに変化が見られる様になった。やがてアタリが出だしたが、ウロコを３回もかいてしまった。『ハリスが長いんかなー？その前にエサのタッチかな？』『少し柔らかくしてみようか？』で、いつやるの？『今でしょ！』

　エサを柔らかくすると、今度はカラツンに…。『もっと柔らかくしてみようか？』で、いつやるの？もーうえーって…

　突然『あっ！』という山崎さんの声、見ると、ちょっとした隙に魚に竿を持って行かれた様だ。まだ魚のついたままの竿は、こちらに流れて来る。自分の仕掛けを投げると、上手くひっか掛かった。ゴミ除けにつかまった魚は、そのタイミングではずれ、竿は無事回収出来た。

　釣りを再開して間もなく、サワリの後、力強いアタリで来た。今年初の尺半上４６０だ。“山崎さん”に現認とシャッターをお願いすると、『人助けした後で、神さん釣らせてくれましたな、おめでとうございます。』『ありがとうございます。』



　その後、グッドタイミングでかかって来た“章月さん”からの電話に、『いただいたウキでやりましたよっ！』と、うれしい報告。



　日暮れまで、休憩なしで頑張ったが、後は４４を追加するにとどまった。



　久し振り

　あーおもろかった！

　おまけ
　帰り道に見たサクラの一種？