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平方録

薄いけれど青い富士

明け方から清明な空気に包まれてよく晴れ上がったので、この分なら富士山が見えるかもしれないという予想は的中した。
わが家から歩いて10分ほどの西側の眺望が開けた高台に行って見ると、狙い通り胸から上を雲の上に出した富士山(見出し写真)が姿を見せていた。
久しぶりに目にする富士山は周囲と比べると抜きん出て大きく高い。
その他を圧倒する存在感を目の当たりにして、あぁ、これだよな!これが見たかった!と妙に納得する。

頭上の抜けるような清明な空気感とは裏腹に西側の空には雲が折り重なり、しかも霞んでいた。
数時間後に聞くことになるのだが、この日、富士山が位置する駿河の国を含む東海地方と近畿地方も梅雨明けした。
きっと、梅雨空を覆っていた雲どもが、退却命令に大わらわになって移動を開始している最中だったのかもしれない。
富士山の胸から上がかろうじて見えていたのは、きっとせいだろう。

そもそも夏空にくっきりと富士山が浮かぶことはそう多くはない。
しかし時たま、強烈な太平洋高気圧に覆われて天候が安定した時などに、抜けるような青空とともに稜線もくっきりと青い富士山が見えることがある。
青というより、もっと濃い群青というか紫がかった紫紺色をした優美な山体が、広いすそ野の先までを見せて横たわる姿は雪を戴いて輝く真冬の富士山に負けず劣らす美しいとボクは思う。
期待したのはそういう夏富士の姿だったのだが…

それにしても539人とは驚く。
神奈川県の昨日のコロナ感染者数が今年1月以来の500人台に達した。
この分だと東京が遠からず2000人台になると時を同じくして初めて1000人台に届くのも時間の問題だろう。
個人的には水曜日に2回目のワクチン接種を受け、それ以降は少しくらいなら行動範囲を広げてもいいかなと、チラッと思ったりしていたが、クワバラクワバラで、じっと大人しくしているほかなさそうである。

ましてや、強硬開催の五輪終了後にどんな世界が待ち構えていることか。
まったく持って油断はならないのだから、もしかしたら今が最も平穏な時なのかもしれない。
どうか杞憂であってほしい、笑い話であってほしい、と願うばかりだ。





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